ダイエットには「運動をしないといけない」は正しい? 運動指導者の森拓郎さんは「ダイエット研究の進歩はめざましく、やせるための常識が非常識になっている可能性」があると指摘します。今回は森さんの著書「あなたのダイエットが失敗する理由」(PHP研究所)から、ダイエットには非効率な「してもやせない運動」についてご紹介していきます。
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軽いランニングを根気よく続ける!?
健康的にやせる運動というとランニング。体力がつき、健康的にはメリットがあるものの…。
「ランニングで1kgやせようと思ったら、50㎏の女性で、時速8kmで1日30分、36日走ることが必要です。
運動をしたことのある人ならわかると思うのですが、運動後はお腹が減ります。ランニングをしてカロリーを消費すると、体はカロリー不足になりますから、むしろカロリーを補給しようとして『食べたい』という欲求が高まってしまいます。これをガマンしなければならないのですから地獄ですね」(森さん)
さらにランニングを続けていくと心肺機能が強化されて、より少ないエネルギー量でランニングできるように代謝は落ちていきます。
やせるためにはさらに運動量を増やすか、運動強度を上げるしかありません。このようにランニングなどの有酸素運動も、やせるという点から考えれば、決してプラスではありません。ムリに行う必要ナシ!
筋トレで筋肉を増やして基礎代謝量を上げる!?
成人女性の1日の基礎代謝量は1000kcalぐらい。この基礎代謝量を1200kcalにアップさせることができれば、200kcalも消費エネルギー量が増えるので、食べる量(摂取カロリー)が以前と同じなら、何もしなくてもやせていきます。
「『筋肉をつけて基礎代謝量を上げましょう』というのは理論的には間違いではありませんが、筋肉は落ちるのはあっという間でも、つけるのは実はとても時間がかかります。それはアスリートでも、ボディビルダーでも、筋肉量を1〜2㎏増やすためには1年ほどかかるといわれているぐらいです。
また以前は基礎代謝量の40%が筋肉で消費されているといわれていましたが、最近の研究では18%しか消費されないという報告があります。
時間をかけて筋トレをガンバって、筋肉を1kgつけたとして、増える基礎代謝量は1日15〜20kcalにすぎません」
筋肉をつけて基礎代謝を高めるというのはやせるためには現実的ではないことがわかります。
体の気になる部位だけを細くする「部分やせ」。部分やせはできないと聞いたことがある人も多いと思いますが、実際はどうなのでしょうか?