体重も体型も今のところ気にならないし、とくに運動も必要ないよね? と思っているみなさん。体を動かさず、お腹の筋肉が弱くなると姿勢が悪くなったり、お腹に脂肪がつく原因になってしまいます。ハードな運動は苦手という人には、体を気持ちよく伸ばしながら、筋肉に効かせることができるPNFストレッチがおすすめ。
Contents 目次
ダイエット効果の高い「PNFストレッチ」
PNFストレッチとは、筋肉や関節、腱などに神経を通りやすくさせる方法。
ゆっくり筋肉を伸ばす一般的なストレッチ(静的ストレッチ)との違いは、伸ばしたい筋肉に一度刺激を加える(力を入れる)こと。
筋肉に刺激を加えてから伸ばす方法をくり返すことで、刺激信号が脳に伝わり、神経が活性化されて運動機能が高まるのです。
また、筋肉には一度収縮させて(力を入れて)から、力を抜くことで伸ばしやすくなるという性質があるので、さらに柔軟性も高まります。
「筋肉を伸ばすだけのストレッチは、実はそれだけ行ってもやせません。
ただ、PNFストレッチは、筋肉を自分で働かせるので、その分消費エネルギーが高くなります。
特に運動不足の人にとっては“やせるストレッチ”といえるでしょう」(ストレッチトレーナー・松井薫先生)
チャレンジするのは「CR法」
PNFストレッチには2つのやり方があります。今回紹介するのは、「CR(シーアール)法」。
CRとは、“コントラクト・リラックス”の略。コントラクト=筋肉を収縮させる、リラックス=筋肉を弛緩させるという意味。
効かせたい筋肉に力を入れた後に伸ばす動作を行います。
2つの呼吸法にチャレンジ!
ストレッチで筋肉を刺激している時には呼吸を止めないことが大事!
筋肉を伸ばすときにはお腹を膨らませてからへこませる「順腹式呼吸」を行い、筋肉に力を入れるときには、お腹まわりやお尻に力を入れる「逆腹式呼吸」を行います。
ただし、動きに慣れるまでは自然呼吸でOK。ゆっくりと深い呼吸を意識して行いましょう。
<順腹式呼吸>
お腹の中に空気を入れるように鼻から息を吸う
ゆっくりと鼻から息を吸い、空気をお腹の中に取り込むようなイメージで膨らませます。手をお腹に添えて、お腹が膨らむのを感じながら行ってみましょう。
お腹の中の空気を出すように口から息を吐く
ゆっくりと口から息を吐き、お腹に入れた空気をすべて出し切るようなイメージでへこませます。順腹式呼吸では、お腹を膨らませてへこませる呼吸をくり返して。
<逆腹式呼吸>
お腹、背中、お尻に力を入れて鼻から息を吸う
お腹と背中、お尻の穴に力を入れて、ゆっくりと鼻から息を吸います。お腹まわりに力が入っているので、見た目にはお腹はくらみませんが、お腹の中を膨らませる(腹圧を高める)イメージ。
お腹、背中、お尻に力を入れて口から息を吐く
お腹と背中、お尻の穴に力を入れながら、口から息をゆっくりと吐きだします。お腹をへこませるというよりは、お腹をパンチされたときに、グッと力を入れるようなイメージで吐き出します。
お腹を目覚めさせるストレッチ
お腹と背中の筋肉はバランスを取り合っていて、お腹の筋肉が弱くなると姿勢が悪くなることも。お腹に脂肪がつく原因にもなるので気をつけて。
<1>両ひじ・両ひざをつき手に頭をのせる
両手、両ひじ、両ひざ、つま先を床につけ、両ひじが肩の下にくるよう位置を調整します。左手で右手を包むようにして重ね、その上におでこをのせてスタンバイ。
<2>両ひざを伸ばしてお尻を持ち上げる
両両ひざを伸ばしてお尻を持ち上げ、つま先立ちの状態で体を「く」の字にします。お腹に力を入れながらバランスをキープして。この体勢のまま逆式呼吸を5回行いましょう。
<3>うつぶせになり手とひじを床につける
両ひざをおろし、今度は床にお腹をつけてうつぶせになります。両わきを締め、手のひらとひじを床につけて。顔は下に向け、つま先はそろえて伸ばしておきましょう。
<4>両ひじを伸ばして上体を起こす
両手で床を押しながらひじを伸ばし、頭を上げて上体を起こします。お腹が伸びていることを感じましょう。この体勢のまま順式呼吸を5回行って。肩をすくめないよう注意。
★体がかたい人は、<4>でひじが床から離れないところまで上体を起こせばOK。顔は正面へ向けましょう。
<Point>
<1>では、ひじが肩の真下にくるように。前後にあると肩に負担がかかるので気をつけて。<4>では、腰痛がある人は体を反らせ過ぎないこと。お腹が気持ちよく伸びる範囲で行いましょう。
撮影/山上忠 モデル/若月さら スタイリング/西本朋子 ヘア&メイク/藤原裕子 文/FYTTE編集部