体には硬くなりがちな部位があります。これらの部位をやわらかくすることで、姿勢や日常の動きは大きく改善します。プロトレーナーの坂詰真二さんに、硬くなりがちな部位をやわらかくするストレッチを教えてもらいました。
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体の動きが大きくなり、1日の消費カロリーも増加
前回、「やわらかくするべき部位」のストレッチを4種類紹介しました。今回は、後半の4種類を紹介します。
「紹介するストレッチによって、姿勢や日常の動きが改善すると、体によけいな負担がかからなくなるため、疲れにくくなります。また、可動域が広がるので、体の動きは自然と大きくなり、結果的に1日の消費カロリーも増加。直接的にダイエットや特定の部位の引き締めにはつながりませんが、コンディションを整え、やせやすい生活に近づけてくれるのがストレッチなのです」
前回同様、まずは10秒伸ばし続け、3回くり返してみてください。では、さっそく始めましょう。
【お腹】
長時間のデスクワークなどで猫背の姿勢が続くと、腹筋は縮んで硬くなって猫背が定着してしまいます。うつぶせになって上体を反らし、気もちよくお腹を伸ばしましょう。
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床にうつぶせになります。脚は軽く開き、足の甲も床につけて。両ひじを曲げてわきを締め、
顔の下あたりで手のひらを床につけます。
2
1の手の位置のままひじを伸ばし、上体を反らします。顔は正面に向けましょう。
NG
手を肩の下でつくと、骨盤が床から浮いてしまいお腹が伸びません。1のときに手を顔の下あたりで床につき、手の位置を変えずにひじを伸ばすと、自然と手を肩より前につくことができます。
【太ももの前側】
骨盤が後ろに傾き、お尻や太ももの裏側が使いにくい状態になると、太ももの前側やひざに負担が。疲労もたまるので、1日の終わりに伸ばしておきたい部位です。
1
体の右側を下にして床に横になり、脚をそろえてひざを曲げます。ひじを曲げて右腕で腕枕をし、左手で左足の甲をつかみます。左足のかかとはお尻につけておきます。
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左足のかかとをお尻につけたまま、左ひざを後ろに引きます。ひざを高く上げる必要はありません。3セットくり返したら反対向きに寝て、手脚を左右入れ替えて同様に。
NG
かかとがお尻から離れた状態でひざを後ろに引いても、太ももの前側は伸びません。かかとをお尻から離さずに行いましょう。
【お尻】
じつは、姿勢の悪さやゆがみ、腰痛の大きな原因になっているのがお尻の硬さ。やわらかいお尻は、美しい立ち居振る舞いにも不可欠なのです。
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床にあお向けになります。ひざを曲げて左脚を持ち上げ、両手でひざとすねのあたりをつかみます。両足首は伸ばしておきます。
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両手で左脚をつかんだまま、左ひざを胸に引き寄せます。手脚を左右入れ替えて同様に。
NG
曲げていないほうの脚のひざを立てて行うのは骨盤が後傾するのでNG。脚裏を床につけた状態をキープし、できるだけひざを胸に引き寄せます。
【太ももの裏側】
太ももの裏側が硬くなると、股関節の動きが悪くなります。歩幅を大きくし、日々多くのエネルギーを消費するためにも、やわらかくしておきましょう。
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床にあお向けになります。右脚は伸ばしたまま、左ひざを曲げて脚を持ち上げ、両手でひざ裏あたりをつかみます。左足首は伸ばしておきます。
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左ひざを伸ばしていき、足首を伸ばしたままつま先を天井に向けます。脚を左右入れ替え、同様に。
NG
ひざを伸ばし切ったり、足首が曲がっていたりすると、太ももの裏側が伸びにくい状態に。ひざは伸ばし切ろうとせず、足首は伸ばして行います。
撮影/徳永徹 ヘア&メイク/斎藤節子 モデル/安田奈々 取材・文/馬渕綾子