ストレスを感じると、ついつい食べ過ぎてしまう。そんな悩みを持つ人は多いかもしれません。そのメカニズムはよくわかっており、背景にあるとされるのが「ストレスホルモン」の働き。このホルモンを減らすため、ヨガが効果的である可能性があるようです。このたび、肥満のリスクが高い女性にヨガに取り組んでもらったところ、ストレスが減り、やけ食いが減ったという研究結果が報告されました。
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ヨガはストレスを軽くする
ストレスは、心で感じる重荷や心のゆがみと言えるものです。ストレスがかかると、「ストレスホルモン」と呼ばれるコルチゾール(副腎皮質ホルモン)が分泌されて、このことがさまざまな変化を体にもたらします。
このコルチゾールのイヤな働きのひとつが、食欲を増進させてしまうことです。ストレスによる不快な思いに悩まされると、やけ食いに走ってしまうのはそんなホルモンの影響もあるようなのです。
肥満にもつながってしまうストレスをやわらげる効果を期待されている方法のひとつがヨガです。ヨガは体力をつけたり、リラックスしたりする効果を実感できるもの。実際に、ヨガはストレスとコルチゾールの分泌量を減らして、やけ食いを防ぐことができるのではないかと注目されています。
今回、米国サザンメソジスト大学の研究グループが、ヨガにストレスホルモンを減らしたり、やけ食いを減らしたりする効果があるかを調べました。
コルチゾールが多い人で効果
研究の対象になったのは52人の女性。8週間、室温を上げて行うヨガに取り組んでもらうグループとヨガをしないグループに分け、8週間の前後でコルチゾール分泌量がどう変化するか、また自己申告から食べ過ぎの頻度がどう変わるかを比べました。なお、実践したヨガのスタイルは、ハタヨガです。
分析の結果、もともとコルチゾールが多かった人では、ヨガを行った人のほうが、コルチゾールは大きく低下することがわかりました。もともとコルチゾールの値が低かった人では違いが見られませんでした。さらに、ヨガを行ったグループは、やけ食いの頻度が減っていました。
ストレスでついつい食べ過ぎてしまうという悩みがある人。そんな人にはヨガが向いているのかもしれません。
<参考文献>
J Consult Clin Psychol. 2016 Jun;84(6):558-64. doi: 10.1037/ccp0000091. Epub 2016 Mar 10.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26963599