たんぱく質は体を形づくる基本的な栄養素。筋肉や血液ばかりではなく、さまざまなホルンもたんぱく質からできています。だからこそ、日々の食事からしっかりとたんぱく質を摂取することが大切。海外の研究での分析がこのほど報告され、同じたんぱく質でも植物由来が高評価との結果が出ています。ふだんの食事を考える参考になりそうです。
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どんなたんぱく質が理想的?
ダイエットに取り組んでいても、栄養が欠乏してしまうのは避けたいところ。体の基礎をつくる栄養素のひとつがたんぱく質です。そもそもたんぱく質は20種類あるアミノ酸がつながったもの。そのアミノ酸が体の“部品”になると考えられており、アミノ酸が足りなくなると、体にさまざまな支障が出てしまいます。そんなたんぱく質は肉や魚のほか、野菜、穀物など幅広い食材に含まれています。どの食品から摂取するのがベストなのでしょうか?
このたびイランのテヘラン医科大学や米国のハーバード大学による国際研究グループが、食事から摂取するたんぱく質全体、さらに動物性たんぱく質と植物性たんぱく質の違いにも着目して、健康全般への影響がどのように違うのかを、過去の研究から分析しています。摂取するたんぱく質によって、心臓病やがんによる死亡率などに及ぼす影響を調べたのです。
たんぱく質のとり方でその後の健康に違い?
ここからわかったのは、たんぱく質のとり方によって死亡率に違いがあるという意外な事実でした。
そもそもたんぱく質を豊富にとることで、死亡率は低下することがわかったのですが、特にこうした影響は植物性たんぱく質で見られ、植物性たんぱく質を多く摂取している場合、死亡率が低くなるという結果に。植物性たんぱく質から摂取するエネルギーが3%増えるごとに死亡率が5%下がるという関係で、効果は小さくありませんでした。
疾患との関係で見ると、植物性たんぱく質をとっている場合は、心臓循環器病による死亡率が低下。ただし、がんによる死亡率との関連は見出されませんでした。
たんぱく質全体及び動物性たんぱく質の摂取量と、がんや心臓循環器病による死亡率との間に関連は見出されませんでした。
ふだんの食事に植物性たんぱく質が豊富に含まれる大豆製品などをとり入れる工夫をするのは、思った以上の健康への効果をもたらしてくれるのかもしれません。
<参考文献>
Naghshi S, Sadeghi O, Willett WC, Esmaillzadeh A. Dietary intake of total, animal, and plant proteins and risk of all cause, cardiovascular, and cancer mortality: systematic review and dose-response meta-analysis of prospective cohort studies. BMJ. 2020;370:m2412. Published 2020 Jul 22. doi:10.1136/bmj.m2412
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32699048/