体重計にのるのが憂うつという人もいるかもしれません。暴飲暴食のつもりもないのに数字だけ高止まりして減る気配を見せない−。このたび海外の研究から、体重が重いと寿命も縮むという報告がありました。体重の悩みがあるならば、放置はやっぱり禁物。ダイエットに取り組むのは意味がありそうです。
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ダイエットの効果とは?
ダイエットはボディメイクのためだけではなく、将来の健康のためにも欠かせないと考えると、一石二鳥と受け止めることができるでしょう。肥満になれば、さまざまな病気につながることがはっきりしているからです。メタボリックシンドロームというのは、内臓脂肪が多すぎたり、血圧やコレステロール、血糖値が高すぎたりする場合のことですが、この状態に陥ると、心筋梗塞や脳卒中などの重い病気の危険性が高まることが問題視されています。
このたび米国ボストン大学などの研究グループは、20代のころから中年期までの間に肥満から脱することに成功した場合に、その人の寿命にどういった影響が出てくるのかを分析しました。2万4205人の追跡調査の結果を分析したもので、肥満(BMI30以上)から太り気味(BMIが25以上、30未満)という程度まで体重を減らした場合のその後を10.7年にわたって調べています。
体重が重いとどういう問題がある?
ここからわかったのは、肥満を脱した場合、そのまま肥満だった人と比べると、死亡率が54%も減少するという結果です。若くして亡くなるリスクが3.2%減らせたと計算しています。BMIが正常な人から比べると、若くして亡くなるケースの12.5%くらいは肥満による結果ではないかと研究グループは指摘しています。
運動や食事によるダイエットに取り組むのは、そのときの健康や美容ばかりではなく、ずっと先の健康にも関連する可能性があるようです。体重を増やさないように、肥満であれば、やせることを心がけることがますます大事だといえるでしょう。
<参考文献>
Weight between Young Adulthood and Midlife Linked to Mortality
https://www.bu.edu/sph/2020/08/14/weight-between-young-adulthood-and-midlife-linked-to-mortality/
Xie W, Lundberg DJ, Collins JM, et al. Association of Weight Loss Between Early Adulthood and Midlife With All-Cause Mortality Risk in the US. JAMA Netw Open. 2020;3(8):e2013448. Published 2020 Aug 3. doi:10.1001/jamanetworkopen.2020.13448
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2769426
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32797174/