お菓子につい手が伸びてしまうなど、生活習慣をあらためられない悩みをもつ人は多いかもしれません。自宅にこもる生活も悪影響を及ぼしているかもしれません。しかし米国の研究ではライフスタイルの改善により女性にとっても重要な病気を防げるそう。しかも中高年からでも効果があるといいます。今からでも大丈夫と聞けば、重い腰も上がりそうです。
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中高年でも遅くない!?
自粛ムードが漂うなかで、ストレスがたまって、運動もままならず、生活リズムも乱れがち。そんな状態が続くと、心身ともに健康を損ねてしまう恐れも出てきます。感染症を防いだものの、行き着くところは思わぬ病気となっては困ります。女性は男性よりも平均寿命は長く、健康的に年を重ねるイメージもありますが、脳卒中については、米国では男性よりも女性のほうが致命的になるそう。しかし、生活習慣の改善をするとイヤな病気を避けられる可能性があります。
このたび、ハーバード大学の研究チームが、女性の生活習慣の改善効果について分析結果を発表しました。研究グループは6万人に上る女性を対象とした26年間の調査データを分析。「禁煙」「毎日30分以上の運動」「肥満を減らす」という3つのライフスタイル改善、および魚やナッツを増やして、赤身肉や加工肉を減らすなどの食習慣の改善を行ったときに、脳卒中の発症リスクがどう増減するのか調べたのです。
食事の改善でもリスクを減らせる
こうしてわかったのは、ライフスタイルを変えることで、脳卒中を減らせるということです。脳卒中全体と脳梗塞(脳卒中のなかでも血管が詰まって起こるタイプ)の発症リスクが、それぞれ25%、36%減少。さらに継続的な食習慣の改善では、脳卒中は23%減ることがわかりました。このほか研究グループによると、1日に30分以上運動をすると、脳卒中の発症リスクは20%減少すると見られそうだといいます。
今回の研究のポイントは、研究開始の時点で、対象となった女性の平均年齢は52歳とすでに年齢層は高くなっていたこと。年を重ねてからでも、ライフスタイルの改善は遅すぎることはないとの結果が示されたというのです。日本でも脳卒中はしばしば問題になる病気です。生活が乱れがちな今だからこそ、生活習慣をリセットするのもよいかもしれません。
<参考文献>
Women’s lifestyle changes, even in middle age, may reduce future stroke risk
https://newsroom.heart.org/news/womens-lifestyle-changes-even-in-middle-age-may-reduce-future-stroke-risk
Jain P, Suemoto CK, Rexrode K, et al. Hypothetical Lifestyle Strategies in Middle-Aged Women and the Long-Term Risk of Stroke [published online ahead of print, 2020 Apr 9]. Stroke. 2020;STROKEAHA119026761. doi:10.1161/STROKEAHA.119.026761
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32268852/
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/STROKEAHA.119.026761