野菜やフルーツの成分でポリフェノールの一種である「フラボノイド」。体によい抗酸化物質として知られており、病気から体を守ってくれると注目されています。そうした効果は、脳の老化にも関係している可能性があるようです。このたび米国の研究グループが、フラボノイドの一種「フラボノール」をたくさんとっている人に脳を若く保つことへの効果が現れるようだと報告しました。
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脳にもよい効果がある?
ポリフェノールを含んでいる食品はさまざまです。たとえば、柿には渋みの原因になる「タンニン」、ブルーベリーには「アントシアニン」がそれぞれ含まれています。野菜や果物に含まれている「フラボノイド」もそのひとつです。
さらにフラボノイドはその化学構造の違いによって数種類に分類され、多くの場合、植物はいくつかの種類を含んでいます。たとえば、緑茶で有名なカテキンは「フラバノール」という種類のフラボノイドですが、緑茶にはほかの種類のフラボノイドも含まれています。
今回、米国の研究グループは、フラボノイドのなかでも特に「フラボノール」という種類と脳の老化との関連について調べました。900人以上の参加者を対象に毎年1回、特定の食品をどれくらい食べていたかアンケートをとり、並行してアルツハイマー病の検査をしたのです。アンケートでは、運動時間のほか読書やゲームなどの知的活動についても調査。そのうえでフラボノールの摂取量に応じて参加者を5グループに分け、アルツハイマー病になるリスクの違いを比べました。
摂取量が多いとリスクが半減
そうしてわかったのは、フラボノールをいちばん多くとっていたグループは、最も少なかったグループに比べて、アルツハイマー病になるリスクが半減するということです。遺伝や生活習慣のほか、病気などを考慮して分析しても同様の差があるという結果でした。
摂取されていたフラボノールを多く含む食品としては、ケール、ほうれん草、ブロッコリー、トマト、オリーブオイル、豆類、お茶、ワイン、洋なし、オレンジなど。なぜフラボノールがこうしたリスクを減らす効果につながるのかはさらなる研究が必要にはなるようです。とはいえ、野菜とフルーツをたくさん食べて、お茶を飲むことが脳の老化を防ぐことにつながりそう。ふだんの生活にうまくとり入れたいところです。
<参考文献>
りんごやお茶が体によい秘密、それは「フラボノイド」
https://fytte.jp/healthcare/78809/
STUDY: ANTIOXIDANT FLAVONOL LINKED TO LOWER RISK OF ALZHEIMER’S DEMENTIA
https://www.aan.com/PressRoom/Home/PressRelease/3768