昼寝をすると、仕事の効率が上がると実感する人も少なくないかもしれません。実際に、研究からも恩恵を受けられそうだとわかってきており、健康全般にもよい可能性も指摘されています。一方で、そんな昼寝でも時間が長すぎると、デメリットもあるようだとの報告が。休憩のとり方を考えるうえで参考にするとよいかもしれません。
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どれくらいの休憩ならばいい?
昼食後にちょっと昼寝すれば、仕事や勉強の能率が上がるし、最近の研究では、短い時間であっても美容と健康によさそうだと、わかってきました。さらには、健康全般にとっても昼寝は恩恵が。脳をはじめ、心臓血管の健康との関係についても効能がありそうだとされています。
そうしたなか、中国の広州医科大学の研究グループが、医学論文のデータベースを分析して、昼寝と心臓および血管の病気、さらには死亡との関連性について調べてみました。分析した研究20件の参加者は合計31万人以上。約58%が女性で、40%近くが昼寝をしているという状況で、昼寝をしているか否かによる健康への影響を算出したのです。
健康につながるのは短い昼寝
分析から浮かび上がったのが、短い昼寝によってのみ健康につながりそうだということ。60分より短い場合、心臓や血管の病気になるリスクはほとんど増えずに、30分未満の場合にはリスクが下がるとわかりました。
一方で、昼寝が60分よりも長いと、心臓や血管の病気になるリスクが34%、死亡するリスクが30%高くなっていたのです。より細かく見ると、夜の睡眠時間との関連性もあるようで、グループ分けしたところ、夜に6時間より長く眠っている人の場合、昼寝の時間も1時間を超えていると死亡リスクが上がるという結果に。1日の間で寝ている時間が長いと、問題になる可能性があるようです。
研究グループによると、30〜90分の昼寝は脳によい影響がある一方で、それ以上長いと逆に認知機能に悪影響が出てくるという高齢者の研究結果もあるよう。昼寝するならほどほどでとどめるのが賢明なようです。
<参考文献>
Long naps may be bad for health
https://www.escardio.org/The-ESC/Press-Office/Press-releases/Long-naps-may-be-bad-for-health
The association between napping and the risk of cardiovascular disease and all-cause mortality: a systematic review and dose-response meta-analysis
Z Pan, M Huang, J Huang, Z Yao. European Heart Journal, Volume 41, Issue Supplement_2, November 2020, ehaa946.2818, https://doi.org/10.1093/ehjci/ehaa946.2818
Published: 25 November 2020
https://academic.oup.com/eurheartj/article/41/Supplement_2/ehaa946.2818/6003509
Can a Nap Boost Brain Health?
https://www.hopkinsmedicine.org/health/wellness-and-prevention/can-a-nap-boost-brain-health