夕食のときに、お酒を飲むのが毎日の楽しみな人も少なくないはず。寝酒をすると熟睡できないとも聞くから、ガマンして晩酌の習慣は止めるべき?
生活習慣改善サロン「Flura」を主宰する小林麻利子さんにうかがう、【睡眠のお悩み解決】。今回は、快眠できる上手なお酒の飲み方を教わります。
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夜ごはんにはいつも、ガンバった自分へのごほうびにビールを1缶! でも、ときどき目覚めの悪い日もあって、やっぱりお酒は快眠のためによくない?
小林先生のお答え
夕食のときの晩酌は、時間と量に気をつければOK。
寝る時刻から4時間前までに
夕食のときに晩酌をするくらいであれば、睡眠の質に大きな影響はありません。
ただ、お酒を飲むどうかは別として、大切なのは夕食をとる時間です。なにかを食べて体が消化活動をするのは、就寝時刻から4時間ほど前までがベストだと考えています。
とはいえ、食べる量によっても異なるので、目安は朝、目が覚めたときにお腹が空いているかどうか。帰りが遅くて就寝3時間前にしか食べられない人は、量を少なめにして、翌朝ちゃんとお腹が空いていたらOKです。足りない分は早めの間食で補いましょう。
まずはこうして、“正しい時間”に夕食をとる上で、例えば一緒にビールやワインを1、2杯たしなむくらいならいいと思います。ベロンベロンになるまで飲むのが論外なのは、おわかりですね。
寝起きの悪さは、日中の過ごし方かも
食事の時間が遅くなったり、たくさん飲んだりしていないのに、体がダルくて寝起きが悪い日があるのは、お酒のせいというより、睡眠の質そのものが悪いのでは。
よく眠るための“正しい入浴”をしていますか? 40℃のお湯に15分浸かって、季節にもよりますが就寝の1時間前に上がるのが基本です。また、体内時計のリズムを整えるために、午前中に太陽の光をしっかり浴びて、夕方19時前後には軽く体を動かしましょう。
もし、仕事などで強いストレスを感じていたら、交感神経が高くなって眠りの質がかなり悪くなります。ときどき耳をクルクル回したり、深呼吸をして心を落ち着かせて、1時間に1回はデスクを離れて休憩してください。
よく眠るためには、寝る前だけでなく、日中の過ごし方も気をつけることが大切です。
たくさん飲んで帰ってきたら入浴NG
ほどほどの晩酌であれば、入浴にも睡眠にも問題はありませんが、けっこう飲んで帰ってきたあとは、危ないのでお風呂に入らないでください。入浴中に亡くなる人の数は、交通事故死より多いのです。入浴のかわりに、温かい湯で手を洗ったり、足湯をしたり、せめて末端の手足を温かくしてから休むことをオススメします。
とはいえ、楽しい飲み会でたっぷり飲んだら、交感神経がバリバリ刺激を受けているので、夜中に目が覚めたり、トイレに行きたくなったりして、朝の目覚めは相当悪いはずです。
よく金曜日は毎週のように飲みに出かけて夜更かしして、週末は自然と遅寝遅起きになっている人がいます。そうすると、体内時計が正しいリズムを取り戻すのに水曜日までかかってしまいます。一方で、水曜の午後あたりから疲労が蓄積してきて、木曜、金曜日はヘトヘトの状態です。それなのに、金曜の夜にまた飲んで夜更かしして、体内時計のリズムを崩すと、ずーっとしんどい状態が続くことになるのです。
新型コロナウイルスが蔓延して、いっそう健康のありがたさを感じる今だからこそ、そうした過ごし方はそろそろ見直したほうがよいのでは? お酒はほどほどに楽しむのがいちばんです。
取材・文/宮下二葉