人生100年時代、歯も長く使わなければなりませんよね。それなのに歯磨きは歯ブラシだけ、という人が依然として多いよう。そして歯ブラシでの「ゴシゴシみ磨き」は歯茎下がりや磨き残しの原因になることは前回お伝えした通り。そんなオーバーブラッシングを防ぐのが、歯学博士の照山裕子先生が考案したガーゼを用いた歯磨きです。歯ブラシがほうきだとするとガーゼはモップや雑巾。照山先生の著書『歯科医が考案 毒出し歯みがき』(アスコム)よりお伝えします。
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プラークをきれいにとり去る「毒出し歯みがき」
食べカスは時間とともにプラークと呼ばれる細菌の塊となり、歯石となっていきます。口のなかの汚れは歯周病を含め全身のさまざまな病気を引き寄せます。
「日本人は歯磨きがあまりじょうずではありません。汚れが残るだけでなく、強すぎるブラッシングで歯と歯茎を傷つけているケースも少なくないのです。そこで考えたのがガーゼを使った「毒出し歯みがき」です。さっとふくだけでガーゼの繊維が汚れをキャッチ。ネバネバして歯にこびりつくプラークをきれいにふきとりながら歯にもやさしいのが特徴です」(照山先生)
外出先でもサッとふきとる
「毒出し歯みがき」のやり方は簡単です。
ガーゼ(不織布ガーゼがベスト)を人さし指に巻き、指の腹で1本ずつ歯の輪郭をなぞるようにふいていきます。さらに、フロスや歯間ブラシを併用するとより効果的です。
また口のなかを清潔に保つためには、汚れたらすぐに落としてしまうのが理想的。まずは外出時にもできる手軽な「簡単版 毒出し歯みがき」をとり入れてみませんか。
・何か食べたら、すぐに歯の表面をさっとふきとる
・ガーゼがないときは、紙ナプキン、ティッシュペーパー、ウェットティッシュでもOK
・使用する大きさに切ったガーゼと、ごみ箱がないときのためにポリ袋をセットにして、ジッパーバッグなどに入れて携帯すると便利
これならいつでもどこでも「毒出し歯みがき」ができます。
「汚れたらそのつどサッとふきとるだけで、口内環境は大きく変わってきます。また、コーヒーやお茶など、色がつきやすいものを飲んだあともそのつどふいておくと、ステインと呼ばれる気になる着色汚れを大幅に軽減できます。歯の色が気になる人はこのように、こびりつかせない心がけを」
歯の表面をサッとふくだけなら、トイレでもメイクルームでもどこでもできそうですね。これを習慣にするだけでも、口のなかの悪い菌が大幅に減り、きれいな状態をキープしやすくなるそうです。
文/庄司真紀
参考書籍
『歯科医が考案 毒出し歯みがき』(アスコム)