妊娠中に食べるものは、おなかの赤ちゃんの成長に影響します。カフェインや塩分を控えて、おやつもチョコレートもガマンしてヘルシーなフルーツにしている人も多いかもしれません。そのような妊婦さんたちに朗報です。このたびカナダから、妊娠中にフルーツをとると、赤ちゃんの頭がよくなると報告されています。
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ママの食事の赤ちゃんへの影響
妊娠中にヘルシーな食事をとることは、おなかの赤ちゃんの神経細胞の形成や脳の発達に必要不可欠。よく知られているのは妊娠中の葉酸です。病院などでサプリメントが出され、葉酸を摂取することで胎児の神経管欠損症のリスクを減らすことができるとわかっています。そのほか砂糖が入った飲み物を飲み過ぎると、赤ちゃんの知能に悪影響を与える可能性が指摘されます。
そんななか、2016年にカナダのアルバータ大学の研究グループは、カナダ国内の子ども688人を対象に調査。妊娠中にフルーツの摂取量が多い母親の場合、生まれてきた子どもの生後1年後の認知機能が高くなる傾向にあると報告。フルーツの効果が注目されました。そこでこのたび同研究グループはフルーツとの関連性をより明確にするため動物を使った研究を行っています。
研究グループは、4匹の妊娠中のラットを対象に、妊娠期間中2匹にはエサに加えて薄めたトマトジュースとオレンジジュースを与え、ほかの2匹にはエサと水のみを与えました。そのうえ離乳後、迷路を使ってラットのオス赤ちゃんの空間記憶などの能力を調べました。音があると刺激を感じる実験により恐怖感についての記憶能力も調べました。
赤ちゃんの記憶力がアップ
わかったのは、フルーツジュースを与えられたラットから生まれた赤ちゃんは、水を与えられたラットの赤ちゃんと比べて、空間記憶と恐怖記憶がすぐれるということです。研究グループは、「今回の実験で妊娠中にフルーツを多くとったラットの赤ちゃんは、記憶力のテストでよい成績を出している」と説明します。
もちろんとり過ぎには要注意ですが、赤ちゃんの脳の健やかな発達を促す自然な方法として、妊娠中のフルーツ摂取の効果は注目されます。
<参考文献>
One smart apple: Does consuming fruit during pregnancy improve cognition in babies?
https://www.ualberta.ca/science/news/2020/february/pregnancy-fruit-brain-development.html
Ward-Flanagan R, Scavuzzo C, Mandhane PJ, Bolduc FV, Dickson CT. Prenatal fruit juice exposure enhances memory consolidation in male post-weanling Sprague-Dawley rats. PLoS One. 2020;15(1):e0227938. Published 2020 Jan 28. doi:10.1371/journal.pone.0227938
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0227938
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31990931/