日常的に飲まれることが多いコーヒー。コーヒーにはリラックス効果のほか、健康へのメリットも示されてきました。海外研究によると、コーヒーを飲むことが健康な体を保つために欠かせない腎臓のトラブルを減らすと報告されました。暑い季節には1日に1杯アイスコーヒーを口にするのもよいかもしれません。
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コーヒーを飲むと好ましい効果?
1日1杯コーヒーを飲むという人は多いでしょう。クールな飲みものが好きという人ならば、暑い日は冷たいアイスコーヒーに切り替えることでしょう。コーヒーにはよく知られているカフェインのほか、クロロゲン酸、ジテルペンなどのさまざまな成分が含まれています。こうした成分はコーヒー豆を焙煎するときに生まれるものもあります。これらのおかげで、コーヒーを習慣的に飲むことは、心臓や血管、肝臓などの健康につながってくる―そうしたコーヒーの好ましい効果が過去の研究から報告されてきました。
このたび米国ジョンズホプキンス大学の研究グループが注目したのは腎臓への効果です。腎臓は血液中の老廃物を尿として排せつする浄化の役割を担っています。腎臓が健康になることで、体への老廃物の蓄積を防ぐことができます。コーヒーを飲むことが、そんな腎臓のダメージを軽くすることにつながるのかが検討されました。研究グループは1万4000人を超える人々を対象とした追跡した研究から、自己申告による1日のコーヒーの消費量と腎臓病の発症リスクとの間に関連があるかを分析しました。
習慣的なコーヒーが腎臓を守る
こうした検討でわかったのが、1日のコーヒーの消費量が増えるほど腎臓病になりづらくなることです。具体的には、毎日コーヒーを飲んでいる人は、飲まない人と比べると、腎臓病になるリスクが15%低下しました。さらに、1日に2~3杯飲む人たちは、特にリスクの低下が目立ち、22~23%のリスク低下につながることが判明しました。
なお、今回の効果が現れたのは、数時間から数日という短期間のうちに腎臓の機能が低下してしまうタイプの腎臓病です。このように急速に腎臓の機能が低下してしまうと、血液のなかに老廃物がたまり、水分のバランスを保つことも難しくなります。研究グループによると、コーヒーに含まれるカフェインが腎臓の機能を安定させる可能性があるといいます。無視できないコーヒーのメリットして、覚えておいてもよいかもしれません。
<参考文献>
Coffee consumption linked to reduced risk of acute kidney injury, study finds
https://www.hopkinsmedicine.org/news/newsroom/news-releases/coffee-consumption-linked-to-reduced-risk-of-acute-kidney-injury-study-finds
Coffee Consumption May Mitigate the Risk for Acute Kidney Injury: Results From the Atherosclerosis Risk in Communities Study, Kidney International Reports, Published:May 05, 2022
https://www.kireports.org/article/S2468-0249(22)01369-9/fulltext