夏が終わり、感染症のリスクが高まる季節はもう目の前! 免疫力を上げるために、納豆やヨーグルトなどの発酵食品を積極的にとり入れている人も多いでしょう。発酵食品で腸内環境を改善するのも大切ですが、最近注目を集めているのが“体内発酵”。免疫力UPを期待でき、加えてダイエット効果も期待できると注目をあびています。そこで体内発酵の仕組みと、ぜひ摂取したい身近な食品について、専門家に教えていただきました。
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発酵食品より効果を期待できる!? “体内発酵”を知ろう
そもそも“発酵”とは、乳酸菌や酵母といった微生物の働きにより、人間にとって有益な物質が生み出されること。例えば牛乳に乳酸菌を加えると、糖を分解して乳酸を生み出し、ヨーグルトとなります。こうした発酵食品を摂取すると、腸内フローラが善玉菌優位な環境に整えられ、免疫力アップにつながります。
一方の“体内発酵”とは、文字通りお腹(大腸)の中で発酵が起こること。私たちの腸内には、1,000種類以上40兆個以上もの細菌が存在していますが、細菌たちはエサがないと活発に働いてくれません。腸内細菌の中で、善玉菌のエサになるのが、キウイ、根菜、海藻類などに多く含まれている水溶性食物繊維。善玉菌が水溶性食物繊維を食べることで、“短鎖脂肪酸”と呼ばれるスーパー物質が生まれるのです。
短鎖脂肪酸は血管から全身をめぐり、免疫力向上に加えて抗炎症作用、全身のエネルギー源、やせ体質に導くなど、さまざまな健康効果を発揮することがわかっています。
免疫力UPとダイエットが同時に期待できるのは、うれしいですね。
おすすめの食材は、玉ねぎ・ごぼう・にんにく
先述したように、体内発酵を起こすためにはキウイ、根菜、海藻類などの水溶性食物繊維を摂取することが必要です。水溶性食物繊維のなかで、とくに注目を集めているのは植物由来の“イヌリン”。大腸内で善玉菌に発酵されやすく、 “短鎖脂肪酸”の産生量も多いため、“体内発酵”を活発にしてくれます。
イヌリンが多く含まれている食品は、玉ねぎ、にんにく、ごぼうなど。どれも身近な食材なので、ふだんの食事にとり入れてみましょう。また、近年はサプリメントのほかに飲料、お菓子、パン、乳製品などさまざまな食品にも配合されています。
ダイエットをするうえでも、まずは自身が健康であることがいちばん。体内発酵を意識して、免疫力UPとダイエットを同時に目指しましょう!
<体内発酵について教えていただいた専門家>
森田英利先生
岡山大学大学院 環境生命科学研究科 教授
<発酵食品について教えていただいた専門家>
藤本倫子先生
日本発酵文化株式会社 常務取締役/ 発酵マイスター・プロフェッショナル