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日々の移動手段として便利な自転車。ダイエットのために自転車やエアロバイクに乗っている人も多いでしょう。前回、“疲れないカラダ”のメソッドをお伝えしましたが、自転車にも、体に負担をかけず、体力づくりに役立つ、正しい乗り方があります。今回は、メディカルトレーナーの夏嶋 隆さんの書籍『疲れないカラダ大図鑑』より、疲れない自転車の乗り方についてお伝えしてきます。
- 監修
- 夏嶋 隆
疲れない自転車の乗り方
毎日の移動手段として、あるいは趣味で自転車に乗っているとき、すぐに脚がパンパンになって疲れてしまう人はいませんか。
自転車に乗っていて、すぐに疲れてしまうのは、もしかすると自転車の乗り方が間違っているからかもしれません。まずは下記のチェックポイントをふだんの乗り方と照らし合わせてみてください。
【疲れやすい自転車の乗り方】
・サドルの前方に恥骨(股間・骨盤の前側)で座っている
・サドルの高さが低い(座ったとき両足がつく)
・腰を反らして乗っている
・ハンドルに体重をかけて手首を曲げている
【疲れにくい自転車の乗り方】
・サドルの後方に左右のお尻の座骨で座っている
・サドルの高さが高い(座ったとき両足ともつかない。自転車を傾けたとき片足がつくくらい)
・腰を丸めて乗っている
・ハンドルを握る手首がまっすぐになっている
この4つのポイントを守れば、ウソのように自転車をこぐ脚が軽くなり、スイスイと進んでいくことができます。
「自転車は後輪駆動(力を入れるとうしろの車輪が回る)で走ります。前輪は後輪の回転に連動しているにすぎません。そのため、うしろに体重をかけてこいだほうが、車輪がスムーズに回ります。自転車に乗って疲れてしまう人は、たいてい前に重心をかけてこいでいます」(夏嶋さん)
小型自転車の疲れない乗り方
最近はミニベロと呼ばれる小型の自転車に乗る人も増えてきました。タイヤのサイズが8~20インチしかない小さな自転車です。ミニベロの利点は、少しの力で前に進み、ハンドル操作の小回りも利くので、街中で乗るには最適。また、シティサイクル(通称ママチャリ)やクロスバイクなどの大きなタイヤの自転車よりも、坂道をラクに上ることができます。ただし、タイヤが小さいぶん、こぐ回数が増えるので、長距離走行には向いていません。
ミニベロの疲れない乗り方のポイントは、サドルの高さを高くすること。
「サドルを高くすると前傾姿勢になりますが、このとき背すじを反らさず、腰を丸めることを意識しましょう。ミニベロは車体が小さいぶん、地面からの衝撃や振動が伝わりやすいため、背すじを反らせていると、すぐに疲れや痛みが蓄積してしまうので注意が必要です」
エアロバイクで肩こり・腰痛予防
ジムなどでエアロバイクに乗る際も、前述した「疲れない自転車の乗り方」をすれば、筋肉の疲労を抑えながら心肺機能を高めることができます。 また、エアロバイクは乗り方によっては肩こりや腰痛の予防をすることも可能です。
【エアロバイクでの肩こりの予防法】
・ひじを90度に曲げてわきを締める
・背中を丸める
・体重を前にかけ、上半身を固定して全力でこぐ
「1分程度行なってください。すぐに肩が軽くなり、手を真上に上げるのもラクになります」と夏嶋さん。
【エアロバイクでの腰痛予防法】
・ひざを外側に向けて(ガニ股で)バイクに座る
・骨盤がサドルからはみ出すように大きく腰を振りながらこぐ
・こぐ脚がいちばん下に行く前に骨盤を持ち上げる
・骨盤が脚を先導してこぐイメージで
「3分程度行なってください。腰の筋肉の柔軟性が上がって、だるさや重みが軽減されます」
自転車に乗っていても疲れやすいという人は乗り方を意識してみるといいでしょう。また肩こりや腰痛がある人もぜひ、エアロバイクに乗っているときにこうした動作を試してみてください。
文/庄司真紀
参考書籍
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夏嶋 隆
なつしま・たかし メディカルトレーナー。動作解析専門家。大阪体育大学サッカー部、関西国際大学サッカー部トレーナー。1957年、大阪府出身。大学を卒業後、実業団バレーボール部の指導者としてキャリアをスタート。当時無名だった久光製薬バレーボール部をいきなり国体優勝に導き一躍注目されるが、道半ばにして医師に完治不能といわれたケガを負う。だが、かつて旧日本軍の軍医も務めていた医師のもとで回復し、その治療方法と、患者に真摯に向き合う姿勢に感銘を受け、同医師に師事、手技療法の道に進む。そこでの経験をもとに、人間が本来持つ力を十分に引き出す指導する、動作解析の専門家として活躍を始める。とくにアスリートからの支持は絶大で、指導を受け活躍する現役のプロ選手は、サッカー界だけでも30名以上。
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