年齢を重ねるほどに増えていく心身の不調やトラブル。そんな大人の女性の悩みを解決し、心と体に潤いをもたらすメソッドが「膣ヨガ」です。今回から8回に渡り、セラピスト&インストラクターの鈴木まり先生が、その極意を伝授。初回は、女性ならではの不調解消法を教えてもらいます。
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膣を意識することで下半身の力が充実し巡りを促進
「膣」と聞くと、秘められたイメージやタブーを感じる人もいるかもしれませんが、「女性が健康な体を保つうえで大切なパーツ。生命エネルギーの起点ともいえる、女性にとってはパワースポットのような存在です」と、膣ヨガを考案された鈴木先生は話します。
「ヨガの要素のひとつに、エネルギーの通り道を意味する“チャクラ”があります。チャクラは体のほぼ中央にあり、肛門や膣のあたりの第1チャクラから頭頂部の第7チャクラまで、7つのポイントで構成されています。第1チャクラの膣は、ヨガの世界ではエネルギーが始まるスタート地点で、命の源であり、生命の土台。生命エネルギーの起点である膣を意識してヨガを行うことで、体の巡りが格段によくなり、女性の体を健康な状態に整えることができます」(鈴木先生)
膣ヨガのポイントは「お尻と膣を締める」「体を揺らす」「ねじる」「伸ばしきる」の4つ。これらの動きを中心に、ポーズが展開されます。
「膣ヨガで、まず始めに行いたいのが、お尻を締めて膣を締める動きです。膣に力を入れる、力を抜くという感覚がない人も、練習することで膣の動きをコンロールする感覚が養われ、下半身のエネルギーが充実します。女性の心身の不調は下半身の筋力不足が原因となることが多いので、不調の予防・改善のためにも、膣に力を入れて下半身の筋肉を鍛えることが大切になりますね」(鈴木先生)
そこで、今回は下半身の筋肉を鍛え、腰まわりの血流をよくするポーズをご紹介。ふだん運動習慣がない人にも無理なくできる動きなので、ぜひ試してみて!
お尻や膣を締める感覚がわかる!「立ち花菱(はなびし」膣しめ」の動画をチェック!
お尻や膣を締める感覚がない人にも、わかりやすい膣ヨガの入門ポーズ。骨盤底筋や臀筋が強化され、骨盤のゆがみを矯正。出産後の尿もれや便失禁の改善に効果的です。
〈1〉あお向けになり、ひざを立て、ひざの真下にかかとを置く。腹筋に力を入れて、お尻を持ち上げる。
〈2〉肩甲骨を寄せるようにして両手をお尻の下で組み、さらにお尻を天井方向に持ち上げる。お尻と膣をギュッと締め、鼻から息を吸い、口から息を吐く深い呼吸を5回くり返す。
〈3〉息を吐き切ったら、肩をゆるめてお尻を床に下ろす。
天井方向に引っ張られるように恥骨を上に上げるのがポイント!
お尻と膣に自然と力が入ります。
婦人科系トラブルの解消とリラックスにおすすめ「ヒップサークル8の字」の動画をチェック!
腰まわりの血めぐりが促進されることで、子宮内の血流がよくなり、月経痛や月経不順など婦人科系のトラブルを解消。体を揺らす動きにはリラックス効果があるため、肩や背中のこりの解消にもおすすめです。
〈1〉両脚を広めに開き、軽くひざを曲げる。体の前に棒があることをイメージをし、その棒をつかむように両手を上げる。
〈2〉1で重心を恥骨の真下に下げ、2・3で右側に大きくお尻を回し、4で真ん中に戻る。
〈3〉真ん中に戻ったら、5で恥骨の真下に重心を下げ、6・7で左側にお尻を回し、8で真ん中に戻る。これを10回くり返す。
ひざが伸びているとお尻を回しにくいので、ひざを曲げて重心を下げるのがポイント! なるべく大きくゆっくりとお尻で8の字を描くと効果的です。
お尻を締めて、膣を締める感覚をつかめましたか? 動きに慣れてくると日常生活でも意識でき、下半身の筋肉を的確に使えるようになり、不調知らずの健康な体を維持しやすくなります。
取材・文/野口美奈子 撮影/山上忠 動画編集/しぶちこ
【参考書籍】
『心とカラダをON&OFF! 膣ヨガ』(宝島社)