つら~い肩こりに悩んでいる人は、多いのではないでしょうか。その肩こり、肩を押したり叩いたりするだけでは治りません。肩こりの改善にもっとも大切なのは、「骨格を本来の状態に戻すこと」。猫背によって前に出てしまった肩や首を正しい位置に戻せば、肩まわりの筋肉のこわばりがほぐれ、つらい肩こりは解消します。そこで今回は「美容と健康はイコールの関係」と提唱し、カイロプラクティックや整体師の資格を持つ、美容家・南雅子先生に、肩こりを根本から治すストレッチを教えていただきました。
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前に出てしまった肩や首を正しい位置に戻すことが、改善策!
肩こりは首の後ろから肩にかけて広がる僧帽筋(そうぼうきん)や、肩甲骨まわりの筋肉がこることで起こります。どうして、それらの筋肉がこってしまうのでしょうか。
「肩のうしろから肩まわりの筋肉は、5kgもある頭を支える『首の骨』をサポートしています。足から頭上までが一直線でつながる正しい姿勢ならば、これらの筋肉に過剰な負荷がかかることはありません。しかし、背骨が曲がった猫背の人はどうでしょうか。頭の位置が前に出て、首も前傾してしまいます。すると首をサポートする筋肉は、首の前倒を引きとめようとして硬くなります。このこわばりが、『肩こり』になるのです」(南先生)
肩こりを解消するためには、前に出てしまった肩、首の位置を直すことが必要ですが、「ひじの曲がり」を正すストレッチが、それらの改善にもつながります。
さらに、猫背の根本的な原因である「股関節」のゆがみに働きかけることも大切なので、その両方を踏まえたストレッチを紹介します。
<組み手まわし>
肩関節をほぐすストレッチ。片脚を立てることで脚の力が働き、肩関節を大きく回すことができます。肩甲骨まわりのこわばりがほぐれていくことを実感しましょう。
<1>
あお向けに寝たら、右ひざを立てます。右足の足裏はしっかり床につけましょう。
両手はお腹の上で組みます。
<2>
手を組んだままくるっと返し、手のひらを天井へ向けて腕を伸ばします。
この際、肩や腕に力が入らないように注意。肩は床から離れないようにしましょう。
<3>
天井に向かって水平に円を描くようにして、腕を右に5回、左に5回まわます。
脚を入れかえて、<1>~<3>を同様におこないましょう。
<ひじまわし>
ひじをまわすことで肩甲骨が動き、背骨のつまりもほぐれます。
「かかと重心」でおこなうこともポイント。体が左右にぶれずに実践することができます。
<1>
脚は肩幅より少し広く開き立ちます。両足の指を床から浮かせ、かかと重心になります。
まっすぐな姿勢を意識しやすいように、右手はお腹に添えましょう。
<2>
左手の指で、同側のバストから鎖骨の上へ伸びる筋肉(押すとコリっとした感触の筋肉)をみつけ刺激します。
<2>
<1> の体制から左手を、肩→肩甲骨へとスライドさせていきます。左腕は耳をこするようにして上げていき、ひじを天井に向けます。
<3>
左手は、同側の肩甲骨を触れます。右手を頭上から左側へ回し、左ひじをつかみましょう。
つかんだひじを真上へ引き上げ、5秒キープ。
<4>
右手はつかんでいた左ひじを離し、再びお腹へ。
左手は指で左の肩甲骨に触れながら、ひじを高く上げます。
次に肩甲骨を内側へ寄せるイメージでひじを大きくうしろへまわし、一周したらひじを体側につけてから下ろします。
<5>
左手の手のひらをくるっと返し、正面へ向けます。手は親指と中指をくっつけたキツネ手にして、ひじから下をストンと脱力して下ろします。
手もとをキツネ手にすると、腕からよぶんな力が抜けるので、肩まわりがほぐれやすくなります。
<1>~<5>を3回くり返したら、左右反対も同様におこないましょう。
一度おこなうだけでも、肩がスッキリしたのではないでしょうか。これらのストレッチを続けることで、一時的な痛みの解放ではなく、肩がこりにくい体になれます。ぜひ、続けていきましょう。
撮影/山上忠 モデル/成田沙季(ニュートラルマネジメント)ヘア&メイク/斎藤節子 文/柿沼曜子 衣装協力/アディダス