「ただ体をやわらかくしたい」のではなく、姿勢や日常の動きを改善するために体をやわらかくしたいなら、ターゲットとなる部位があります。プロトレーナーの坂詰真二さんに、やわらかくするべき部位のストレッチを教えてもらいました。
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大事なのは「意識すること」ではなくフォーム
座りっぱなしの姿勢が長い現代人が、「やわらかくしておくべき」7つの部位を教えてもらった前回。今回は、それらの部位に効く4種類のストレッチを紹介します。ストレッチといえば、「伸ばす部位を意識したほうがいい」と思いがちですが……。
「伸ばす筋肉を意識しすぎると、体が緊張して十分にストレッチできません。正しいフォームで行えば、必ず伸ばしたい筋肉は伸びます。意識しすぎずに、できるだけリラックスして行うほうが効果的です」
では、さっそく始めましょう。まずは、10秒伸ばし続け、3回くり返すことから始めてみてください。
【体の前側】
気がつくと猫背になっているような人は、体の前側の筋肉が常に縮みがち。顔を上げて胸を開き、首の前側、胸、お腹を伸ばします。
1
足を肩幅に開いて立ちます。つま先を少し内側に向け、足を「ハ」の字にします。ひじを伸ばして両腕を背中側にまわし、お尻の後ろあたりで両手を組みます。手のひらは上に向けましょう。
2
ひじを伸ばしたまま、腕を後方斜め下に伸ばします。お尻を後ろに出しながら胸を高く引き上げ、顔を上げて視線を天井に向けます。
NG
肩が前に出て、胸も開かないので、手を上げるのはNG。手は上ではなく、斜め下後方に伸ばして。
【腰まわり】
利き腕や習慣などの影響で、どうしても柔軟性がアンバランスになりがちな腰まわりの筋肉は体のゆがみの原因に!体を左右に倒して伸ばし、バランスを整えます。
1
脚を肩幅より少し広めに開いて立ちます。ひじを曲げ、両手は頭の後ろにつけます。胸を開き、ひじは体の真横にくるように。
2
右足は正面、左足は少し外側に向けたら、手を頭につけたまま、上体を左に倒します。このとき、お尻の右側を右方向へ突き出すように。1に戻り、足の向きを左右反対にしたら、今度は上体を右に倒します。
NG
上体は常に正面に向け、体を倒します。上体が前に倒れてしまうと、腰が伸びないので注意しましょう。曲げにくい方だけ、さらに2セット行ってバランスを整えましょう。
【ふくらはぎ】
ひざを伸ばして足首を曲げることで、はじめてストレッチされるふくらはぎ。高いヒールをはく機会の多い女性は特に、日常生活の動きのなかではなかなか伸ばす機会がありません。正しいフォームでしっかり伸ばしましょう。
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床に両手、両ひざをつきます。手は肩の下でつき、顔は床に向けて。左足をつま先立ち状態にし、左足の足首に右足の甲を引っかけます。
2
左足裏を床につけながらお尻を持ち上げ、左ひざを伸ばします。お尻は天井に向け、できるだけ高く突き上げます。1に戻り、足を左右入れ替えて同様に。
NG OK!
2のときに、床についているほうの足のつま先が外側を向くのはNG。つま先を正面に向けることで、ふくらはぎがしっかり伸びます。
【胸】
パソコンやスマホ操作の時間が続くと、肩を内側に巻き込む「巻き肩」になりがち。このときに縮んでしまう、腕のつけ根〜胸を伸ばします。
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床に両手、両ひざをつきます。手は一度肩の下につき、そこから肩幅の倍の幅に手を広げていきます。指先は外側に向けましょう。
2
お尻を後方に引きながら、上体を左にひねって右肩から先を床につけます。顔は左に向け、顔の右側も床につけて。左腕はひじを曲げ、手で床を押します。1に戻り、腕や顔の向きを左右入れ替えて同様に。
〇Dr.クロワッサン「何歳からでもカラダはやわらかくなる!」(マガジンハウス)
撮影/徳永徹 モデル/安田七奈 ヘア&メイク/斎藤節子 取材・文/馬渕綾子