運動が健康によいことは多くの研究結果から明らかですが、運動といっても軽いウォーキング程度からさらに体力を要するエクササイズまでさまざま。このたび海外研究で運動の強度を高める効果の大きさが検証されました。ウォーキングのような軽い運動でも効果はあるものの、強い運動に取り組むと大幅な能力向上が見込めるようです。
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運動の強度を高める意味とは
運動強度を高めるほどカロリーの消費量は多くなり、運動する能力、いわゆるパフォーマンスは高まっていきます。軽い運動というと、ウォーキングのほか、軽い筋トレ、掃除機をかけるといった身体活動まで当てはまります。さらに強度を高めていくと、ゴルフや自転車の走行などが当てはまり、より強くなるとランニングやスイミングなどが挙げられます。
今回、米国ボストン大学などの研究グループは約2000人の身体活動と心肺機能のデータを分析して、運動の強度と心肺機能から調べた運動能力の向上との関連性を計算しました。ふだんの生活も含め、座っている時間や身体活動のレベルおよび継続時間を測り、8年間の運動能力の変化から運動の効果を割り出したのです。
小さくないパフォーマンスの向上効果
ここから明らかになったのは、強度の運動に取り組んでいた人ほど、運動能力が飛躍的に高まったということ。中程度から強度の運動に取り組んだ人の効果は、軽い運動にとどまった人の3倍、座っている時間が減った人の14倍に上っていました。こうした効果は、年齢や性別、肥満の程度、心臓や血管の病気のリスクなどにかかわらず同様です。
エクササイズに取り組む場合、ウォーキングのような軽い運動もよいですが、余裕があるならば、より強度を強めた運動にも取り組んでみるのも一案。脱ウォーキングを試してみることで、期待する以上に運動のパフォーマンスを高められるのかもしれません。
<参考文献>
Moderate-Vigorous Physical Activity is the Most Efficient at Improving Fitness
https://www.bumc.bu.edu/busm/2021/08/27/moderate-vigorous-physical-activity-is-the-most-efficient-at-improving-fitness/
Nayor M, Chernofsky A, Spartano NL, Tanguay M, Blodgett JB, Murthy VL, Malhotra R, Houstis NE, Velagaleti RS, Murabito JM, Larson MG, Vasan RS, Shah RV, Lewis GD. Physical activity and fitness in the community: the Framingham Heart Study. Eur Heart J. 2021 Aug 26:ehab580. doi: 10.1093/eurheartj/ehab580. Epub ahead of print. PMID: 34436560.
https://academic.oup.com/eurheartj/advance-article-abstract/doi/10.1093/eurheartj/ehab580/6357860?redirectedFrom=fulltext
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34436560/