女性の2人にひとりが悩んでいると言われる便秘。お腹をスッキリさせるために、いろいろな方法を試しているものの「なぜか、便秘が治らない……」ということも。自己流の便秘対策には、意外な盲点や勘違いも多いものです。そこで、腸の動きをよくし、腸内環境を整えて便秘を予防&解消する正しい腸活法をクイズ形式で紹介します!
Contents 目次
出るべき便が、しっかり、スッキリ、気持ちよく出ない…それが「便秘」!
便秘には医学的な定義があり、『慢性便秘症 診療ガイドライン2017』には「本来体外に排出す べき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と記載されています。つまり、出るべき便がしっかり 、スッキリ、気持ちよく出ない状態を「便秘」と呼ぶのです。また、便秘の原因には、偏った食生活や運動不足など、さまざまな生活習慣が考えられますが「原因が違っても、便秘の対処法は同じです」と大竹先生。ここでは、便秘に悩む多くの人にとってメリットとなる腸活法を紹介していきます。
さっそくクイズに挑戦しながら、便秘の悩みを解決していきましょう!
問題
食物繊維をとるなら、次のうちどれ?
□キャベツ
□サニーレタス
□こんにゃく
□玄米
正解は………
「サニーレタス」です!
食物繊維には「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があります。サニーレタスは、水に溶けやすい水溶性食物繊維を多く含み、便に水分を含ませてやわらかくすることで、お通じがスムーズになります。一方、水に溶けにくい不溶性食物繊維を多く含むキャベツ、こんにゃく、玄米は腸を刺激し、便のカサを増して排便を促しますが、腸の動きが悪く、便秘になりやすい人が多くとると、便秘を悪化させたりお腹の張りや胃もたれまで起こす 可能性が高くなります。
肉を食べるなら、次のうちどれ?
□豚肉
□牛肉
□鶏肉
□羊肉
「鶏肉」です
腸内には、腸内環境にいい影響を及ぼす細菌や、悪影響を及ぼす細菌などさまざまな細菌が数多く存在しています。このうち、腸内の環境を乱す大きな原因のひとつとなるのが、筋肉が赤い豚肉、牛肉、羊肉。これらの推奨摂取量は、1週間に500g未満とされ、それ以上多くとると腸内環境に悪影響を及ぼす細菌を増殖させることに。その結果、腸内細菌のバランスがくずれて便秘を招くほか、大腸がんのリスクを上げることも報告されています。腸を良好に保つには、筋肉の赤い肉(牛、豚、羊など)を避けて鶏肉や 魚をとることがおすすめです。
おやつに食べるなら、次のうちどれ?
□チョコレート
□プリン
□アーモンド
□人工甘味料配合のガム
「アーモンド」です
アーモンドやピーナッツ、ピスタチオなどのナッツ類には、便をやわらかくして便通をよくするマグネシウムが多く含まれ、便秘予防&解消のおやつにぴったり。反対に、注意したいのが人工甘味料。人工甘味料は、とりすぎると腸内環境に悪影響を及ばし、お腹の調子を悪くする可能性があります。また、チョコレートやプリンなど甘いものをだらだらと食べ続けることも、腸内環境の悪化につながるので気をつけましょう。
洋式トイレで、便通をよくする姿勢は?
□前傾姿勢で座る
□背すじを伸ばして座る
「前傾姿勢で座る」です
腸の構造を考えると、排便には和式トイレがベストですが、洋式トイレの場合は彫刻家・ロダンの作品「考える人」のポーズのイメージで、かかとを浮かせ、太ももに前腕をのせて上半身を前傾させる姿勢が◎。そうすることで、腸のストッパーになっている筋肉がゆるみ、便が出やすくなります。また、その姿勢で上半身を前後に動かすと効果UP。その際、排便時間は3分以内を目安にしましょう。長時間いきむと、痔やなかなか治らない便秘 を招く危険があります。
運動するなら、次のうちどれ?
□ウォーキング
□マラソン
□水泳
□筋トレ
「ウォーキング」です
腸の動きをよくするには、1日30分〜1時間のウォーキングが効果的。歩く時間は10分ずつなど小刻みにしてもOK。リラックスしながらウォーキングをして血行がよくなると腸が温まり、腸内環境を整えることができます。また、歩く振動によって腸のぜん動運動が促されるため、便通が自然とよくなります。長時間のマラソンや長距離の水泳、筋トレなどの激しい運動は腸の動きを止め、逆効果になるので気をつけて。
市販の便秘薬を飲むなら、どっち?
□腸を刺激する即効性のあるタイプ
□便をやわらかくする穏やかなタイプ
「便をやわらかくする穏やかなタイプ」です
便をやわらかくする便秘薬は、酸化マグネシウムが主成分で、便に水分を含ませて便通を促します。一方、腸を刺激する便秘薬の主成分はセンナやセンナシド、大黄など。これらは、一時的に便通をよくし、お腹をスッキリさせるものの、服用を続けると腸の動きが悪くなり、便秘を悪化させてしまいます。刺激性の便秘薬を頻繁に服用し、薬の量が増えている場合は専門医に相談し、薬を切り替えるのが安心。腎臓機能に問題がある場合も、専門医に相談をしてから服用しましょう。
クイズの結果はいかがでしたか? ぜひ、毎日の生活にとり入れて健康な腸をキープしてください。また、腸内環境をより詳しく知りたい人は、腸内細菌のDNAを調べる最新の検査を行うのも、ひとつの方法。自分の腸内細菌のバランスを確認することができます。
取材・文/野口美奈子