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重めの体重が続くほどに深刻な問題が身近に…。海外研究が大腸がんとの関連を報告

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肥満の女性

日本でも増えている大腸がん。太っている(BMIが高い)と、リスクが高くなると考えられています。ただ、長い間には太ったりやせたりしがちですが、このたび、海外研究によると、一生の間に太っていた合計年数が長いほど、大腸がんになるリスクが高くなるという報告がありました。ずっと太っていることが深刻な問題を呼んでしまうようです。

監修 : 星 良孝 <ステラ・メディックス>

ステラ・メディックス代表取締役社長 獣医師/ジャーナリスト
専門分野特化型のコンテンツ創出を事業として、医療や健康、食品、美容、アニマルヘルスの領域の執筆・編集・審査監修を担っている。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BP社において「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年に会社設立。YouTubeステラチャンネルでもヘルスケアの話題を発信。
YouTube:https://youtube.com/@stellach

Contents 目次

ドイツの1万人以上を調査

肥満体形

体脂肪や肥満とがんとの関係が指摘されるようになっています。そのひとつは大腸がんです。肥満とがんとの間のメカニズムについても研究が進んでおり、さまざまなアプローチから肥満だとどんな問題が起こるのかが検討されています。

今回、ドイツの研究グループは、太っていた、つまりBMIが高かった期間(年数)の長さが大腸がんのリスクに影響するかどうかを調べてみました。ドイツで行われている大腸がんの大規模な追跡研究から、大腸がんになった約5600人となっていない約4500人を対象に、20歳から現在までの10年ごとの身長と体重から各年のBMIを計算して、BMI 25以上を肥満または過体重として合計年数を求めました。そして、その合計年数と大腸がんのリスクとの関連性を見ました。

若いときの肥満がその後にも影響

肥満

ここから明らかになったのは、太っていた合計年数が多いと大腸がんのリスクが高くなること。合計年数が少なめのグループの1.25倍から最も長いグループの2.54倍まで、長さに比例して高くなりました。肥満および過体重が大腸がんのリスクに与える影響は、これまで考えられていたより大きい可能性が浮上しました。

若いときに太っていると、のちの人生で大腸がんになりやすいということになるようです。過体重や肥満を解消できれば、大腸がんを減らすうえでも効果があるのではないかと研究グループは指摘しています。太ったり、リバウンドしたりをくり返してしまいがちですが、できるだけ標準的な体重を維持しておくことが健康の面でも重要といえそうです。

<参考文献>

Li X, Jansen L, Chang-Claude J, Hoffmeister M, Brenner H. Risk of Colorectal Cancer Associated With Lifetime Excess Weight. JAMA Oncol. 2022 Mar 17. doi: 10.1001/jamaoncol.2022.0064. Epub ahead of print. PMID: 35297997.
https://jamanetwork.com/journals/jamaoncology/fullarticle/2790372
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35297997/

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