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スパイスに意外な効果? 13種のミックススパイスを「6g」とると…米国の研究でわかったこと

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ターメリックやシナモンなどのスパイス類

ジンジャーやシナモン、カレーでおなじみのターメリックなど、さまざまな効能が期待されているスパイス類。料理などでは数種類を混ぜて使う場合が多いものですが、このたび、脂肪や糖分の多い食事をとったときに、そのようなミックススパイスを一緒にとると、食後の体への負担を減らせるという報告がありました。

監修 : 星 良孝 <ステラ・メディックス>

ステラ・メディックス代表取締役社長 獣医師/ジャーナリスト
専門分野特化型のコンテンツ創出を事業として、医療や健康、食品、美容、アニマルヘルスの領域の執筆・編集・審査監修を担っている。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BP社において「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年に会社設立。YouTubeステラチャンネルでもヘルスケアの話題を発信。
YouTube:https://youtube.com/@stellach

Contents 目次

スパイスで健康的になる?

スパイス

肉や乳製品に多いとされる「飽和脂肪酸」、ご飯やパスタなどを作るための精製した炭水化物、砂糖がいっぱいの飲みものなど、体に悪いとわかっていても、食べ過ぎてしまうことも。もっとも、多くとるとやはり体には負担になります。体のなかでは免疫系が過度に働くようになって、炎症反応を起こすのです。この炎症反応が長引くと、メタボリックシンドロームと総称されるさまざまな病気につながり、心臓や血管の重い病気の入り口にもなります。

米国ペンシルベニア州立大学が着目したのは、さまざまなスパイスをブレンドしたミックススパイスの効能。ジンジャーやシナモンなど、単体では抗炎症作用が証明されているスパイスもあるのですが、複数を組み合わせた効果について調べたのです。

BMI 25〜35と体重が重めの12人を対象として、高脂肪および高炭水化物の食事(ココナッツ・チキン・カレー、コーン・マフィン、シナモン・ビスケット)をとってもらい、ミックススパイスを合計2gまたは6g、さらにこれらに調理に加えた場合と加えない場合とで、食後の血液の分析で調べた炎症反応を比べてみました。

ミックススパイスは炎症を抑える効果が報告されている13種です。その内訳はバジル、ベイリーフ(ローリエ)、ブラックペパー、シナモン、コリアンダー、クミン、ジンジャー、オレガノ、パセリ、レッドペパー、ローズマリー、タイム、ターメリック。

「6g」で効果あり

スパイスを使った料理

こうしてわかったのは6gのミックススパイスを加えた場合、加えなかった場合に比べて、食後の体内の炎症反応が減るということ。2gでは炎症反応を減らす効果は見られず、一定の量は必要であると想定されます。研究グループによると、スパイス類には多様な抗炎症作用が期待できるので、さまざまな種類をミックスすることで、1種類よりも相乗効果が得られるといいます。

スパイスを食事にとり入れると食欲も増進できるので、夏の疲れをとるにはうってつけですが、さらにメタボリックシンドロームのほか、心臓、血管の病気を避けられるならなおよし。炎症反応を抑えるだけに、体内を「クールダウン」できるともいえそうです。カレー、タイ料理、中華など、スパイスの効いたアジアの料理をさっそくいただきたいですね。

<参考文献>

Adding a variety of spice to food may benefit health
https://nutrition.org/adding-a-variety-of-spice-to-food-may-benefit-health/

Oh ES, Petersen KS, Kris-Etherton PM, Rogers CJ. Spices in a High-Saturated-Fat, High-Carbohydrate Meal Reduce Postprandial Proinflammatory Cytokine Secretion in Men with Overweight or Obesity: A 3-Period, Crossover, Randomized Controlled Trial. J Nutr. 2020;150(6):1600-1609. doi:10.1093/jn/nxaa063
https://academic.oup.com/jn/article/150/6/1600/5811497
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32211803/

Basu A. Spices in Meals: A Novel Approach to Cool Down Inflammation. J Nutr. 2020;150(6):1348-1349. doi:10.1093/jn/nxaa099
https://academic.oup.com/jn/article-abstract/150/6/1348/5818729?redirectedFrom=fulltext
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32275313/

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