生活習慣、運動、食事の3つの質を高めて、体温と代謝を上げる「美コア」。その考案者である山口絵里加先生に、効果的に体を引き締めるトレーニング法やメソッドの開発秘話などを、これまで6回にわたって伺ってきました。最終回の今回は、山口先生の美ボディの秘密に迫り、毎日実践しているトレーニングや食事、入浴法など、さらなるボディメイクのヒントを教えてもらいます!
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生活に組み込んだ“ながらトレーニング“で無理なく筋力UP
「美コア」メソッドを開発した山口絵里加先生が、スポーツトレーナーを目指したのは、自身のケガがきっかけだったそう。
「テニスに打ち込んでいた学生時代、左足首疲労骨折というケガをしたことがありました。そのときに支えてくださったスポーツトレーナーの方の対応に感銘を受け、私自身がテニスプレーヤーを目指すのは難しいけれど、スポーツトレーナーとして選手をサポートしたいと思ったことが、この仕事を目指したきっかけですね」(山口先生)
その後、当時の思いを実現させ、プロアスリートのコンディショニングを行うスポーツトレーナーとして活躍。2014年に、体温上昇と代謝アップを促すメソッドとして「美コア」を考案されました。そんな山口先生は、美コアが目指す体を、自ら体現する抜群のスタイルの持ち主。毎日の生活で、どんなことを心がけているのでしょう?
「朝起きたら、まずコップ1杯の水を飲むことを習慣にしています。水は腸に入ったとき、腸壁から血管への浸透率が高いので、起き抜けに水を飲むことで血液がサラサラになり、全身の血液の巡りがよくなるんです」(山口先生)
日中は、生活に組み込んだ“ながらトレーニング“を実践。
「外を歩くときは歩幅を広く、大股で歩くことを意識しています。そして、上半身をまっすぐに保ち、腕をしっかり振りながら歩いて、体幹を鍛えるようにしています。また、自宅やスタジオでデスクワークを行うときは、わきを締めて背すじを伸ばし、上半身を前に傾けるときは、股関節から前に倒すようにしています。イスに座ってお腹を縮めて上半身を前に倒すと姿勢がくずれてしまうので、股関節から動いて体幹を使うことを意識していますね。それから1日10回、意識的に行っているのが、美コア・トレーニングの基本のラテラル呼吸*。『1日10回』と思っていても、仕事や作業に集中すると忘れてしまうこともあるので、スマホのアラーム機能を利用し、1時間おきにアラームが鳴る設定にしています」(山口先生)
*ラテラル呼吸とは、鼻から息を吸い、ろっ骨を前と横に大きく広げ口から息を吐きながら、ろっ骨を体の中心に寄せる呼吸法。
さらに、台所で料理を作るときは、つま先立ちでふくらはぎを刺激。
「第二の心臓と呼ばれるふくらはぎの筋肉を刺激し、血液のポンプ作用を活性化させるには、つま先立ちが効果的。全身の血行がよくなり、体温アップにつながります。つま先立ちのキープ時間は、自分との勝負! これが意外と大事なポイントで、目標は料理を作り終わるまでですが、『今日はふくらはぎがパンパン』とか『今日は余裕があるぞ』と自分の体を知るバロメーターにもなります」(山口先生)
美しく健康的な体をつくる食事、入浴、睡眠のコツ
毎日の食事では、たんぱく質、ミネラル、ビタミン、糖質、脂質のバランスを大切にしているそう。
「1日の食事をトータルで考え、〈たんぱく質・ミネラル・ビタミン〉:〈糖質・脂質〉=8:2のバランスにすることを意識しています。たとえば、朝食にヨーグルを選び、オートミール、フルーツ、プロテインを加えたら、昼食は、定食屋さんで焼き魚定食を注文します。主菜の魚は、不飽和脂肪酸が豊富なサバがいいですね。副菜には、ひじきの和えものや野菜をチョイスし、ご飯は少なめに。そして、おみそ汁をいただきます。夕食は、朝、昼でとりきれなかったミネラル、ビタミンを積極的にとることを意識し、野菜を多めに、赤身肉などでたんぱく質を加えてスープに。自宅で料理をするときは、素材とともに油にも気をつけ、オリーブオイルや亜麻仁油、えごま油など、良質な油を使うようにしています」(山口先生)
また、週に2回の「ヒートショックプロテイン入浴法」で美ボディをサポート。
「ヒートショックプロテインとは、傷ついた細胞の修復や免疫細胞の働きを助けるたんぱく質の一種。ヒートショックプロテインを増やすには、熱の刺激を与えることが大切で、そのために有効なのが入浴です。入浴の方法は、38度に設定したお湯に、首までしっかり浸かり、そのまま追い炊き機能で43度にセット。43度になったら、さらに5分間入浴します。入浴中は水分補給が必要なので、ガブ飲みをしないように、少しずつ水分をとります。こうすることで、体内にヒートショックプロテインを生成することができ、イキイキとした元気な体を保てるようになります」(山口先生)
さらに良質な睡眠も、健康で美しい体を保つ大事な要素です。
「睡眠時間は、毎日7時間確保するように心がけています。7時間熟睡すると、それだけで300kcalを消費できるといわれていますし、良質な睡眠をしっかりとることが、アルツハイマーのリスクを下げるという臨床結果も報告されています。睡眠の質と量を保つことはボディメイクのためにも、将来の健康のためにも大切なことといえますね」(山口先生)
美コアトレーニングとともに、毎日の生活にとり入れられる習慣があれば、ぜひ真似をして、理想的な美ボディを手に入れましょう!
撮影/我妻慶一 取材・文/野口美奈子 ヘアメイク/坂部めぐみ(メーキャップルーム)