夕方になると足がパンパン! むくみで重だるくなる……なんてことはありませんか? 足がむくむと冷えやすくなり、さらにそれがむくみを誘発し、冷えるといった悪循環に陥ります。放置すると血管の弁が壊れて下肢静脈瘤に陥り、むくみが慢性化しますから、美ボディのためには早めに解消したいもの。そこでトレーナーの坂詰真二先生に、むくみの原因と、気がついたときにできるむくみ解消ストレッチを教えていただきました。
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体の下部に体液がたまりやすいので、脚がむくむ
むこうずねを指でグッと押してください。
へこみがすぐに戻らない場合は、脚がむくんでいる証拠です。
私たちの体の中を流れる血液は、心臓から送り出され、全身を巡って、再び心臓に戻ります。血管からは常に体液(リンパ液含む)が染み出していて、血液の流れと共に回収されるのが普通です。
ところが、足先まで巡った血液やそこから染み出た体液は重力の関係で体の下部に滞りやすく、立ちっぱなし、座りっぱなしでいると、それが太ももやふくらはぎのむくみとなって現れます。そのむくみの原因である体液を心臓に押し戻すには、筋肉の伸縮をくり返す必要があるのです。
その動きをするのが、ふくらはぎにある「ヒラメ筋」「腓腹筋(ひふくきん)」、太ももを形成する「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」、「ハムストリング」といった筋肉です。
これらの筋肉を動かすと、ミルキングアクションといって、筋肉がポンプのように働いて、脚に溜まった血液やリンパ液を血管に押し戻します。
特に女性は生理前になると、ホルモンの影響で体に水分をため込みやすいですから、脚が少し重たいと感じたときにも、これらのストレッチがおすすめです。
血行促進を促す「動的ストレッチ」のあとに、筋肉を伸ばす「静的ストレッチ」を続けて行うと、効率よくむくみをケアできますよ。
なお、ハイヒールはミルキングアクションの動きを妨げるので、ストレッチは脱いで行うようにしてくださいね。
むくみを解消する動的ストレッチ
つま先を床につけたまま、かかとを大きく上げ下げします。ふくらはぎの筋肉を動かすミルキングアクションで、下肢にたまったむくみを押し戻します。
<1>イスに浅めに腰掛け、イスの脚にふくらはぎを近づける
イスに座り、座面の両端を持ちます。脚は肩幅くらいに開き、かかとをイスの脚側に近づけます。このとき、ふくらはぎが伸びているか確認してください(ひざの真下につま先がくるまでかかとをイス側に引き寄せると、ふくらはぎが自然と伸びます)。
<2>左右交互にかかとを上げる
つま先を床につけたまま、右のかかとを上げ、戻すと同時に左のかかとを上げます。足踏みするようにリズミカルに左右交互に20回。血流がよくなり、むくんでいた脚もスッキリします。
むくみ解消の静的ストレッチ
両足を前後に大きく開いて足首を反らし、ふくらはぎをストレッチします。背もたれのあるイスがない場合は、手を壁に置いて行いましょう。
<1>両脚を前後に大きく開いて立つ
右脚を大きく前に踏み出し立ち、イスの背もたれを逆手にして持つ(親指が上にくるよう手のひらを背もたれの裏につける)。つま先は、まっすぐ前に向けましょう。
<2>右ひざを曲げ、左脚のふくらはぎを伸ばす
右ひざを曲げ、腰を落とします。左脚のかかとを床につけたままにし、ふくらはぎをしっかり伸ばしましょう。10秒キープ×1~3セット。逆脚も同様に。
<これはNG>
後ろの足のつま先も前に向けます。つま先が内側や外に向いていると、腰を落としたときに、ふくらはぎが伸びません。
撮影/山上忠 モデル/蒼木まや ヘア&メイク/斎藤節子 取材・文/平川恵