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疲労回復に効果的なサプリメントって? 覚えておきたい成分は「クエン酸」「グルタミン」

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疲労回復に効果的なサプリメントって? 覚えておきたい成分は「クエン酸」「グルタミン」

日々、がんばらなくてはいけないことに追われて肉体的にも精神的にも疲れを感じる瞬間は誰しもあるはず。ですが、「最近ずっと疲れがぬけないな」とお悩みの人は、疲労回復に効果的なサプリメントや成分を意識的に摂取するのもひとつの手。忙しい現代人が抱える疲労や体調不良の悩みに効果的なサプリメントを、コンディショニングスペシャリストの桑原弘樹さんに伺いました。

監修 : 桑原 弘樹 (コンディショニングトレーナー)

〈桑原塾〉主宰。100名以上のトップアスリートやモデルなどにコンディショニングやボディメイク指導を行うほか、15年以上にわたってスポーツ・サプリメントの開発にも携わる。著書『サプリメント健康バイブル』(学研プラス)など多数。
桑原塾

Contents 目次

そもそも、サプリメントとはなにか?

多くの人がサプリメントの存在を認識していて、なかには使用している人もいるかと思いますが、いざ、サプリメントって何?と聞かれると困ってしまうのではないでしょうか。

「サプリメントは日本語で、栄養補助食品などと訳されることが多いのですが、この名称には2つポイントがあります。ひとつは『補助する』という点です。
補助するということは、補助されるものがあるということです。それが栄養であり、食事です。つまり、通常は食事で賄う栄養素の足りない面を補助するものがサプリメントです。ですから、最低限の食事の充実は必要です。
もうひとつのポイントは『食品』であるという点です。形状としては医薬品のようなものもありますが、日本国内で販売されているサプリメントはすべて食品です。食品ですから、飲み方や使い方に厳密なルールが存在しません。また効果・効能を謳うこともできません。(※特定保健用食品、機能性表示食品の一部を除く)。簡単に言えば、決まりがないから安心して使えるけど、決まりがないからこそ使い方がわかりにくいといった印象になるかもしれません。よくも悪くも、これがサプリメントです」(桑原さん)

疲労回復にはアミノ酸の摂取が効果的

薬ではないサプリメントだからこそ、ちょっとした体調不良や、日頃の疲れなどに効果的なものがあれば知りたいですよね。

「体調不良や疲れというのは漠然とした感覚で、実際にはその原因によって対処法は変わってきます。まずは何が原因で体調がすぐれないのかを自分でチェックしてみる必要があります。寝不足が続いている、残業で毎晩帰るのが遅い、運動不足など、何かしら心当たりはあるでしょう。中には慢性的な状態になってしまい、昨日今日では思い当たらないという人もいるかもしれません。そういった場合も、少し長めのスパンで自分のライフスタイルを振り返ってみて下さい。栄養素で解決できるものもあるでしょうし、運動やそのほかの方法が効果的な場合もあります。そういったなかで、あらゆる状態に効果が期待できる代表的な栄養素(成分)を挙げるならば、『グルタミン』です」

「体は20種類のアミノ酸が材料として含まれていますが、体内に最も多いアミノ酸がグルタミンです。グルタミンは体内で合成できるアミノ酸(非必須アミノ酸)であり、体内にたくさん含まれていて、かつ作ることもできると考えると、外部からとる重要度は低いと思われるかもしれません。
しかし逆に考えてみて下さい。なぜ体内にたくさんあるのか、なぜ体内で合成できるのか。つまり、それだけ消耗度が激しく、そして重要だからこそ、体内で合成化できるようになっているということです。グルタミンは『コンディショニングのアミノ酸』などと呼ばれることもあり、免疫反応での重要な役割を担っています。
だいぶ前になりますが、免疫細胞の培養にグルタミンが必要であることが発見されていて、その免疫細胞の多くは腸内(腸管)に集まっています。グルタミンは小腸が唯一エネルギーとして使える栄養素なのです。
ただし、グルタミンの消耗度は想像以上に激しく、たっぷりあるからといって油断していると、体内での合成や一般の食事からの摂取では追いつかないという状況も生まれてきます。そのため、サプリメントを利用すると効率的に摂取が可能に。グルタミンというアミノ酸は、覚えていて損のない栄養素です」

形だけ見れば薬のように思えるサプリメントですが、食品という意識を持てば、使いやすさも増すのでは。なかでも、体内で重要な役割を担う「グルタミン」は、この機会に覚えておきたいですね!

さて、疲労回復といえば、ほかにもすっぱいもの…疲れたときに「クエン酸」をとるといい、なんて耳にしたことがありませんか? クエン酸にはどのような働きがあるのでしょう。

クエン酸がもつ5つの働き

クエン酸は、梅干しやレモンなどに含まれているすっぱい成分で、有機化合物とも呼ばれるものです。疲れたときに、積極的に摂取するように心がけている人も多いはず。そんなクエン酸ですが、桑原さんによると重要な5つの働きがあるのだそう。

<1>体内を弱酸性にして疲労を回復させる
「クエン酸は、酸味があるから酸性というイメージが強いかもしれませんが、じつは体内ではアルカリ性になります。つまり梅干しやレモンは、アルカリ食品なのです。人間の体にとっていちばん心地がいい状態は弱酸性。ですが、例えば食事で脂っこいものをたくさん食べると、体はどんどん強酸性に傾いてしまいます。こうなると、体内の疲労もどんどん進行することに。そこでアルカリ性のクエン酸を摂取することで、強酸性になってしまった体内を弱酸性に戻すことができるのです」(桑原さん)

<2>エネルギーが作られやすくなる
「糖質や脂質をうまくとっていれば、それらは体内で分解されて、最終的にはエネルギーに変わります。その途中にクエン酸回路という場所があり、摂取した糖質や脂質はここで一度クエン酸へと変換されます。つまりクエン酸はエネルギーの中心的な中間代謝物。クエン酸が足りないということは、エネルギーの材料が足りないということなのです。トレーニングやスポーツをするときなど、とくに体を動かすときは、筋肉内のクエン酸合成酵素が活性化されていきます」

<3>乳酸をとり除く
「『乳酸=疲労物質』というイメージがある人もいるかもしれませんが、厳密には違います。糖質は体内に入ると、分解されて最終的にエネルギーになるのですが、その途中にはピルビン酸という分かれ道があります。糖質がスムーズにエネルギーへと変換されていかないとき、このピルビン酸を分岐点として一時的に乳酸という形で糖質を保存しておくわけです。つまり乳酸はエネルギーへと進む道が渋滞したときに、一時保管場所のような役割をします。従ってしばらく時間が経てば、またエネルギーへと変換されていくのです。乳酸は決して悪者ではありませんが、乳酸が体内にたまると体は強酸性に傾いてしまいます。それはつまり体に疲労がたまっている状態。パフォーマンスを落としたくなければ、乳酸をためないことが大切です。
クエン酸を飲むとクエン酸回路のクエン酸が十二分に満たされるため、糖質と脂質からのクエン酸となる材料補給のスピードが少し落ちます。そのぶん、一次保存されていた乳酸が優先的にエネルギー源として使われるように。つまり乳酸が処理されやすくなるのです」

<4>精神的疲労にも効果的
「クエン酸を摂取すると単純作業などの際の精神的疲労の軽減にも効果があるという研究データが出ています。
トレーニングをするときにクエン酸を飲むのもいいですが、それ以外のとき、例えばデスクワークの合間に飲むのもおすすめです。もしかしたら、いつもより疲れを感じにくくなるかもしれませんよ

<5>グリコーゲンの蓄積を促進する
「糖質は体内でグリコーゲンという形で、主に肝臓と筋肉の中に蓄えられています。クエン酸と糖質をセットでとることで吸収効率もアップ。筋肉内にあるグリコーゲンは筋肉を動かすために、肝臓内にあるものは血糖値を維持する働きを持っています。グリコーゲンは体のエネルギーの主役なのです」

クエン酸は、肉体的疲労と精神的疲労どちらにも有効な働きをする成分ということがわかりました。「なんだかずっと疲れてる…」という人は、グルタミンやクエン酸など、サプリメントや食品からじょうずに摂取することで、運動後の疲れやデスクワークや家事の疲れなど、ケアをしてみてはいかがでしょうか。

文/FYTTE編集部

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