長い時間寝たのに、ぜんぜん疲れがとれない...。このようなことを経験したことはありませんか?
長時間寝れば疲れがとれる!と思う人もいるかもしれませんが、実は睡眠時間の長さは関係ないのです。
ここでは、睡眠の名医である白濱龍太郎先生の著書『誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』(アスコム刊)より深睡眠についてご紹介します。
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睡眠のポイントは「深睡眠」!!
みなさん、よく「ぐっすり眠れた」「ぐっすり眠れなかった」といいますよね。
では、「ぐっすり眠る」というのは、一体どのような状態をいうのでしょうか。
ぐっすり眠るとは、簡単にいうと「深睡眠(徐波睡眠)」がよくとれている状態のことです。
この深睡眠の間は、途中で目が覚めにくく、脳内に蓄積されたアミロイドβタンパク質などの疲労物質の除去や、体の機能を修繕させたり、免疫力を高めたりする成長ホルモンの分泌がもっとも盛んに行われています。
そのため、深睡眠の時間が多いほど疲れがとれ、病気になりにくい体になるのです。
つまり、ぐっすり眠れる=深睡眠がしっかりとれる=疲れにくく健康になる、といえます。
睡眠には、大きく分けて「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の2つがあります。
人間が眠りにつくと、まずレム睡眠が始まり、次にノンレム睡眠が訪れ、再びレム睡眠に戻る。このくり返しが約90分~120分間隔でおきます。
簡単にいうと、レム睡眠は浅い睡眠、ノンレム睡眠は深い睡眠です。
そして、ノンレム睡眠は眠りの深さによって1~3のステージに分かれており、なかでもステージ3のもっとも深い眠りを「深睡眠」といいます。
この深睡眠は、眠りについてから4時間以内に多く発生。
そして、時間が経つにつれ、深睡眠の時間は短くなっていくように体のリズムができているのです。
短くてもぐっすり眠れる人は、その睡眠がよいかどうかは別にして、眠ってから4時間以内に深睡眠が2回以上、しかも長い時間きちんと訪れているのではないかと考えられています。
つまり、ぐっすり眠るためには、眠りについてから4時間以内に、深睡眠を2回以上とることが必要といえますね。
睡眠初期の4時間以内で8割の疲れがとれる!?
実は、「睡眠の質」「睡眠の良し悪し」も「深睡眠(徐波睡眠)」によって決まります。
「眠りについて4時間以内に、深睡眠をしっかりとれたかどうか」が、睡眠の質を左右するのです。
脳波をみても、深睡眠のときに、もっとも脳の活動が低下していることがわかります。
また、眠りについた後、最初に深睡眠がやってくるときに、傷ついた体の細胞の修復を行う成長ホルモンの分泌がピークを迎えることも明らかになっているのです。
眠りの初期段階、すなわち眠りについてから4時間以内に、深睡眠が十分にとれていないと、脳や体の疲れがしっかり回復しないまま、翌日を迎えることになってしまいます。
朝すっきりと目覚め、1日を活動的に過ごすためには、眠りの初期の4時間の睡眠をいかによいものにするかが大事です。
しかし、仕事で遅くまで働く日や夜勤がある日など、忙しく十分な睡眠時間を確保するのが難しいときもありますよね。
でも、眠りについてからの4時間までに深睡眠がとれていれば、脳と体の疲れの大半、約80%はとれてしまうのです。
1日の脳と体の疲労をとるには、いつ眠るか、どれだけ長く眠るのかではなく、最初の4時間以内にいかに深く眠るかがカギとなりますね。
参考書籍
『誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』(白濱龍太郎著)
文/FYTTE編集部