スマートウォッチやスマートフォンのアプリなど、運動量や走った距離をモニタリングしてすぐにフィードバックしてくれる活動量計はますます身近になっています。海外研究によると、こうした活動量計を使うと、単に活動量を把握できるだけではなく、運動のパフォーマンス向上にもつながることがわかりました。科学的にも有効というわけで、フィットネスに取り組むときに欠かせない存在になりそうです。
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活動量計の効果を検証してみたところ
活動量計で毎日の活動を記録するのはまったく珍しくなくなりました。フィットネスやダイエットの意識が高い人ならなおさらでしょう。朝起きてから就寝までの活動に関連したデータ、睡眠に関連したデータを見ると、ちゃんと運動できているか、眠れているかなど、ヘルスケアに関する課題の発見につながります。
今回、デンマークの研究グループは、活動量計を活用することで、使っている人にどのような変化が現れるのかを調べてみました。過去の研究のなかから、活動量計を装着したグループと到着しないグループの運動量や身体活動の変化を比べた研究をピックアップ。集まった研究121件の約1万7000人に上るデータを分析しました。
活動量計による変化として比較した項目は主に3点で、身体活動、中〜高強度の運動、座っている時間です。身体活動については、1日の歩数、歩行距離、消費エネルギーを見ました。多くの研究は12週間の変化を調べています。
1日の歩数や運動量がたしかに増加
こうした分析を通して活動量計の効果として確認されたのは、活動量計を装着することで歩数や中~高強度の運動量が増加するという変化です。具体的には活動量計をつけたグループは、つけなかったグループに比べて1日の歩数が1200歩増え、中〜高強度の運動量が週に50分近く増加。一方で統計的に確実とは言えない差ではありますが、座っている時間は1日10分近く短くなる傾向がありました。活動量計を装着した場合、この3点すべてで変化が起こっていることが確認できたのです。
活動量計を身につけるだけでこうした効果が着実に現れたことになります。身体活動や運動量を効果的に増やす手段として、ますます注目されそうです。フィットネスやダイエットの意識が高い人ばかりではなく、ふだん、運動不足という人こそ身につけてみるといいのかもしれません。
<参考文献>
Physical activity monitors do help boost activity levels in adults
https://www.bmj.com/company/newsroom/physical-activity-monitors-do-help-boost-activity-levels-in-adults/
Larsen RT, Wagner V, Korfitsen CB, Keller C, Juhl CB, Langberg H, Christensen J. Effectiveness of physical activity monitors in adults: systematic review and meta-analysis. BMJ. 2022 Jan 26;376:e068047. doi: 10.1136/bmj-2021-068047. PMID: 35082116; PMCID: PMC8791066.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35082116/