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天気が悪いと頭が痛い――「天気痛」を自覚することが、治療の第一ステップ
雨が降る前や台風が近づくと頭痛がする、梅雨時になると古傷が痛む…。これまで「気のせい」で片づけられてきた、こうした症状は、天気の影響による「天気痛」であることがわかってきました。天気痛でつらい思いをしている人はどのように痛みや不調とつきあっていけばよいのでしょうか。愛知医科大学・学際的痛みセンター客員教授で、天気痛ドクターとしてメディアでもおなじみの佐藤純先生に、天気痛への対処法について伺いました。
Contents 目次
天気と痛みは連動してる? 『痛み日記』をつけよう
天気痛に対処するには、つらい痛みが天気の影響を受けているかどうかを知ることをはじめ、次の3つが柱になります。
(1)痛みが天気の影響を受けていることを認識する。
(2)薬の服用などで、痛みをコントロールする。
(3)痛みが出ないようにセルフケアで工夫する。
今回は(1)の、自分の痛みが天気の影響を受けているかどうかを認識することについて、話を伺いました。
「治療には、まず痛みが天気の影響を受けることを認識することが大事ですが、『なんとなく天気の影響を受けているような気がするけれど、はっきりわからない』という人は、『痛み日記』をつけることが有効です」
記入するのは、天気、気圧の変化、日記、痛み、運動、睡眠の6項目。日記には、その日のできごとやストレスに感じたこと、服用した薬などを記入します。痛みは、その日の最も強い痛みと最も弱い痛みを11段階で評価します。痛みが続いた時間も記入しましょう。
「こうした日記を1か月ほど続けると、自分の痛みが天気と連動しているかどうかがわかります。気圧が下がり始めると痛みが出るとか、逆に気圧が上がり始めると痛くなるなど、自分の傾向が見えてきます。経験的に、台風が来る前に痛みが強くなる人は、天気痛の可能性が高いです」
体調管理に役立つ『天気痛予報』も登場
痛みや体調が天気の影響を受けているかどうかを知り、体調管理に役立つサイトやスマホアプリも登場しています。こうしたアプリを活用するのもおすすめです。
●『ウェザーニュース』
佐藤先生が気圧と天気変化による不調を予想する『天気痛予報』を株式会社ウェザーニューズと共同で開発しました。天気痛の方たちの体調管理のための専用アプリケーション。3時間ごとの気圧の変化が6日先まで、ひと目でわかるグラフで表示。
https://weathernews.jp/s/pain/index.html
取材・文/海老根祐子 イラスト/黒川ゆかり