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自律神経の名医がアドバイス! イライラせず「集中力のスイッチ」を入れる5つのルーティン

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元気な女性

午前中は集中力のゴールデンタイム。このゴールデンタイムを有意義なものにするためには一体どんなことに気をつければよいのでしょうか。ここでは集中力のスイッチを入れるためにとり入れたいルーティンをご紹介します。小林弘幸先生の『自律神経の名医が教える集中力スイッチ』からお伝えしましょう。

Contents 目次

1.朝の時間に余裕をもたせる

モーニングコーヒー

朝の時間に必要なのは余裕。
「朝、あせったり、イライラしたりして、一度でも自律神経のバランスが乱れると、その後2〜3時間は整ってくれません。つまり、せっかくのゴールデンタイムを棒にふることになってしまうわけです」(小林先生)

5分、10分、20分と段階を踏みながら、早起きする習慣を作っていきましょう。それが心に余裕を生み、自律神経のバランスを整え、集中力を生み出してくれます。

2.朝は心を静かに保つ

起床

朝の時間は心の静けさも欠かせません。
「心に余裕を作るために早起きのほかにお伝えしたいのは、さまざまな情報をシャットアウトすることです。特にSNSは最たる例といえるかもしれません。仮に正論であったとしても、厳しい口調で書かれている文言を目にすると人はストレスを覚えます。過剰な情報社会とは距離を置くために、江戸初期の彫刻家・左甚五郎の『見ざる、聞かざる、言わざる』を見習いたいものです」

朝起きてすぐSNSをチェックする人も多いかもしれませんが、SNSは見たくない、知りたくない情報が意図せず目に入ってしまうのも困りもの。自分のペースを乱す可能性があるので、ほどほどにするのがよさそうです。

3.外との温度差を7℃以内にする

室内の温度調整

精密機械のように緻密で繊細な自律神経は、気候の変化にもとても敏感。
「集中する環境を整えるためには、部屋の温度調節も重要です。たとえば暑いときにクーラーを効かせた部屋に入ると気持ちがよいですが、自律神経にとっては非常に迷惑な話。その温度差にびっくりして、しばらくは落ち着かない状態が続いてしまうでしょう。外気温と室内の温度差が7℃以上あると自律神経が過剰に働き、場合によっては寒暖差疲労を起こしてしまいます」

冷え性や頭痛、肩こり、首こり、全身の倦怠感、イライラ、不安、めまい、胃腸障害、アレルギーなどの症状が出たときは、部屋の温度を快適に保つように心がけるといいようです。

盲点となりやすいのは「車に乗るまでなら」「新聞をとりに行くだけなら」「ゴミ出しをするだけなら」というちょっとした移動時。自律神経は一度でも乱れてしまうと整うまでに時間がかかります。ほんのわずかであっても外気温との温度差には注意が必要です。

4.整理整頓で集中すべきことを明確にする

タスクの整理

整理整頓は自分の内外で大切になります。
「集中力が続かない原因のひとつに明確性の欠如があります。“何から手をつければいいのか”“どこまでを達成の目標とすればいいのか”。こういったビジョンがクリアになっていないと不必要にあせってしまうことがあります。今、何を優先し、どこまでをノルマとすべきかを意識することが高い集中力を作り上げるために欠かせません」

まずはやるべきことを整理整頓すると集中力が発揮されやすくなります。そして物理的にまわりを整理整頓するのも集中力を高めるコツのひとつです。

「身のまわりの片づけもオススメです。ただし自律神経は急激な変化を嫌いますので、一気に片づけてはいけません。毎日コツコツ、少しずつテーマを決めて片づけるのがポイントです」

5.1日をじょうずに終わらせて、翌日に備える

夜のリラックスタイム

1日をじょうずに終わらせて、リセットすると翌日の集中につながります。
「人はネガティビティバイアスといって悪いことやつらいこと、苦しいことのほうが記憶に残りやすいとされています。深い後悔や大きな悲しみ、激しい怒りなどは自律神経にストレスを与えるので、なるべく早く感情をリセットしなければなりません。1日の終わりにその日の心のモヤモヤを吐き出し、前向きな気持ちで眠ることで、自律神経にとっても好循環が生まれるようになります」

小林先生自身もかれこれ10年以上《3行日記》をつけているそうです。《3行日記》はその日にあったできごとを下記のように3つのポイントに要約して書き出す作業です。

① 「今日、いちばんダメだったこと」
② 「今日、いちばんよかったこと」
③ 「明日、必ずやりたいこと」

①→③の順に手書きで行います。暗い気持ちを引きずらないためにも最後に明日の目標を明確にして終えます。

こうした少しの工夫で集中力がいっそう高まります。集中力のスイッチを入れ、心も体も健康な状態を保っていきましょう。

文/庄司真紀

参考書籍/
書影
『自律神経の名医が教える集中力スイッチ』(アスコム)

 

著書/小林弘幸

著者
順天堂大学医学部教授。日本体育協会公認スポーツドクター。1960年埼玉県生まれ。順天堂大学医学部卒業後、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手などのパフォーマンス向上指導に関わる。順天堂大学に日本初の便秘外来を開設した”腸のスペシャリスト”でもある。『医者が考案した「長生きみそ汁」』、『最高の体調を引き出す 超肺活』(アスコム刊)などのほか、「世界一受けたい授業」(日本テレビ)などメディア出演も多数。

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