結婚したらダブルベッドであま~い夜を過ごして、子どもが生まれたら添い寝して―――。幸せな光景だけれど、どちらも快眠のためにはNG!?
生活習慣改善サロン「Flura」を主宰する小林麻利子さんにうかがう、【睡眠のお悩み解決】。今回は、家族の“寝室問題”についてアドバイスをいただきました。
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CASE26
結婚間近で、新居の寝室は憧れのダブルベッドにしたいけど、睡眠のことを考えると、シングルベッドを2つ並べて別々に眠るほうがいいのでしょうか?
小林先生のお答え
睡眠を妨害する人や動物とは、一緒に寝ないのが快眠ルール
セミダブル2つを並べるのがベスト
新婚さんがダブルベッドを選びたい気持ち、わかります! でも、機能性の高いマットレスを選んでも、幅の広いキングサイズであっても、2人一緒にベッドで寝ると相手が寝返りを打つたびに振動が伝わるマットレスも多いですし、そもそも相手の気配を感じます。
そうしたことがまったく気にならない人もいますが、眠りの質が下がることが多いです(片方は大丈夫でも、もう片方の方は気になる、と言うご夫婦もいらっしゃいます)。それに、2人がいつも同じ時刻に就寝できるわけでもなく、ご主人があとからベッドに入ってくると目が覚める原因になるので、快眠のためにベッドは別にするのが鉄則です。
また、身長が160㎝ぐらいある人なら、じつはシングルベッドだと幅が狭いのです。もっと体の大きい男性であればなおのこと。本当ならダブルベッドのシングル使いで、それぞれが手足を思い切り伸ばして解放感たっぷりに休めるのが理想ですが、さすがにそれは現実では難しいので、セミダブル2つを並べるのがベストです。
ですから、こうした視点で寝室をチェックして部屋を選ぶことがなにより大切、と覚えておいてください。寝室を基準に家探しをする方はあまりいないと思いますが、日中に夫婦揃って、仲よく、仕事もはかどり、健康的な生活をするためには、寝室環境は重要視したほうがいい場所です。
部屋が窮屈になるのはガマンして、ベッドは2つに
さて、寝室が6帖あればセミダブルを2つ、少しスキマを空けて置くことができるはずなので、家具を減らすなどして工夫をしてみて。
それより狭くて、セミダブルベッド2つはムリという場合。もしも2年以内に引っ越す予定があるならベッドを買わず、セミダブルの布団を並べて寝るのがオススメです。布団であれば多少狭くても敷くことができるはず。夏場は湿気がこもるので、通気性のいいマットの上に布団を乗せて。布団は昔ながらのものではなくて、耐圧分散性にすぐれたものにしましょう。また、布団の場合は地面から近いため、ホコリが舞いやすいので空気清浄機の用意もあったほうが安心です。そして、次の引っ越しの際にはセミダブル2つを置ける間取りを念頭に置いて、部屋を選んでベッドを購入しましょう。
しばらくそこで暮らす予定であれば、シングルベッド2つにします。寝室が窮屈になっても、しっかり眠れる環境を優先するのが正解です。新婚さんで一緒に寝たい気持ちが強いなら、シングルベッドを2つ並べて、ツインサイズのヘッドボードを取り付けてベッドの一体感を演出してはいかがですか?
子どもは添い寝せず、別ベッド、別室に
夫婦だけでなく、子どもとの添い寝もお母さんも子どもも眠りの質が悪くなる可能性があります。子どものことが気になったり、体がぶつかって目が覚めると、疲れが修復されず免疫力が下がるきっかけになるし、脳も疲れたままで、子どもをキツく叱る、ご主人とケンカするといったことが多くなっている可能性も。
もし、将来子どもが欲しいと思っているなら、恵まれたあかつきには初めから別のベッドで寝るようにしていくことをおすすめします。できれば、寝返りの際だけ少し気をつけて寝室も別にしましょう。欧米では子どもと親の寝室が別という家庭が多く、同じ寝室だとしてもベッドは別で、添い寝が多いアジア圏に比べて睡眠時間は長い傾向にあります。
生まれてすぐから別の寝室をオススメするのは、ママと同室ならママが余計な心配をして、まだ眠っているのにぐずっているからと抱っこや授乳をするきっかけを作って中途覚醒を促す原因になっていたり、さらに大きくなるとママの存在を感じてママを起こすことだってあります。ママの寝返りや朝のアラーム音などで子どもの睡眠を妨げる可能性だってあります。また、2、3歳まで一緒に寝ていた子どもをひとりで寝かせようとすると、自我が強くなっているためストレスを感じて大泣きして大問題に発展することもあります。すでに一緒に寝ているお子さんには、次の誕生日を節目に別のベッドや別の部屋で寝てみようと提案してみたり、弟や妹が生まれるタイミングに提案してみましょう。
まだ小さいお子さんなら、「一緒に寝るお友だちを探しに行こう」と、添い寝をするぬいぐるみを買いに行ってみるのもいいでしょう。選ぶのはもちろん、お子さんです。
ちなみに、兄弟姉妹の二段ベッドは?というと、二段ベッドを使える年齢は、もう睡眠をお互い妨害する年齢ではないはずなので、二段ベッドに限らず、子ども同士同じ寝室で眠るのはOKです。二段ベッドはベッドの構造にもよりますが、寝返りのたびにギシギシと音がなるようなものは睡眠の邪魔になるのでよくはありません。また、兄弟の生活スタイルが違ったり、就寝時刻が違う場合は、やはり別部屋のほうが安心です。
あとは人間だけでなく、ペットと寝るのもあまりおすすめできません。一緒に眠るのはとても幸せな気持ちになりますが、ペットに睡眠を妨害されて眠りの質が悪くなることがあるからです。これから飼い始める方は、睡眠のときは別部屋にする習慣をつけてください。すでに飼っている方は、ペットの性格と相談しながら、より良い方法を探ってみてください。
取材・文/宮下二葉