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カロリー制限でやせにくい人はやっぱり運動がいい!? 海外研究が注目するボディメイクのポイントとは?
美容と健康に大切な運動でいかに効率的に体重を減らせるかは気になるところ。細胞内でエネルギーをつくる小器官「ミトコンドリア」がボディメイクのポイントとして注目されるかもしれません。海外研究では、それは体重を減らしやすくする、いわば原動力として報告されました。カロリー制限を守っているのにやせない人にとって特に効果的だそうです。
Contents 目次
ダイエット効果との関連は?
ミトコンドリアというのは細胞のなかに存在する、エネルギーをつくり出す小器官です。これまでの研究によると、やせやすい人では、やせにくい人に比べてミトコンドリアが細胞に多く存在する遅筋(長時間の運動に向いた筋肉)の発達がよいことがわかっています。ミトコンドリアの働きがやせやすさに関連する可能性があるわけです。
今回、カナダ・オタワ大学を中心とする研究グループは、ダイエットで特にやせやすい女性とやせにくい女性の間で運動の効果に違いがあるのかを調べてみました。前述したやせやすい人の特徴を発見したのがこの研究グループです。以前の研究の参加者5000人以上のうち、最もやせやすかったグループと最もやせにくかったグループからそれぞれ10人を選び、有酸素運動(トレッドミル)と筋トレを組み合わせた運動プログラムを週に3回、6週間続けてもらって、体脂肪率や脂肪量といった体組成や筋肉細胞内ミトコンドリアに与える影響を詳しく分析しました。
体脂肪も減少
詳細な分析の結果わかったのは、運動することにより、特にやせにくい人でミトコンドリアの活性化が目立ち、やせやすい体に変わるということです。
具体的には、カロリー制限ダイエットでやせにくかった女性では、運動によって体脂肪率と脂肪量が減り、筋肉細胞のミトコンドリアが増えて活性も高まっていました。それに対してダイエットでやせやすかったグループでは、このような効果はわずかしか見られませんでした。研究グループは、カロリー制限に反応しない人のほうが運動による効果が大きく、筋肉の代謝機能が改善されて、減量能力が上がる可能性があると説明しています。そのうえで、太った人の減量には、カロリー制限だけではなく、運動するよう心がけるのは効果的と見られます。ボディメイクのメカニズムとしてミトコンドリアに脚光が当たるかもしれません。
<参考文献>
New insights on how some individuals with obesity can lose weight – and keep it off
https://www2.uottawa.ca/about-us/media/news/new-insights-how-some-individuals-obesity-can-lose-weight-and-keep-it
Pileggi CA, Blondin DP, Hooks BG, Parmar G, Alecu I, Patten DA, Cuillerier A, O’Dwyer C, Thrush AB, Fullerton MD, Bennett SA, Doucet É, Haman F, Cuperlovic-Culf M, McPherson R, Dent RRM, Harper ME. Exercise training enhances muscle mitochondrial metabolism in diet-resistant obesity. EBioMedicine. 2022 Aug 1:104192. doi: 10.1016/j.ebiom.2022.104192. Epub ahead of print. PMID: 35965199.
https://www.thelancet.com/journals/ebiom/article/PIIS2352-3964(22)00373-5/fulltext