自分では気がつかない、就寝中のいびきや歯ぎしり。人に聞かれると恥ずかしいし、なんだか朝の目覚めもよくない気がして……。
生活習慣改善サロン「Flura」を主宰する小林麻利子さんにうかがう、【睡眠のお悩み解決】。今回はいびきや歯ぎしりの対策法を教えていただきました。
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CASE21
家族や友人から「いびきをかいていた」とか「歯ぎしりがスゴい」といわれます。どうしたら直りますか?
小林先生のお答え
自分に合う枕を選んで、舌の正しい位置を身につけて
いびき、歯ぎしりともに睡眠の質を下げてしまうので、対策法を知ってきちんと改善しましょう。
多くの人はあお向けに寝たときにいびきをかいていて、いびき対策の基本は自分の体に合った正しい枕を使うこと。枕が合わなければ気道が狭くなって、いびきをかきやすいのです。チェックの方法はあお向けに寝て、耳の穴の前にあるポコッと突出している点と黒目の下の骨部分を結んだ線が、ベッドとほぼ垂直になるのがピッタリの高さです。家族に見てもらったり、写真を撮って確認してみてください。
テンピュール社の製品のようにそれぞれの体型に沿って固定される素材の枕や、全体が5つぐらいのブロックに分かれてそれぞれの高さを変えられるオーダー枕がベターだと思います。店舗に足を運んで、いろいろ試してみてはいかが?
また横向き寝では気道が確保しやすいため、いびきをかきにくくなります。横向き寝を固定する枕や、横向き寝の姿勢をサポートする抱き枕を用意してみてください。
日中、いつも舌を正しい位置に
じつは、ずいぶん前ですが私も歯ぎしりをしていて、「いろいろな音がするね」と言われたことがあります。グーッと食いしばったり、ギシギシとこすり合わせたり、カチカチと上下を当てたり。
歯ぎしりの原因はいくつかありますが、眠っているときだけでなく、日中でもストレスを感じて力を入れ、ずっと奥歯をかみしめている人が多いです。あごがダルくなったり、そのうち歯がすり減ってきたり、ひどい場合は顎関節症になることも。
そういう人は、意識して舌を正しい位置にキープしましょう。舌には定位置があって、前歯の裏、上あごのくぼみの少し前ぐらいにフワッとついているのが正しい状態。話しているときは動きますが、話し終わったらそこに戻す。そうすれば、歯の食いしばりは軽減されます。ただし、舌を前歯の裏につけてしまうと、前歯が出て歯並びが悪くなってしまう可能性があるので気をつけて。
体の力を抜く+快眠で、歯ぎしり対策
さて、こうした食いしばりはクセになってしまうことが多く、意識していないと知らずに奥歯をかみしめるようになります。ストレスが無くなってもクセはそのまま続くし、眠っているときに歯ぎしりしないよう頑張ることは不可能なので、日中の心がけがなにより重要! 舌の位置を固定して、歯を食いしばらないクセをつけましょう。
また、誰も見ていないときに力をゆるめるのもオススメです。手のひらを上に向け、姿勢をダランと悪くして、舌を「うぇーっ」と思い切り出して、全身の力を抜く。ちょっと体を揺すってもいいですね。
加えて自律神経を整えるため、寝る前に必ず行う3つの“うっとり美容”を用意します。「私はこれをやれば絶対によく眠れるんだ」という方法で、全部で15分以内に終わるもの。例えば、お風呂で頭をマッサージする、ラベンダーのアロマオイルの香りでリラックスする、長く吐くことを意識してゆっくり呼吸する(3秒吸って2秒止め、5秒で吐くのがオススメ)など。
また、歯ぎしりは「頑張りすぎ」のサインかも。少し立ち止まって、毎日の過ごし方を振り返ってみてください。夜遅くまで仕事や考え事をしていませんか? 最近は新型コロナウイルスのニュースであふれていて、知らず知らずのうちに体に力が入っていることも多いです。必要な情報だけ見たら、だらだらとニュース番組を見続けず、日中はべランドなどで太陽を浴びて、同じ時刻にごはんを食べて、ゆっくりお風呂に浸かり、ぐっすりお休みしてくださいね。
取材・文/宮下二葉