9月に入ると朝夕はすずしく日中は暑いという日も増えてきます。さらに、冷房の効いた部屋に長時間いることで、体に疲れがたまり、「プチ不調」が起きていませんか? そんなときはアロマテラピーを活用して体の調子を整えましょう! アロマテラピーでおうち時間を充実させる方法をご紹介する企画、今回は冷えや頭痛などのプチ不調の解消に役立つアロマオイルとその使い方をアロマライフデザイナーの小田ゆきさんにお聞きしました。
Contents 目次
香りを味方に! 夏終わりのプチ不調をアロマでケアしよう
夏の屋外では蒸し暑さにさらされ、室内に入れば冷房で体が冷やされる…。さらに、日中と朝夕の寒暖差によって、体の疲労感や不調に悩まされていませんか?
アロマテラピーは心身の両面に働きかけるため、体の疲れや冷え、軽い頭痛など、「プチ不調」を解消するのにも役立つ健康法なのです。この時期に乱れがちな自律神経のバランスを整え、血行をよくする作用のあるアロマオイルをご紹介しますので、香りの力をとり入れて心身のバランスをとり戻しましょう!
「体の調子が今ひとつだな…」と感じるときは、自分の好きな香りのアロマオイルを選んで、心地よい香りに癒されながらアロマテラピーを楽しんでみてくださいね。
体の冷えが気になるときは?
●オレンジスイート
●レモン
●レモングラス
体の冷えには柑橘系の香りを選びましょう。柑橘系の香りには共通して血行を促す作用が期待できます。甘い香りならオレンジスイート、爽やかな香りならレモンやレモングラスなど、お好みの柑橘系の香りを見つけてくださいね。
ただし、柑橘系のアロマオイルは肌への刺激が強いため、少量での使用(ベースオイル30mlに対して1〜3滴)がおすすめです。また、レモンやベルガモット、グレープフルーツなど光毒性があるアロマオイルは、外出前や外出中など、日光にあたる部分に使うのは避けるか、光毒性の原因成分を除いたFCF(フロクマリンフリー)というタイプを選びましょう。
※レモングラスは柑橘類ではなくイネ科の植物ですが、その名の通りレモンのような柑橘系の香りがします。
●ヒノキ
ヒノキは日本特産の和のアロマオイル。日本人になじみが深いウッディ系の安らぐ香りです。ヒノキには体の巡りをよくする働きがあるので、入浴時にとり入れれば、まさにヒノキ風呂のような気分を味わいながら体を温めることができます。
アロマオイルは原液のまま肌にふれると刺激になるので、直接湯船に入れることはせず、後でご紹介するアロマボディオイルを入れるようにしましょう。ヒノキは肌への刺激が強いため、少量での使用(ベースオイル30mlに対して1〜3滴)がおすすめです。
●マジョラム
マジョラムは料理のスパイスにも使われるハーブです。温かみのあるスパイシーな香りには、血管を拡張し血流を促す作用があります。ストレスをため込むと筋肉が緊張し血行不良になりやすくなるので、ストレスを感じたときに使いたいアロマオイルのひとつです。
●ラベンダー
真正ラベンダーは自律神経のバランスを整え、冷えを解消する手助けになります。さまざまな不調に役立つ万能なアロマオイルで刺激も少ないため、子どもや高齢者の人に使いたいときは、真正ラベンダーを選ぶと安心です。
一般的にラベンダーのアロマオイルと言うと「真正ラベンダー」のことを指します。ラベンダーは種類が多いので、ラベルなどの表示で真正ラベンダー(学名: Lavandula angustifolia(Lavandula officinalis) )であることを確認しましょう。
ツライ頭痛を和らげたいときは?
●ラベンダー
甘くやさしい香りの真正ラベンダーは、緊張やこりをほぐし痛みを和らげるのが得意なアロマオイルです。冷えをはじめ、いろいろな体の不調に役立つ万能なアロマオイルですが、頭痛の緩和にも力を発揮してくれます。
ストレスや気象病など、頭痛が起きる原因はさまざまですが、真正ラベンダーは心身の緊張をゆるめてリラックスを促すので、ストレスをため込みやすい人や、長時間のデスクワークが多い人におすすめです。
●ペパーミント
ペパーミントのすっきりとした香りはリフレッシュ効果がバツグン。痛みや炎症をしずめる作用があることからも、頭痛ケアによく用いられる定番のアロマオイルです。ラベンダーと一緒にブレンドして使えば、香りがマイルドになり、相乗効果も期待できますよ。
ただし、ペパーミントは香りや刺激が強いため、使用量は控えめ(ベースオイル30mlに対して1、2滴)にしましょう。小さな子どもや妊娠中、高齢者への使用は控えるのが安心です。
●マジョラム
冷えを伴う頭痛にはマジョラムを使うとよいでしょう。スパイシーで温かみのある香りが心身をリラックスさせ、血行をよくする作用や体を温める働きにより冷えや頭痛を和らげてくれます。
ツラい部分に塗るだけ! 簡単アロマボディオイルの作り方
香りをかぐだけでも温かさを感じたり、頭がすっきりする感覚が得られますが、冷えや頭痛など体の不調を効果的にケアしたいときは、トリートメントでとり入れるのがおすすめです。
植物オイルにアロマオイルを混ぜてボディオイルを作り、肌に塗ってみましょう。芳香成分が肌からも浸透することで、血行やリンパの流れを促したり、筋肉のこりを和らげるなど、心身へのより高い効果が期待できます。
ここでは、簡単に作れるアロマボディオイルでのオイルトリートメントの方法をご紹介します!
【準備するもの】
・アロマオイル:1滴
・ホホバオイル※:5ml
・小皿など作ったボディオイルを入れる容器
※酸化しにくく扱いやすいホホバオイルがおすすめですが、それ以外にスイートアーモンドオイルや薬局で手に入るオリーブ油などでもOKです。
【作り方】
小皿などにホホバオイルを5ml入れ、アロマオイルを1滴加えてよく混ぜれば完成です。
アロマオイルの使用量は、ベースオイル5mlに対しアロマオイル1滴が目安です。多めに作りたいときは、その割合を守って量を増やしましょう。敏感肌の人は、ホホバオイル10mlに対しアロマオイル1滴にするなど、濃度を薄めに調節しましょう。
【使い方】
・冷えが気になるときには、お風呂上がりや寝る前に使うのが効果的。マッサージするように脚や手など体になじませます。
・頭痛がツラいときには、こめかみや首すじなど痛みやコリが気になるところに直接塗って、やさしくなじませます。
・バスオイルとして使うときは、お風呂に入れてよくかき混ぜてから入浴します。
香りのプロが実践! プチ不調を感じたときのアロマ活用法
「体が冷えてなかなか寝つけない」という人は、先ほどご紹介したアロマボディオイルを、足浴時のお湯に入れて使う足浴(足湯)をとり入れてみるのもおすすめです。
その場合は、先に紹介しているアロマボディオイルを足浴時のお湯に入れて使うかたちになります。
「私は疲れがツラいときにアロマボディオイルをお風呂上がりの体につけていますが、全身がいい香りに包まれて、寝つきがとてもよくなるのを実感しています」(小田さん)
また、アロマテラピーは香りの即効性があるのも魅力のひとつです。体調が悪くなりそうなとき、ツラいと感じたときには、アロマオイルをティッシュやコットンにつけて香りをかいでみてください。すぐに体がラクになるのを実感できるはずです。夏の疲れや不調はアロマの香りで癒されながら、やさしくケアしてくださいね。
※アロマテラピーは心身によい影響を与えてくれますが、医療や医薬品に代わるものではありません。健康状態が気になる場合は医療機関を受診しましょう。
取材・文/ 牧内夕子