前回お伝えした順天堂大学医学部教授・小林弘幸先生の「長生き呼吸法」。自律神経を整え、腸活や肺活によいことに加え、肩こりや冷え、むくみといった女性の悩みにも有効です。今回は「長生き呼吸法」をアレンジした「肩こり解消呼吸法」をご紹介します。お風呂のなかでとり組むことでさらに効果がアップ。『自律神経を整える「長生き呼吸法」』からお届けします。
Contents 目次
肩こり・冷え性・むくみは 「長生き呼吸法」で対処
ストレスや疲れで肩や首まわりがかたくなっているとき、呼吸も浅くなっています。そういうときはさらに悪化すると猫背になったり、体が冷えを帯びたりします。
「浅い呼吸をしている人は、肩で息をしている傾向があります。これは1分間に数十回も肩をすくめているのと同じこと。結果、肩こりや猫背を誘発し、さらに浅い呼吸になってしまいます。また最大の呼吸筋である横隔膜がかたくなっているという特徴もあります」と小林先生。
ゆったりとした呼吸をすることは肩こり解消にもよいのです。また女性に多い冷え性は、自律神経のバランスが乱れていることに関連しているそう。
「冷え性の人の9割は交感神経が極端に高ぶって、血管が収縮しています。そのため、血流が悪くなっているのです。夏でも手足が冷たいという人はほぼ全員がこのタイプです。『長生き呼吸法』は血管を広げる副交感神経の働きを高めるので、自律神経のバランスが整って血流がよくなります」
むくみも同じようにカギを握るのは血流です。
「余分な水分や老廃物を回収するのも血液の役割ですから、血流をよくすることがむくみの解消につながります」
肩こり、冷え、むくみといったなんとなくの不調が出たら、ゆったりとした呼吸で自律神経を整えるようにするといいですね。
「長生き呼吸法」をアレンジ! 【肩こり解消呼吸】
首や肩にたまったこりをほぐしつつ、ゆっくりと「長生き呼吸」をします。 お風呂で体を温めながら行うと、さらに効果が上がります。
姿勢のポイント
◎ 背すじを伸ばして座る
◎ ひじを伸ばす
◎ 手首をクロスさせる
呼吸のポイント
◎ 首をゆっくり回しながら
◎ 6秒口から息を吐き、3秒鼻から息を吸う
◎ 逆回しもして1セット、計5セット行う
1時間に2万回以上もある呼吸。1日に何回かだけでもこの「長生き呼吸」を意識してみましょう。体のすみずみにエネルギーを送るイメージで行うと、ふ〜っと疲れや力みがなくなっていく感覚を得られると思います。
文/庄司真紀
参考書籍
『自律神経を整える「長生き呼吸法」』(アスコム)