ふだんはあまり意識しないのですが、体の柔軟性には関節の動きが深く関わっています。中でも体の中心となる股関節と胸椎(きょうつい)は重要です。
「やわらかい関節は体を元気に保ってくれます。ただ人間の体は使わないでいると、すぐに退化するようにできています」と話すのは美姿勢トレーナーの渡部 龍哉さん。
今回は、ガチガチ関節チェックに続いて、ゆる関節ストレッチをしてみましょう。渡部さんの著書『1日1分!ゆる関節ストレッチ』(アスコム)からご紹介していきます。
Contents 目次
ガチガチ関節は体の退化と老化のサイン
あなたの関節は固まっていませんか?
じつは、ガチガチ関節だとやせにくいのです。
まずは、あなたの関節をチェックしてみましょう!
チェックはこちらから。
さて、関節がガチガチだったあなた、どのようにしたらゆる関節にできるか考えていきましょう。
まず、関節がガチガチになる理由のひとつは、使わないことです。
人間の体は、「不要」と判断すると、すぐに退化するようにできています。そのほうが、エネルギーを無駄に使わないで済むからです。
関節の中でも動作を作る関節は、その役割からモビリティ関節とスタビリティ関節の2種類に分類されます。
モビリティ関節のモビリティは、「可動性」という意味で、動かす役割をもつ関節です。前後左右やぐるぐる回すなど大きく動かせるのが特徴で、足首、股関節、背骨のなかの胸椎(きょうつい)、肩関節などがそうです。
スタビリティ関節のスタビリティは、「安定性」という意味で、安定させておきたい関節です。動く方向や幅に制限があるのが特徴で、ひざ関節、背骨のなかの頸椎(けいつい)と腰椎(ようつい)、ひじ関節、股関節などがそうです。
2種類の関節は、交互になるように構成されていて、この関節によって私たちのあらゆる動作がつくられています。
そしてとくにガチガチになりやすいのが動く関節、モビリティ関節です。大きく動くのが得意な関節だけに、使わなくなれば、どんどんガチガチになります。
特に体の中心にある股関節と胸椎(きょうつい)は要注意です。
この2つを中心に、全体の関節をほぐすのが「ゆる関節ストレッチ」になります。
1日1分「ゆる関節ストレッチ」
基本は「はいはい」ポーズから。このポーズで背中を丸めたり、反らしたり、ひねったりすることで、ガチガチ関節がどんどんやわらかくなります。
1 正しいはいはいポーズをつくります。
・目線は斜め前方に
・ひざとひざの間はこぶしひとつ分
・手は肩より少し前につく
2 丸める
みぞおちを内側に引き込むように背骨をゆっくり丸めます。
3 逆Cカーブ
2のポジションから、みぞおちを右に動かし、逆 Cカーブさせていきます。
4 反らす
3のポジションから、体をまっすぐに戻しながら、みぞおちが斜め上に向くよう なイメージで、背骨を反らせていきます。
5 Cカーブ
4のポジションから、みぞおちを左に動かし、Cカーブさせていきます。
6丸める
5のポジションから、体をまっすぐに戻しながらみぞおちを内側に引き込むように背骨を丸めます。1周したら1のポジションに戻し、同じように反対に回します。
だれでも安全にできる簡単ストレッチ。
しかも所要時間は1日1分。
ストレッチをするうえで大切なのは、関節をどのように動かしているかをしっかり意識・イメージしながら行うことです。
2週間ほど続ければ関節の可動域が明らかに変わってくるでしょう。
そのタイミングで前回の「ガチガチ度チェック」に再度チャレンジしてみてください。
文/庄司真紀
参考書籍
渡部 龍哉著『1日1分!ゆる関節ストレッチ』(関由佳 監修、アスコム)
著者について
渡部 龍哉・・・ヒップアップ専門パーソナルトレーニングスタジオ「hip joint」代表。
姿勢やお尻のタイプに合わせたヒップアップのためのオーダーメイドエクササイズを提案。
東京ガールズコレクションのモデルや有名スポーツ選手などを顧客に持ち、セミナーなども多数開催。
スタジオはキャンセル待ちが100名以上と大盛況で、2018年6月には和歌山に2号店をオープン。
日本テレビ「マツコ会議」、TBS「ビビット」など、メディアへの出演も多数。
著書に『モデルが始めている10日間で脚からキレイにやせる「美脚トレ」』(宝島社)など。
監修
関 由佳・・・岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 公衆衛生学分野。
内科医、メディカルフード研究家。専門は予防医学、栄養療法。
学生時代から予防医学に興味があり、医食同源の考えのもと味噌を使ったバランス食を自ら実践している。
2013年にはニューヨークの料理専門学校Natural Gourmet Instituteに留学しChef’s Trainingディプロマを取得。
ミシュラン星つきレストランや精進料理店などでインターン後、帰国した。
現在は薬ではなく食べもので病気を予防する栄養療法や予防医学に力を入れた診療を行っている。
メディカルフード料理研究家として、各種メディアでも活躍中。
著書に「ゆるゆる糖質オフダイエット」(主婦の友社)、「みるみる痩せる! 味噌汁ダイエット」(宝島社)。