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食べ過ぎ、胃腸疲れをリセットして、心と体を整えよう! 初心者でもできる、予防内科医考案の「3days味噌汁ファスティング」

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食べ過ぎ、胃腸疲れをリセットして、心と体を整えよう! 初心者でもできる、予防内科医考案の「3days味噌汁ファスティング」

胃腸を休めたいときや食べ過ぎが続いたときにとり入れたいファスティング。伝統食品である味噌は、豊富な栄養を含むスーパーフードで、ビタミン&ミネラルを多く含むため、ファスティングにも最適な食材です。「Fan!Fun!FYTTE」では “ドクター味噌”こと内科医の関由佳先生をお招きして、“3days味噌汁ファスティング”のオンラインクラスを開催しました。身近な食材、味噌の魅力とともに、初心者でもトライしやすい味噌汁ファスティングの方法についてお伝えしていきます!

監修 : 関 由佳

つなぐクリニック院長、医師。20年来の無月経を、薬を使わずに栄養療法・自然療法(ファスティング、アーユルヴェーダ、ホメオパシー等)により、自然治癒。その後、自然妊娠及び出産を経験。2022年より、”内なる主治医と繋ぐ”&”自然療法家と繋ぐ”を目的につなぐクリニックを開院。味噌汁ファスティングプログラムの監修医師を担当するほか、メディカルフード料理研究家としても活動。著書に『みるみる痩せる!味噌汁ダイエット』(宝島社)、『腸と胃を整える食べるくすり やさい麹』(アスコム)、『毎日食べたい!腸活みそレシピ』(海竜社)

Contents 目次

心と体を整えるファスティング

味噌汁ファスティングを考案した関 由佳先生

「私は学生時代に過度なダイエットをして、体を悪くしてしまった経験があり、ずっと投薬治療を受けてきました。それが医師を志した理由だったのですが、病気の治癒のためには食事も大切だと気づき、マクロビオテックなどさまざまな食事療法についても知識を深めてきました。そうしたなか、30代で気づいたのが、自分の体を治すのは食事だけではなく“意識”だということ。マインドやスピリットが自分の体を治すということを初めて知ったのです。それからすぐに体は治り、薬は必要なくなりました。婦人科系の病気でしたが、昨年妊娠し、出産も叶いました。今回は、体を治すきっかけになったファスティングについてご紹介したいと思っています」(関先生)

もともと医師と同じくらい料理の道も極めていた関先生。2011年にはマクロビ料理学校へ通うため渡米を決意しました。渡航先で出合ったのが日本の味噌で、「日本では味噌汁に使うことが多いと思いますが、マクロビ料理ではいろいろな種類の味噌を用い、調味料としてコク出しに使ったりとさまざまなとり入れ方をしていて、私はそれがすごく新鮮で。それ以来、味噌のポテンシャルの高さを感じるようになりました」と振り返ります。

帰国してから全国の味噌蔵をめぐり、味噌を使ったレシピを伝える活動もしています。そのとき始めたのが味噌汁を使ったファスティングでした。

関先生のPPT資料より

「ファスティングは自分の体と心を整えてくれます。飽食の時代にはお腹が空いている時間が大切です。これまでいろいろなファスティングをしてきましたが、味噌汁を使ったファスティングは体を冷やすことなく、心もホッとしてリラックスします。日本人にとって食べ慣れた食材で、しかもファスティングの際に必要なビタミンやミネラルを含んでおり、最適な食材だといえます。2016年に味噌汁ファスティングの方法をまとめました」

味噌は女性に必要な栄養素である鉄分も多く含み、そのほか亜鉛、マグネシウム、ビタミンB群、必須アミノ酸が含まれます。分解された状態で吸収されやすい形で含まれているので、体への吸収率も高いのが特徴です。

味噌汁ファスティングの方法とポイントは?

「私が考案した“3days 味噌汁ファスティング”は基本的に大さじ2〜3の味噌とお好みのだし汁で作った具なしの味噌汁を飲みます。1日目は準備、2日目が実践、3日目が回復食です。低血糖予防には甘酒や野菜ジュースを用いて、体や心のサインを意識しながら軽めのヨガやストレッチ、瞑想などを行い、ゆっくり過ごしてください」

【3days 味噌汁ファスティングのスケジュール】

関先生のPPT資料より

▶1日目(準備)
腹八分目を意識して、よく噛んで食べる。カフェイン、アルコー ル、甘いものは控える。

▶2日目(実践)
基本的に具なしの味噌汁や甘酒などで過ごす。固形物はとらない。

▶3日目(回復)
回復食は1杯の味噌汁からスタート。腹八分目を意識して、よく噛んで味わう。

【ファスティング中の注意点】

関先生のPPT資料より

▶水分補給を欠かさない
栄養・酸素を運搬し、老廃物・毒素を排出するのに水分は欠かせません。味噌汁も含めて、「体重×20」mlの水分はとるようにしましょう。(※カフェイン、アルコールは含まないもの)

▶ 低血糖に注意
ファスティング中は糖分摂取が減るため、疲労感、イライラ、異様な食欲、けいれん、頭痛など、低血糖の症状が見られたら、まずは味噌汁をゆっくり飲んでください。それでも改善しないときは、甘酒や野菜、果物 ジュース、黒糖など糖分を摂取します。それでも症状が続くときは無理せず中止し、固形物をとってください。

「1週間前から体にもファスティングすることを伝える感覚で、カフェインやアルコール、白砂糖は抜いて、前日は腹八分目に抑えます。前後の食事は油物だと負担がかかるので、和食の定食がいちばんいいでしょう。ファスティングの味噌汁はがぶ飲みせず、ひと口ひと口、味わってください。 風味や温度などを感じながら“今、ココ”に意識を向けてみましょう。低血糖は3日目の朝にも出やすいのですが、低血糖が出た場合には甘酒を。1日500mlくらいだったら飲んでもいいです。また、ファスティングは基本、健康な人のセルフケアにオススメしています。薬を服用中の人や持病がある人は必ず主治医に相談してから行なってください」

必ず1日ファスティングを行う必要はなく、自分の体調を見ながら、無理しないことが大切。まずは半日から試してみるのもアリで、「自分が心地よく感じられる程度くらい」を目安にトライするがポイントです。

「自分の主治医は自分」に気づくきっかけに

さて、気になる味噌汁ファスティングの効果はというと…? 期待できる効果として、関先生は主に下記の10項目を挙げます。

1.内臓を休ませる
2.体内の老廃物を排出する
3.腸内環境を整える
4.オートファジー(自浄作用)の活性化
5.ダイエット効果
6.非日常を味わう
7. 体からのサインに気づきやすくなる
8.食べること、当たり前のことに感謝
9. 感覚が研ぎ澄まされる
10.自分の主治医を目覚めさせる

「1日だけのファイスティングでも味覚や感覚が研ぎ澄まされてくるので、余計なものを食べなくなり、必要なものをとるようになるなど、食事が徐々に変わっていくきっかけになります。その結果としてダイエットにつながることも。また腸内環境が変わってくるので、目覚めがよくなった、イライラしなくなったという感想も多く聞きますね。私は医者ですが、病気を治すだけでなく、健康な人が健康なままでいるという世の中をつくりたいと思ってきました。ファスティングはそうした病気のもととなる食べ方や思考のクセを取り除いてくれるものだと思います」

そして、関先生がファスティングを通していちばん大切にしたいことは「自分が自分の主治医である」ことに気づくことだといいます。

「健康は自分でしかつくれないもの。自分自身の体と仲よくなって、コミュニケーションをとることで、健康をキープしていってほしいですね」とアドバイスしてくださいました。

***
関先生は現在、家族でオランダに住んでおり、味噌の素晴らしさを世界中に広めるための活動も展開中。7月には甘酒と麹、八丁味噌を使った“世界一やさしいアイスクリーム”の商品化を実現しました。

関由佳先生のInstagramより
関由佳先生のInstagramより

“ドクター味噌”の活動はInstagramブログで発信中なので、今後のご活躍も楽しみですね。

文/庄司真紀

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