使えているようで実は使えていないことが多い「股関節」。ダイエットにもボディメイクにも股関節をほぐすことは重要です。今回は、股関節を正しく使うことの大切さについて、骨盤矯正パーソナルトレーナー・整体師のNaokoさんの『寝たままペタ腹! 股関節ほぐし』(主婦の友社)からお伝えします。股関節の今の状態をチェックする方法や、基本の股関節ほぐしもご紹介します!
Contents 目次
股関節をチェックしてみよう!
まず、今の股関節の状態をチェックしましょう。 ひとつでもNGに当てはまった人は、股関節がかたい証拠。それが、やせない、太りやすい、そして不調をかかえる原因かもしれません。
CHECK 01 左右の足裏をつけるとひざの高さはどれぐらい?
OK ひざの高さが同じで 床に対して45度以下
骨盤が後傾して腰が丸くならないようにします。ひざの高さがだいたいそろい、床に対して45度以下まで広げられれば、適正な柔軟性を保っています。
NG
□足裏をつけて座ることができない
□ひざの高さに左右差があり、一方のひざしか床に近づけられない
□足裏をつけることはできるが、ひざを床に近づけられない
CHECK 02 片脚開脚をしたときに伸ばしたほうのひざとつま先が真上を向いていますか?
OK 伸ばしたほうのひざとつま先が、自然と真上を向いている
伸ばした脚のひざとつま先の向きをチェック。ひざ頭とつま先が真上を向いていれば、柔軟性は適正です。
NG 足が内側に倒れている
内側に倒れる人は、股関節が内側方向にかたくなっています。ふだんから骨盤が後傾し、お尻の筋肉を使えていないおそれがあります。
CHECK 03 スクワットをしたときにひざとつま先の向きは同じですか?
OK 腰を沈めたときに両ひざがつま先と同じ方向を向く
両脚を肩幅の2倍開いて立ち、つま先をやや外側に向けます。両腕は胸の前で重ねて。息を吐きながらお尻を下に引き、背中が丸くならないようにひざを曲げましょう。自然にひざとつま先を同じ方向に向けたまま行える人は、股関節が柔軟です。
NG 両ひざが内側を向いてしまう
骨盤が後傾して腰が丸い人は、股関節のかたさが原因でひざ痛や腰痛をかかえやすいです。また、お腹やお尻の力も使えていません。
股関節をほぐせば体が変わる!
骨盤矯正パーソナルトレーナー・整体師のNaokoさんが、これまで、1万2000人以上の人の体の悩みに向き合ってきたなかで気がついたのは、股関節がかたいと動きに偏りが出て、それによって全身に問題を起こしてしまうということ。
「体にゆがみを感じる、脚が太い、ひざや腰が痛い、お腹の脂肪が落ちない、首が前に出ている。こういったボディラインの悩みや不調の原因は、もとをただすとそのほとんどが股関節の動きの偏りにあります」とNaokoさん。
股関節は意識的に動かしてあげるだけでも体が快適になる部位。しかも、簡単な動きでも結果が出やすいのだそうです。
「人の体には600以上の筋肉がありますが、数で言うと8~9割は骨格を支えるインナーマッスル。ところが、股関節のかたい人はこれらがほぼ使えていません。インナーマッスルは体のメリハリを形づくるアウターマッスルと連動し、スタイルアップをサポートします」
例えば、股関節につながる腸腰筋(ちょうようきん)が働くとお腹が引き上がり、お尻のインナーマッスルが働くことで、ヒップアップや内ももが引き締まるという変化も表れます。
「股関節をほぐすことで使われていない筋肉が働き、やせやすい体になっていくのです。偏りがあるままだと、負担がかかりすぎる部分は太くなり、怠けている部分は脂肪がついたままという問題が起こってきます」
実践! 基本の股関節ほぐし
【股関節ほぐし1】パタパタ体操
左右差を整え、ゆがみを改善します
(1)曲げた両ひざを左に倒し右の骨盤を持ち上げる
両脚を腰幅に開き、両ひざを曲げて左に倒します。顔は右に、お尻の力で右の骨盤を持ち上げます。この体勢のまま大きく息を吸って胸を開き、吐きながらみぞおちを締めましょう。これを3呼吸。
(2)曲げた両ひざを右に倒し左の骨盤を持ち上げる
反対側も同様にして、3呼吸。息を吸って胸を開き、吐きながらみぞおちを締めます。
「ひざが浮きやすいほうを多めに行うと左右のバランスが整い、骨盤のゆがみの調整に。腰もラクになります」
【股関節ほぐし2】グルグル体操
体幹が鍛えられ、むくみや冷えが改善されます
(1)あお向けで右脚を天井に向かって伸ばす
あお向けになり、両腕を左右に伸ばして。左脚は床につけたまま伸ばし、右ひざを曲げた状態から天井に向かって、できるだけ伸ばします。難しい人は両ひざを曲げてもOK。
(2)骨盤を安定させたまま、つま先で縦長の楕円を描く
右のつま先で縦長の楕円を描きます。息を吸いながら脚をつけ根から上げ、吐きながら下ろし、ゆっくり3回、回します。お尻が浮かないように注意。反対側も同様に。
「脚を回すときに骨盤がグラグラすると、効果が落ちてしまいます。最初は円が小さくなってもいいので、お尻が浮かないように骨盤を左右水平に保って続けましょう」
【股関節ほぐし3】カエル体操
姿勢が整い、ヒップアップ&脚やせに効果的
(1)ひざを左右に開きお尻から背骨を持ち上げる
あお向けになり、両腕を体に添わせて伸ばします。左右のかかとを合わせて、曲げたひざを左右に開きましょう。息を吐きながら、背骨ひとつひとつを持ち上げるイメージで、尾てい骨からお尻、胸まで上げます。
(2)息を吐きながらさらにお尻を10回アップ
「フッ、フッ、フッ」と小刻みに吐く息に合わせてお尻をさらに小刻みに上げて、鼠径部(そけいぶ)を伸ばします。ひざを閉じないように注意。10回アップしたあと、息を吐きながら、背骨ひとつひとつを上から順に床に下ろしていきます。
「座りっぱなしで詰まった鼠径(そけい)部を伸ばしましょう。腰を反らすのではなく、お尻の力で持ち上げて。このポーズには日常ほとんど行わない、あらゆる動きが入っています」
股関節の柔軟性はやせる体づくりに欠かせないもの。基本の股関節ほぐしで、普段使われない鼠蹊部の伸びを感じられたのではないでしょうか。座っている時間が長いデスクワークが多い人は毎晩ほぐすようにするとよいでしょう。
文/庄司真紀
参考書籍/『寝たままペタ腹! 股関節ほぐし』(主婦の友社)