自粛生活の影響もあって自宅で食事をとる人が増えていますが、そんななかで朝食に全粒粉入りのシリアルを食べている人も多いかもしれません。全粒粉やフルーツは朝食などにぴったり。おいしいだけではなく、体にもよいのが魅力。これまでもダイエットなどでの効果が示されてきましたが、最近の研究で糖尿病を防ぐ効果もありそうだと報告されたようです。
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フルーツや全粒粉は体にいい?
新型コロナウイルス感染症の影響で体重が増えたと悩んでいる人も少なくないようですが、体重が増えるにとどまらず、健康を害してしまう病気になるとさらに大問題です。たとえば、糖尿病。20~30代では無縁でも年齢を重ねると40代ごろから糖尿病やその予備群になる人は着実に増えていきます。このたび英国ケンブリッジ大学などの研究グループと米国ハーバード大学の研究グループがそれぞれ全粒粉とフルーツ、野菜を食べることの糖尿病予防効果を報告しました。
英国ケンブリッジ大学などの研究グループが明らかにしているのは、フルーツと野菜の糖尿病予防の効果についてです。確認したのは、フルーツや野菜を積極的に食べているグループでは、糖尿病のリスクが半減すること。1日のフルーツや野菜摂取量を66g増やすと、糖尿病のリスクが25%減少すると説明しています。わずかな量を増やすだけでも継続することで大きな効果が現れるようです。
オートミールやブラン、玄米、小麦胚芽が効果的
米国ハーバード大学の研究グループは全粒粉の摂取と糖尿病との関係について分析。全粒粉を積極的にとっている人は、糖尿病になるリスクが29%低くなることを確認しました。1日に全粒粉のシリアルや黒パンを1食以上食べるようにすることで、糖尿病は2割ほど低下すると説明しています。
摂取の頻度がそこまで高くない人でも、1週間に2食以上、オートミールやブラン、玄米、小麦胚芽をとっている人は、やはり糖尿病のリスクが低くなるとわかりました。ダイエットやフィットネスにはおなじみの食材ですが、さらによい効果として参考にしておくとよいかもしれません。
<参考文献>
Higher fruit, vegetable and whole grain intake linked to lower risk of diabetes
https://www.bmj.com/company/newsroom/higher-fruit-vegetable-and-whole-grain-intake-linked-to-lower-risk-of-diabetes/
Zheng JS, Sharp SJ, Imamura F, et al. Association of plasma biomarkers of fruit and vegetable intake with incident type 2 diabetes: EPIC-InterAct case-cohort study in eight European countries. BMJ. 2020;370:m2194. Published 2020 Jul 8. doi:10.1136/bmj.m2194
https://www.bmj.com/content/370/bmj.m2194
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32641421/
Hu Y, Ding M, Sampson L, et al. Intake of whole grain foods and risk of type 2 diabetes: results from three prospective cohort studies. BMJ. 2020;370:m2206. Published 2020 Jul 8. doi:10.1136/bmj.m2206
https://www.bmj.com/content/370/bmj.m2206
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32641435/