今年も本格的な雨の季節が到来しました。高温多湿が続くこの時期には、頭痛や倦怠感、食欲不振、むくみなど、さまざまな不調を感じやすいもの。じめじめとまとわりつくような湿気と蒸し暑さのなかで、少しでも健やかかつ快適に生活するには、どのようなケアが有効なのでしょう。「体の内側から健康で美しく、ハッピーに」をコンセプトに、自然療法・予防医学・栄養学などをバランスよくとり入れた発信を行うホリスティック薬剤師の佐々木貴美さんにお話をうかがいました。
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梅雨時に感じやすい不調とその理由
梅雨の時期になると、体が重だるい、頭痛がする、むくみがひどいなどの不調を感じる人が多いのではないでしょうか。体質にもよりますが、湿気が多い梅雨時は、体内に余分な水分がたまりやすく、むくみや頭痛、倦怠感、食欲不振なさまざまな不調を感じやすい時期といえます。水分は私たちの体にとって欠かせないものですが、漢方では、余分な水分は体内にたまり、あちこちで悪さをすると考えられているそう。
「梅雨時の不調のケアには、体内の余分な水分をきちんと排出すること、そして環境を整えることが有効です」と語る佐々木さんに、そのポイントを伝授していただきました。
水分代謝を上げ、余分な水分の排出を促すポイント
体内に水分がたまることによる、むくみや不調を防ぐには、水分のとり過ぎに注意すること、余分な水分の排出を促してあげることが大切だといいます。
「暑い時期はのどが渇きやすく、ついつい水分をとりすぎてしまいがちです。もちろん水分補給は大切ですが、一度にとり過ぎないよう注意すること。また、水分代謝を上げるはたらきのある飲みものを選ぶなど、工夫ができるといいですね」と佐々木さん。
具体的には、クミスクチン茶(ねこひげ茶)、ルイボスティー、とうもろこしのひげ茶、ハトムギ茶などが有効だそう。
「むくみを防ぐには、水分だけでなく塩分をとり過ぎないことも大切。塩分をとり過ぎると、体は体内の塩分濃度を下げるために水分を多くとり込もうとします。もし外食などで塩分をとり過ぎたと感じたら、バナナやメロン、きゅうり、スイカなど、カリウムを豊富に含む食品を意識的にとることをおすすめします。
カリウムには、体内の余分な塩分の排出を促すことで水分量のバランスを一定に保ち、むくみを解消する効果が期待できます」
水分も塩分も夏を乗り切るためには欠かせないものですが、こまめに少しずつ摂取して、とり過ぎに注意することが大切なポイントといえそう。
「体の外からできるアプローチとしては、ホワイトバーチオイルや希釈したジュニパーオイルを使って、巡りをよくするマッサージを行うのがおすすめです。また、水分代謝を上げるには体を冷やさないことも重要なので、冷たいもののとり過ぎや、冷房による冷えにも気をつけたいですね」
梅雨時の環境と体調の整え方
じめじめと蒸し暑い環境下でも健やかに生活するためには、できるだけ湿気をとり除き、体温コントロールに注意するのがポイント。
「蒸し暑いと、ついつい涼しさを求めてしまいがちですが、エアコンは冷房より除湿を使うようにして、冷やすよりも湿気をとり除くようにしましょう。除湿機、除湿剤を使用したり、梅雨の晴れ間には布団を干したり、換気をするのも有効です。
また、梅雨時の体調を整えるには、こまめな体温調節も大切。この時期は天候による気温差だけでなく、屋内外の気温差も大きいので、脱ぎ着しやすい羽織りものを持ち歩くようにして、体温コントロールに気を配りましょう」
梅雨時期は体調だけでなくメンタルも不安定になりがちですが、佐々木さんはレモングラスやミントなどのアロマをとり入れて、どんよりしがちな気分をさわやかにする工夫をしているそう。ファッションやメイクに明るい色を使ってみたり、おしゃれなレイングッズに凝ってみたり、気持ちを明るくするスイッチになるようなアイテムをじょうずにとり入れて、心身ともに健やかに雨の季節を過ごしたいですね。
文/野田美香