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脳によい最強の食事術とは? 脳を衰えさせる“血糖値スパイク”を回避する低GI食のとり方

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元気な脳を表現したイラスト

最新の研究で低GI食をとることが、血糖値の急上昇(を抑えて長期間、脳にエネルギーを与え続けることになるため、集中力や記憶力をアップさせるということがわかってきました。今回は低GI食の実践方法について、引き続き、脳科学者・西 剛志先生の著書『低GI食 脳にいい最強の食事術』からお伝えしていきます。

監修 : 西 剛志

にし・たけゆき 脳科学者(工学博士)、分子生物学者。T&Rセルフイメージデザイン代表。LCA教育研究所顧問。1975年、宮崎県高千穂生まれ。東京工業大学大学院生命情報専攻修了。2002年に博士号を取得後、知的財産研究所に入所。2003年に特許庁に入庁。大学院非常勤講師を兼任しながら、遺伝子や脳内物質など最先端の仕事を手掛ける。2008年に世界的に成功している人たちの脳科学的なノウハウを企業や個人向けに提供する会社を設立。現在は脳科学を生かした子育ての研究も行い、大人から子どもまで10000名以上をサポート。

Contents 目次

ひとつの目安は「甘さ」

ドーナツを手に持つ女性

食後の血糖値の上昇を表す指数GI値。このGI値を利用して“血糖値スパイク”(急上昇した血糖値が急激に下がること)を起こさないように脳に糖質を安定供給し、脳がベストパフォーマンスを発揮できるようにするのが低GI食です。

低GI食を見分けるポイントは3つあります。

① 甘過ぎるものは要注意
② 炭水化物は「白い食べもの」より「黒い食べもの」を選ぶ
③ 食物繊維が多いものを選ぶ

あまりに甘いものを食べると血糖値が急上昇します。砂糖をそのまま原料に使ったお菓子や飲みものには要注意。また2つ目は精製されてない色のついた炭水化物は糖の消化吸収をゆるやかにしてくれる食物繊維を多く含むため、血糖値の上昇を穏やかにしてくれます。

高GIの食材は食べてはいけないということではなく、集中したいときや、週に数回程度にして基本的には、低GI食を意識してとるということが大切です。もちろん低GI食でもたくさん食べていいというわけではありません。

高GI食の上手なとり方

お菓子ではなく、野菜やフルーツを選ぶ人

低GI食をうまく利用すると、脳にダメージを与える血糖スパイクを避け、脳がテキパキと働いてくれるようになります。高GI食をとる場合でも小分けにして食べると食後血糖値が急激には上がりにくくなります。

「高GI食品でも食べる量が少なければ流れ込むブドウ糖の量も少なくなり、それだけ血糖値は上がらなくなります。もうひとつは食べる順番。高GI食品を最後に食べるベジファーストやミートファーストは、科学的な観点からも血糖値スパイクを妨げることがわかっています」(西先生)

そのほか、間食や夜食をとる場合は低GI食を意識するといいそうです。

「空腹の時間が長くなるのは脳にとってよいことではありません。脳へのエネルギー供給が滞り、長時間集中することが困難になってきます。食事と食事の間が空いてしまう場合は空腹を我慢せずに間食をとりましょう。夜食についても高GI食をとると太りやすくなるだけでなく、血糖値が急上昇することで“気づいたら眠っていた”という悲劇が起きる可能性もあります。夜食をとるなら“低GI食のちょい食べ”にするとよいでしょう」

間食や夜食にオススメの食品は、低GI食品の高カカオチョコレートとナッツ。

ナッツ

「高カカオチョコレートは主原料のカカオに食物繊維が豊富に含まれ、抗酸化物質のポリフェノールもたくさん含まれています。脳のパフォーマンスをアップさせる効果も期待でき、認知機能が改善したり、精神的な疲労が軽減したりする作用も確認されています。ナッツも食物繊維が多く、糖質が少ない低GI食品で、やる気のもととなるホルモンであるドーパミンやノルアドレナリンをつくるときに欠かせない“チロシン”というアミノ酸が豊富に含まれます。またナッツのポリポリとした歯応えは脳に効果的で、脳が活性化し、集中力や記憶力を高めてくれます」

「脳本来の力を引き出すために必要なのが食事」と西先生。脳の健康のために低GI食品を意識してとりたいですね。次回は低GI食と組み合わせて習慣化したい、脳によい食生活についてお伝えします。

参考書籍/

書影

『脳科学者が教える集中力と記憶力を上げる 低GI食 脳にいい最強の食事術』(アスコム)

文/庄司真紀

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