腸内環境を整えることの大切さが、いろいろな場面でいわれるようになっています。便秘解消はもちろん、ダイエット、美肌、免疫力アップなどにも腸内環境のよしあしが関係。改善するための腸活には、何を食べればよいのか? 『奥薗流 腸美人レシピ』の著書がある家庭料理研究家・奥薗壽子さんも、腸活食材に注目しています。
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腸活に必要な食べ物は大きく分けて3種類。1つめはやはり食物繊維
特に女性に多く見られる便秘の悩み。ガンコな便秘はダイエットを妨げ、毒素が発生してニキビや肌荒れなどのトラブルを招くことが知られています。解消するには、腸活で腸内環境を改善することが欠かせません。
「腸活に役立つ食べ物の1つめは、食物繊維を多く含む食材です。食物繊維は便の量を増やして腸のおそうじをしてくれる、便秘のお助け栄養素。2つの種類があり、それぞれ働きが異なることも知られるようになってきました」(奥薗さん)
2つの食物繊維の違いを改めて見てみましょう。
〈不溶性食物繊維〉
- 水に溶けず、便のカサを増やして腸の蠕動運動を活発にし、排便を促す。
- 腹持ちをよくする。
- デトックス効果が期待できる。
- 野菜全般、きのこ類、豆類、穀類などに多く含まれる。
〈水溶性食物繊維〉
- 水に溶ける性質でゲル状。
- 糖質や脂質の吸収をゆるやかにし、血糖値の急激な上昇を防ぐ、コレステロールの吸収を抑制する、血圧を低下させるなど、肥満や生活習慣病の予防に有効。
- 海藻類、穀類、果物、野菜の一部などに含まれる。
腸活には両方の食物繊維が必要ですが、今回は水溶性食物繊維に注目!
「不溶性食物繊維は便の増量剤としては有効ですが、とりすぎると便が硬くなり、便秘が悪化する場合があります。その点、水溶性食物繊維はどろどろとしたゲル状なので、便を柔らかくして排便をスムーズにしてくれます。腸の中の不要な脂やコレステロールを吸着して体外に排出する働きもあるんですよ」(奥薗さん)
ただし難点があり、水溶性食物繊維は含まれている食材が少なく、意識して積極的にとる必要があります。
「目印のひとつはネバネバ。納豆、オクラ、もずく、長いもなどのネバネバした食材は、水溶性食物繊維がとれる食材です。ごぼう、さつまいも、にんじんなどにも含まれていますが、私のイチオシは麦ごはん。水溶性食物繊維の量が多いのはもちろん、白米にもち麦や押し麦を混ぜて炊くだけだから手軽だし、まとめて炊いて冷凍しておけば、ちょっと便秘気味かな、というときにすぐに食べられます。ぜひ試してみてください」(奥薗さん)
腸活食材、2つめのキーワードは「菌」
ヨーグルトや納豆、キムチ、みそ、塩麹などの発酵食品も、腸活に有効。これらに含まれる乳酸菌や納豆菌、麹菌などには、腸内環境を整える作用があることが知られています。
「ひと昔前までは、体によい菌をとっても胃酸で死んでしまったり、加熱すれば死んでしまうので役に立たないなどといわれていました。しかし、最近の研究で菌の死骸が善玉菌のエサになることがわかり、発酵食品の腸活効果が認められています」(奥薗さん)
ところで、腸にすんでいる細菌は、100種類以上、約100兆個ともいわれます。
「便秘外来の先生に聞いた話ですが、腸内細菌のバランスは子どものころに決まり、大人になっても変わらないそうです。自分の腸にもともとすんでいない菌を取り入れても定住させることはできませんが、毎日とり続けることで、腸活効果が期待できるそう。そして、いろいろな菌をとったほうがよいそうなので、さまざまな発酵食品をとることをおすすめします」(奥薗さん)
腸の中の善玉菌をさらに強くするのが、オリゴ糖。