そろそろ薄着の季節、とくに目立ってしまうのがお腹まわりのお肉。下腹だけでもわき腹だけでもなく、お腹全体に"脂肪がドンッ!"とついていませんか。お腹全体に脂肪があるタイプの人にはダイエットの王道、有酸素運動が効果的。
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お腹のたっぷり脂肪には、やっぱり有酸素運動が鉄板!
お腹まわりにたっぷりとぜい肉がついて、手でつかめるくらいぷよぷよしている、そんなタイプのお腹の中はどうなっているのでしょうか。
数多くの肥満を改善してきた、よこはま土田メディカルクリニック院長の土田隆先生によると
「このタイプは、皮下脂肪と内臓脂肪の両方が、お腹まわりにたっぷりと蓄えられている可能性があります。体脂肪は、一部分にだけつき過ぎることはないので、このタイプともなると、お腹だけでなく上半身、下半身を含め、全体的にでっぷりしている人も多いはずです」とのこと。
この体型になる最大の原因は、やはり運動不足。
「食べた量に対して、それを消費するための運動が足りていないので、お腹はもちろん、体全体に脂肪がついてしまうのです。まずは、運動習慣を身に着けることからスタートしましょう。食生活では、食べる量はもちろん、糖質や脂質に偏った食事内容になっていないか、チェックしてみましょう。また、深夜、寝る前など不規則な時間帯に食べるのもNGです。運動では筋肉をつけることよりも、まずは、つき過ぎた体脂肪を落とすことを目標にしましょう」(土田隆先生)
<こんな生活がぷよぷよ腹をつくっていた!>
- ほとんど運動しない
- ヒマだといつも何か食べている
- 寝る前でもつい何か食べてしまう
- 甘いものや脂っこいものが好き
- イライラやストレスを感じることが多い
でっぷりお腹に効果的な“エアなわとび”とは!?
では、ついてしまった体脂肪を減らすために何を始めればいいのでしょう?
スポーツ&サイエンス代表の坂詰真二先生は、体脂肪を減らすには、キツくない有酸素運動を長時間行うことと、たくさんの筋肉を使うことが大切といいます。
そこで今回教えてもらうのが、なわを使わないなわとび、すばり“エアなわとび”!
「通常のなわとびは、おもにふくらはぎの筋肉を使うのに対し、エアなわとびはお腹や背中、太ももと、多くの筋肉を使うので、脂肪燃焼効果がアップ。また、実際には跳ばないのでラクに続けられます」(坂詰真二先生)
キツい運動は続けにくいけど、エアなわとびならラクに続けられて体脂肪もどんどん燃焼させられるというワケ!
もちろん、「エア」なので、なわとびは不要。素手でもOKですが、なわとびの代わりにタオルを使うとイメージしやすく、負荷もアップ。タオルを2本用意し、それぞれ片端を結ぶと遠心力がついて回しやすくなります。
<エアなわとびのルール>
1)空いている時間にこまめに行う
2)最低週2~3回、できれば毎日行う
楽しく弾んで脂肪を揺らす!エアなわとび10日間プログラム
エアなわとびは、室内でカンタンにできる有酸素運動。多くの筋肉を使うので、効率よくお腹だけでなく、全身の脂肪が燃焼できます。夏までにぷよぷよお腹をどうにかしたい! 短期間で結果を出したい! という人のために、エアなわとび10日間プログラムを考えました。このプログラムを終えるころにはスッキリぺたんこ腹が手に入れられるはず!
お腹から全身の脂肪燃焼に!エアなわとび基本編
<1日目~3日目>
腕を回しながら腰を上げ下げする運動。スクワットほどツラくなく、長時間続けられるため、有酸素運動の効果があります。
1)ひざを軽く曲げて腰を落とす
つま先は正面に向け、両腕を肩幅程度に開き、背すじを伸ばして立ちます。そして、ひざを軽く曲げて腰を落とし、両ひじをまげましょう。このとき背中が丸まらないよう注意して。
2)ひざを伸ばしてつま先立ちになる
両手を下に伸ばし、ひざを伸ばしてつま先立ちになります。そして、なわとびの要領で腕を大きく回転させながら1の体勢に戻って1~2を自然呼吸でリズミカルに10分行います。
これはNG!
(1)で腰を落としたときに、ひざを内側に曲げるとひざに負担がかかり、筋肉への刺激も減るのでひざ頭が正面に向くように曲げて。
お腹から下半身にかけて刺激! エアなわとび足開き編
<4日目~6日目>
基本編に比べ、お尻の筋肉をより多く刺激できる有酸素運動。お腹やせ、全身やせだけでなく、小尻&ヒップアップ効果も期待できます。
1)脚を前後に開き、腰を落とす
片足を1歩分ほど前に出し、両ひじを曲げ、背すじを伸ばして立ちます。そして、両ひざをしっかり曲げて腰を落としましょう。このとき、背中が丸くならないようにすること。
2)腕を回転させながらひざを伸ばす
ひじを下に伸ばしながら、両ひざをしっかりと伸ばします。そして、腕を大きく回転させながら1の体勢に戻りましょう。(1)~(2)を脚を替えて各5分(計10分)リズミカルに行って。
これはNG
(1)~(2)の動きのときに、背中が丸くなっていると、ひざに負担がかかります。お尻と後頭部が一直線になるよう背すじを伸ばして。
お腹全体を使って燃焼度UP! エアなわとび8の字編
<7日目~9日目>
腕を8の字に大きく回すイメージで動かす運動。ウエストにひねりを加えるので、お腹の筋肉をより多く刺激できます。
1)背すじを伸ばし脚を揃えて立つ
脚を肩幅程度に開き、背すじを伸ばして立ちます。腕を大きく8の字に回しながら、自然な呼吸で(1)→(2)→(1)→(3)とくり返します。
2)体を左へひねり右脚を右へ伸ばす
上半身を左にひねりながら、両腕を体の左下へ下ろします。同時に右脚を右へ伸ばしましょう。そして、腕を下から上へと大きく回転させながら(1)の体勢に戻ります。このとき、足は1歩分右へ。
3)体を右にひねり左脚を伸ばす
上半身を右にひねりながら、両脇を体の右下へ下ろします。このとき、左脚も同時に左へ伸ばして。そして、腕を下から上へ大きく回転させながら(1)の体勢へ戻ります。このとき、足は1歩分左へ。
すべての動きを連続で行う、エアなわとび総集編
<10日目>
最終日には1日目~9日目まで行った、基本編、足開き編、8の字編のすべての動きを連続で行います。すべての動きをおさらいしたら10日間プログラム終了!
プラスすると脂肪燃焼スピード加速!のカンタンやせワザ ♪
エアなわとびにプラスするとさらに脂肪燃焼効果が高まる!というやせワザを紹介します。夏までにもっと早く体を絞りたい、脂肪燃焼スピードをさらに上げたいという人は、エアなわとびと一緒にこちらもお試しあれ。やせワザを習慣にすれば、さらに太りにくい、やせ体質も叶うはず。
<やせワザ1>温冷シャワー浴で燃焼度アップ!
お風呂もただ入るだけじゃもったいない。入浴時だってエネルギー消費をアップさせちゃいましょう。
「入浴時に温まった手脚に冷シャワーを当てるだけです。温まった手脚に冷たいという感覚を与えると、冷えた手脚を温めるために体が熱(エネルギー)をつくり出そうとして脂肪を燃焼させます」(土田隆先生)
体は冷たいと感じると熱をつくりだして体温を戻そうとします。結果、体内にある糖質や脂質が使われ、エネルギー消費がアップ。
<やせワザ2>かさまし糖質セーブ食で食べ過ぎ防止
せっかくエアなわとびで燃焼した脂肪を食事で台無しにしたくないですよね。食事で気をつけるポイントは糖質。
「脂質はもちろん、糖質もとり過ぎると体内で体脂肪に変わりやすいので、注意が必要です。ご飯やパンなどの主食の食べ過ぎ、甘いお菓子やジュースなどのとり過ぎは控えましょう」(土田隆先生)
糖質やカロリーを抑えるには、ご飯を白米から玄米に替えるのも◎。玄米と白米のカロリーは同じくらいでも、糖質や脂質の代謝を助けるビタミンB群やミネラルの量は玄米のほうが豊富です。また、主食にキャベツなどかさ増しができる食材をプラスすると、早食いも防止できますよ。
お腹のでっぷり脂肪はもちろん、ついでに全身も痩せられるのが10日間のエアなわとびプログラム。天候関係なく室内でできる運動なので、今すぐはじめて夏までに理想のボディをゲットしちゃいましょう。
土田隆
よこはま土田メディカルクリニック院長。予防医学の重要性から肥満治療、高血圧、動脈硬化、糖尿病治療など最新のノウハウで患者と向き合う。本院には肥満外来も開設し、診療の傍ら、肥満治療も行い、数多くの肥満を改善。「2週間で体重10%減!おかゆダイエット」(マガジンハウス)
坂詰真二
スポーツ&サイエンス代表。NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト、同協会公認パーソナルトレーナー。株式会社D&M商会アドバイザー。アスリートへの指導、スポーツ・医療系専門学校講師などを務めている。近著は『1人では伸ばしきれない筋肉を効率よく伸ばすパートナー・ストレッチ』(カンゼン)
文/小野寺紗名美 イラスト/中村奈々子