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糖質制限ダイエットは腸の“デブ菌”を増やす!? ドクターが教える! 「やせ腸」になるための食生活
腸内には善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類がいて、その日和見菌のなかにいわゆる“やせ菌”と“デブ菌”が存在します。「やせ菌が脂肪燃焼するなど体をやせやすい状態へ導く一方、デブ菌は脂肪や糖をため込む性質をもっています」と医師の工藤孝文先生。今回は工藤先生の『 “デブ腸”を“やせ腸”に変える50の法則』から、やせ腸に変わる食べ方について見ていきましょう。
Contents 目次
糖質制限するときは…
【×デブ腸】 徹底的に糖質をシャットアウト
【◯やせ腸】 ご飯の代わりに玄米やオートミールを食べる
主食を抜いておかずだけ食べる糖質制限ダイエットは、腸内環境によくないことが知られるようになってきました。
「主食を食べない糖質制限ダイエットは“デブ菌”を増やしかねません。炭水化物を避けると腸内細菌のエサとなる食物繊維の摂取量も減り、腸内環境が悪化してしまうからです。完全に断つのではなく血糖値が上がりにくい主食を選んで食べるよう工夫しましょう。白米よりも食物繊維含有量の多い玄米やオートミールがオススメです」(工藤先生)
ダイエット中に甘味がほしいときは…
【×デブ腸】 低カロリーなのにしっかり甘い人工甘味料に頼る
【◯やせ腸】 砂糖からオリゴ糖に切り替える
人工甘味料に頼りすぎると、もっと甘いものがほしくなったりして、結果的にダイエット失敗の危険もあり得ます。甘みがほしいときは“オリゴ糖”を選んでみて。
「オリゴ糖とは玉ねぎや豆類などに含まれる糖の一種で、砂糖替わりに使うことができます。うれしいのは消化されず腸に届き、やせ菌のエサになってくれる点。上白糖が1kg約4kcalなのに対して、オリゴ糖は2〜3kcalと低カロリーなのもダイエット向き。とり過ぎは厳禁ですが、甘味を楽しみつつ腸内環境をよくすることができます」
オリゴ糖には、フラクトオリゴ糖や大豆オリゴ糖、ラフィノース、ガラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖などさまざまな種類があるので、自分に合うオリゴ糖を選んで摂取しましょう。
食後のデザートは…
【×デブ腸】 スイーツやフルーツを食べるのが習慣
【◯やせ腸】 ガムを噛んでいるうちに満足しちゃう
甘いものの食べ過ぎは、 カロリー過剰になるだけでなく、デブ菌を増やす原因になります。
「幸せホルモン『セロトニン』が不足すると、満腹でも甘いものがほしくなります。甘いものの食べ過ぎはデブ菌を増やす原因。セロトニンは同じリズムで刻む動きで分泌できるので、デザートの前にガムを噛んで満足感を脳に伝え、デブ菌増殖をストップさせましょう」
腸内に“やせ菌”が増えれば、多少食べても太りにくい体質になります。
“デブ菌”は人類が飢餓と闘ってきた長い歴史のなかで、少ない栄養でも生き延びてきた功労者でもあるのだそう。やせ菌は食物繊維を好み、デブ菌は脂肪や糖質を好みます。食事に気をつけて善玉菌を増やすことで“やせ腸”をつくっていきましょう。
もっと「やせ腸」になるコツを知りたい人はこちらをチェック!
『医師が教える“デブ腸”を“やせ腸”に変える50の法則』(学研プラス)
工藤孝文(著)
福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。帰国後、大学病院などを経て、現在は工藤内科副院長。糖尿病・ダイエット治療、漢方治療を専門とし、NHK「ガッテン!」ほかTVや雑誌などでの指導も多数。
工藤あき(監修)
医師。消化器内科医として、腸内細菌・腸内フローラに精通、腸活×菌活を活かしたダイエット、美肌、エイジングケア治療に力を注いでいる。NHK「ひるまえほっと」ほかテレビや雑誌でも活躍。日本内科学会認定医。
文/庄司真紀