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人との距離は1m以上、ゴーグルも有効! 研究で確認された新型コロナを防ぐためのポイント3つ

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マスクをした男女のイラスト

長期戦が予想される新型コロナウイルス感染症(COVID-19)との闘い。マスクやソーシャルディスタンスなど、さまざまな予防手段があり、それぞれの効果に関心が集まっています。このたび国際的な研究グループが、マスクと目の保護具(ゴーグルなど)の着用、人との距離を1m以上とることがウイルスの拡大を減らす効果があると報告しました。日本で一般的になっている方法は国際的にも正しいといえそうです。

監修 : 星 良孝 <ステラ・メディックス>

ステラ・メディックス代表取締役社長 獣医師/ジャーナリスト
専門分野特化型のコンテンツ創出を事業として、医療や健康、食品、美容、アニマルヘルスの領域の執筆・編集・審査監修を担っている。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BP社において「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年に会社設立。YouTubeステラチャンネルでもヘルスケアの話題を発信。
YouTube:https://youtube.com/@stellach

Contents 目次

直近までの世界中の研究を集めて分析

マスクをして街を歩く男性
新型コロナウイルス感染症が昨年末に報告されるようになり半年が経過しましたが、感染者の発生は継続しています。「ウィズコロナ」「アフターコロナ」などと呼ばれるコロナ時代は、常に感染症がうつらないように、またうつさないように配慮した生活が求められるようになっています。そのときに、どのような対策が有効であるのか関心も高まっています。

このたび国際研究グループは、著名医学誌『Lancet』で、ウイルス感染を避ける対策の効果を報告しました。対象としたウイルスは、新型コロナウイルスのほか、同じコロナウイルスで2002年に中国の香港で発生したSARSと2012年に中東で発生したMERSです。調べたのは、人との距離をどれくらいとればよいか、マスクや目の保護具はどれくらい有効かです。

研究グループは公衆衛生や医療の専門家など構成されており、文献データベースや政府機関などの関連文書から、未発表のものも含めて2020年5月初めまでの該当する研究を収集。最終的に、世界中から44件の研究(患者2万5000人以上)を分析しました。具体的には、ウイルス感染者と濃厚接触した人の感染状況を調べた研究や、新型コロナウイルス感染症についてはマスクや目の保護具をつけた場合とつけない場合を比較した研究などです。

人と距離があるほど感染リスクが低下

マスクをした女性

ここから見えてきたのが、人と人の距離が1m以上あると、1m未満の場合よりもウイルス伝播率が低くなり、距離が長いほど保護効果が高くなることです。また、マスクをつけていると感染リスクが下がり(14.3%の減少)、不燃布マスクや再利用可能な12〜16層の綿製マスクよりもN95マスクなどの呼吸器防護具のほうがたしかな効果が見られました。ゴーグルなどによる目の保護も、感染リスクの低下(10.6%)につながりました。

この結果から研究グループは、少なくとも1mのソーシャルディスタンスという現在の方針は大きなリスク低減効果があり、2mであればさらに有効と思われると結論づけています。またマスクや目の保護具を適切につけると、さらに効果が高まるとしています。ただ、100%の保護効果ではないため、手をよく洗うといった基本的な衛生管理も不可欠と指摘。ウイルス感染から身を守る個人的な保護手段の効果について、引き続きさらに研究する必要があるといっています。

<参考文献>

Chu DK, Akl EA, Duda S, et al. Physical distancing, face masks, and eye protection to prevent person-to-person transmission of SARS-CoV-2 and COVID-19: a systematic review and meta-analysis [published online ahead of print, 2020 Jun 1]. Lancet. 2020;S0140-6736(20)31142-9. doi:10.1016/S0140-6736(20)31142-9
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32497510/
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)31142-9/fulltext

(参考サイト)
https://www.sciencedaily.com/releases/2020/06/200601194159.htm

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