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困ったいびきをなんとかしたい! 睡眠専門医が教える効果抜群「舌筋トレ」とセルフケアのポイント
Contents 目次
いびきの軽減に効果的な舌の筋トレ
年齢とともにいびきをかく人は増えますが、それは筋肉の衰えとも関係しています。最近の研究では、いびきの軽減に舌の筋トレが大きな効果があることがわかってきました。
「いびきの悩みを抱える皆さんに真っ先に実践していただきたいのが、舌の筋トレです。舌に適度な負荷をかけて筋肉の強化を促進してくれる動きです。一定期間継続すれば、かなりの確率でいびきの軽減をもたらしてくれるでしょう」(白濱先生)
2009年にはブラジルのサンパウロ医科大の睡眠研究チームが舌を中心とした口まわりのトレーニングを続けることがいびきの軽減につながることを突き止め、現在は医学的に効果が認められる行為であると認識されています。
【舌の筋トレ】
1 舌の前後運動
口を開けて舌を前に突き出して5秒キープ、引っ込めて5秒キープ(引っ込めるときは舌の先端を上の歯の裏にくっつけて、そのまま後ろに引っ張る感じで)を3セットくり返す。
2 舌の上下運動
口を開けて、舌を上あご(なるべく口蓋全体)に押しつけて10秒キープ、舌を下あご(口腔底)に押しつけて10秒キープを3セット。
3 舌の回転運動
口を閉じたまま口のなかでゆっくり舌をぐるっと回転させる(3回)。 舌で歯の表面と歯茎をなめまわす感じで行う。
4 舌、あごの運動
口を大きく開けて「あーいーうーえーおー」といいながら、顔と口の筋肉を大きく動かす。これを3回くり返す。(※舌やあごを痛めないように、無理のない範囲で行う)
5 ほおの運動
口を閉じてほおを大きく膨らませて5秒キープ、すぼめて5秒キープを3セットくり返す。
舌の筋肉が弱くなると、睡眠時に舌がのどの奥に落ちる舌根沈下という現象を起こしやすくなり、それにより気道が狭くなります。
気道の狭窄はいびきの大きな原因。舌の筋肉を鍛えることによって、舌根沈下を防ぐのが舌の筋トレです。就寝前などに舌の筋トレを日課にしましょう。
そのほか、若くてやせていても飲酒などの生活習慣が原因となり、女性でもいびきはひとごとではありません。また女性の場合は、閉経後、女性ホルモンの減少により急激にいびきをかきやすい体質になるそうです。
次はいびきを招きやすい生活習慣を解説! いくつ当てはまるかチェックしてみましょう。
肥満はいびきを連れてくる
いびきの原因のすべてが肥満にあるわけではないものの、太っている人が圧倒的にいびきをかきやすいのは事実。
「無理のないダイエットで、少しでも体を動かしたほうが、いびきの改善に結びつくことはたしかです。具体的にいうと、呼吸法を強く意識したヨガやピラティスがオススメ。これらは副交感神経を優位にし、心地よい眠りをもたらす働きをしてくれますので、寝る前に行うと効果的でしょう」(白濱先生)
お酒はいびきを引き寄せる
お酒は筋肉をゆるめる働きがあり、気道を狭くしたり、舌根沈下をもたらす原因になります。
「お酒の飲み過ぎはいびきの大敵です。お酒を大量に摂取すると、リラックスを通り越して筋肉が弛緩しきってしまうからです。首まわりの筋肉がゆるみ、のどの気道が狭まります。舌や口蓋垂(こうがいすい)の筋肉がゆるみ、舌根沈下が起こりやすくなります。そうなれば当然、ふだんいびきをかかない人でも、いびきをかいてしまう状態になるわけです。いびきをかきたくなければ、深酒、大酒はご法度。これを肝に銘じてください」
禁煙は、いびき卒業の近道
たばこはいびきにも深く関係しています。
「たばこがいびきを増幅させる原因は、睡眠中に体内のニコチン濃度が高まることにより鼻詰まりを起こし、口呼吸主体になってしまうため。たばこを吸わない人に比べ、日常的に吸う人のほうがいびきをかきやすいという研究結果がしっかりと出ています。そればかりか、喫煙者のまわりの人も、受動喫煙によって、いびきをかく確率が高まる傾向にあることが明らかになりました。家族のためにもたばこは極力控えましょう」
1994年にアメリカの研究チームが発表した、約800人を対象とした調査報告によると、喫煙者のほうがいびきをかく割合が2.29倍多かったそうです。さらに、たばこを吸う本数が多い人ほど、いびきをかきやすくなるというデータも。
いびきを常時かいている人はこのような生活習慣も見直すことが大切です。いびきが軽減されることで睡眠の質が上がり、生活も変わっていくはずです。
文/FYTTE編集部
参考書籍
『睡眠専門医が考案した いびきを自分で治す方法』(アスコム)