予防医学を診療の軸とする伊藤明子先生が注目する食材のひとつが、「ごま」です。父方が禅寺ということで、精進料理を身近に感じる家庭で育った伊藤先生。家でごま豆腐を手作りし、実家の庭でごま栽培をすることもあるそうで、医師になってから、ごまの健康効果をあらためて見直すようになりました。ごまは老化の原因である酸化と糖化を抑える抗酸化力・抗糖化力の高い食べ物。著書の『医師がすすめる抗酸化ごま生活』(アスコム)よりお伝えします。
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酸化と糖化をダブルで抑えるセサミン
ごま特有の成分といえば「セサミン」。
「セサミンは、体内に吸収されると肝臓の代謝を活性化させ、高い抗酸化作用をもつようになることが知られています。セサミンのほか、セサモリン、セサミノールといった成分が含まれており、この3つは総称して『ゴマリグナン』と呼ばれています」(伊藤先生)
高い抗酸化作用をもつゴマリグナンには、ごまのパワーが凝縮され、体内で「抗酸化力」「抗糖化力」を発揮します。
そのほか、たんぱく質、脂質、食物繊維、ビタミン類、ミネラルなどが豊富に含まれていて、まさにスーパーフード。栄養バランスのよさから、以下のような人にもぜひオススメだそうです。
・風邪にかかりやすい人
・お通じがよくない人
・高血圧で悩んでいる人
・骨を丈夫にしたい人
・貧血を解消したい人
・認知症リスクが気になる人
・肌や体に年齢を感じている人
栄養を吸収しやすい「すりごま」
ごま製品のなかでも、抗酸化力・抗糖化力を丸ごと吸収できて、なおかつ手軽に使いやすいのは「すりごま」です。
「丸のままのごまは皮がかたくてごまの栄養が吸収されずにそのまま出てしまうことも多いですが、すりごまは厚い皮がすりつぶされていて、栄養を吸収しやすいのです。粉状なので、ふりかけたり混ぜたりするだけで、どんなお料理にもすぐ使えるうえに、香りやコクも出て料理がおいしくなります」
市販のものでも、そのままの栄養をいただける、皮ごとすりつぶしたごまがオススメ。毎日大さじ2杯分を目安に、60gくらいのパックなら1週間で使い切るようにしましょう。
アボカド+すりごまで「ワカモレ」を作ろう!
みそ汁やおひたしにちょい足しできる、便利なすりごま。伊藤先生考案のアレンジレシピには、栄養豊富なアボカドを活用したものも。「アボカドとすりごまのワカモレ」をご紹介します。
【材料】(2人分)
すりごま 大さじ1
アボカド 1個
玉ねぎ 1/4個
レモン 1/4個
ピンクペッパー(実) 適量
亜麻仁油 小さじ1
レモン汁 小さじ2
塩 少々
タバスコ 小さじ1/4
黒こしょう 適量
【作り方】
(1)アボカドは皮をむき、種をとり除いてひと口大に切る。玉ねぎはみじん切りにする。
レモンは小さめのいちょう切りにする。ピンクペッパーはつぶしておく。
(2)ボウルにアボカドを入れてフォークでつぶし、みじん切りにした玉ねぎ、亜麻仁油とレモン汁を入れて混ぜる。
(3)すりごま、塩、タバスコを加えてよく混ぜ合わせる。
(4)(3)を器に盛りつけ、つぶしたピンクペッパーと黒こしょうをふり、レモンを添える。
現代人の多くが陥りやすい新型栄養失調にもごまは有用です。なんといっても料理に用いやすいのがいいですよね。
次回は先生が考案した「抗酸化ごま」についてご紹介します。
文/庄司真紀
参考書籍
『医師がすすめる抗酸化ごま生活』(アスコム)