新型コロナウイルス感染症は8月に大きく増加し、再びやや減少していますが、秋冬の流行が依然として警戒されています。マスク着用や互いに距離をとるソーシャルディスタンスは定着しました。新たに発表された研究によると、ソーシャルディスタンスやマスクがたしかに感染を防ぐために有効だそう。日常の対策は大切といえそうです。
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ソーシャルディスタンスやマスクで感染は減らせる?
ソーシャルディスタンスは店舗で列をつくったり、飲食店で食事をしたり、あらゆる場面で当たり前になった感があります。街で行き交う人は誰もがマスクを着用するようになりました。新型コロナウイルスの感染者は世界的に増加の一途をたどっていますが、日本では一定の水準で抑えられているとも見られ、マスク着用やソーシャルディスタンスなどの対応が功を奏しているのではとも考えられます。
このたび米国ジョンズホプキンス大学の研究グループが、ソーシャルディスタンスを含む薬に頼らない対応が、感染症の拡大を抑えるためにどれくらい有効であるのかを分析しました。1030人を対象としてこうした取り組みと新型コロナウイルスの陽性判定との間に関係あるかを調べたのです。
ソーシャルディスタンスで感染を防ぐ
こここから見えてきたのが、ソーシャルディスタンスなどの対応をとることでたしかに感染を防ぐ可能性が高まるということ。対象者のなかで、新型コロナウイルスの検査で陽性となったことを報告したのは55人でしたが、移動の頻度が多いことが、陽性となることと強い関連があることが確認されました。
逆に、ソーシャルディスタンスを徹底していた場合には、陽性となる可能性が10%程度になることがわかりました。公共交通機関を2週間の間に7回以上利用していた場合には、使っていない場合よりも陽性となる可能性が4.3倍に。教会などへの礼拝に2週間で3回以上参加していた場合には参加しない場合の16倍となっていたのです。研究グループはソーシャルディスタンスが有効だと指摘しており、日本でも参考にできそうです。
<参考文献>
COVID-19 Study Links Strict Social Distancing to Much Lower Chance of Infection
https://www.jhsph.edu/news/news-releases/2020/covid-19-study-links-strict-social-distancing-to-much-lower-chance-of-infection.html
Clipman SJ, Wesolowski AP, Gibson DG, et al. Rapid real-time tracking of non-pharmaceutical interventions and their association with SARS-CoV-2 positivity: The COVID-19 Pandemic Pulse Study [published online ahead of print, 2020 Sep 2]. Clin Infect Dis. 2020;ciaa1313. doi:10.1093/cid/ciaa1313
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32877921/