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ドクターに教わる、乳がんのリスクファクター&セルフチェック法

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ドクターに教わる、乳がんのリスクファクター&セルフチェック法

監修 : 尹 玲花 (日本乳癌学会乳腺専門医)

愛媛大学医学部医学科卒業後、東京都済生会中央病院にて初期臨床研修(外科系)修了。2007年より聖路加国際病院で乳腺外科医として勤務。2017年4月にmammaria tsukiji(マンマリア ツキジ)を開院。日本乳癌学会乳腺専門医、日本外科学会専門医、検診マンモグラフィ読影認定医師、緩和ケア講習会修了。

Contents 目次

生涯で9人にひとりがかかる乳がん

神戸出身の尹玲花院長は、乳腺専門医として研鑽を積んだのち37歳のときに同クリニックを開院しました。
「15歳のときに6000人が亡くなった阪神・淡路大震災が起き、わたし自身も母を亡くし、自宅も焼失するという経験をしています。町内でもたくさん知り合いを亡くしました。その経験から医師を志し、外科医になりました。当時はまだ、乳腺科はなくて片手間に乳腺診療をおこなっていた時代。乳がん治療で海外は手厚く、日本では立ち遅れがあると気づき、その現状を変えるべく、聖路加国際病院のブレストセンターで乳腺治療に従事しました」

尹先生は早朝から深夜まで休みなく研修に励むこと10年、のべ10万人以上の乳腺診療に従事。クリニックを開院したのち、現在は女性医師3名で診療にあたり、立川にも分院を開設されました。

「がんは一生のうちに2人にひとりが罹患し、3人にひとりはがんが死因となります。乳がんは女性のがんでいちばん罹患数が多いもので、9人にひとりがかかるといわれています。30代から増え始め、40代後半、60代がピークになります。乳がんの知識を持っておき、万が一迫ってきても落ち着いて対応することが重要ではないでしょうか」

乳がんのリスクファクターとは?

□初産年齢が30歳以上
□初経年齢が低い、11歳以下
□閉経年齢が遅い 、55歳以上
□飲酒
□肥満
□ホルモン補充療法
□乳がんの家族歴

「1つ目の初産の年齢については、日本の初産は平均31歳なのでほとんどの人が当てはまることになります。また初経年齢が低い、閉経年齢が55歳以上というのは、がん細胞の7〜8割が女性ホルモンの刺激を受けて成長するタイプと分類されるためです。妊娠中や授乳中は生理が止まるため、こうした期間が長ければ長いほどリスクを減らせるとされています。
飲酒についてはお酒の量に比例してリスクが上がるとされています。量的にはどのくらいかというと、1週間にグラスワイン2杯程度まで。なので、結構少ないと感じる方も多いのではないでしょうか。
肥満については、閉経後、60代以降の肥満は要注意です。閉経後は卵巣の機能がなくなりますが、脂肪細胞の中に女性ホルモンを作る作用があり、肥満になると、女性ホルモンを作りやすい環境になっているということがリスクになります」

月1のセルフチェックを習慣にしよう!

リスクファクターに関わらず、異変に気づき、早めに受診をすることが大切です。
「乳がんは唯一、早期発見しうるがんなので、月に一度セルフチェックする習慣をつけましょう。鏡に向かって片腕を上げて行いますが、バストが大きい方は寝そべって行うとチェックしやすいでしょう。異変に気づくためには、ふつうの状態を知っておくこと。硬いところややわらかいところなどチェックしましょう」

〈チェックポイント〉
□しこりがないか
□乳頭から分泌物
□皮膚の赤み、腫れ、へこみ

「自分で発見する乳がんの大きさの平均は2センチといわれていますが、乳がんはこの大きさによってステージが変わります。一般的に早期がんといわれるものはステージ1のがんのことを示し、完治率が非常に高いのもこの段階のものです。しこりでなくてもゴツゴツ、皮膚がザラザラしたものはないか、乳腺の質感もチェックしてみましょう。また下着に付着している乳頭から分泌物も、血を感じさせる色がついたものはとくに注意が必要です。鏡に映して行う際は皮膚の変化もよく確認を。毛穴が目立っている部分がないか、ひきつれ、赤み、むくみ、はれなどをよくみてください」

乳がんにまつわるウソ?ホント!

乳製品を食べると乳がんになりやすい?
→低脂質の乳製品では乳がんと関連は低い
「高脂質の乳製品の取り過ぎは肥満につながるので注意ですが、ヨーグルトなど低脂質の乳製品では乳がんと関連は低いとされています。肥満につながる乳製品のとり方が問題ですね」

イソフラボンをとると乳がんになりにくい?
→イソフラボンをたくさん食べるほうが乳がんになりにくい
「大豆製品の中では差はありませんが、みそ汁は1日の摂取量が多いほど乳がんになりにくいというデータがあります」

運動は乳がんを予防する?
→週3回以上の運動は乳がんリスクを30%下げる
「週に150分以上の運動は乳がんの発症だけでなく、再発のリスクもさげ、乳がんによる死亡率を40%下げるということがわかっています。運動することのメリットをわたしのクリニックでも伝えていて、去年の春からがん経験者向けに本格的な筋トレが行えるパーソナルトレーニングジムをスタートさせています」

女性に身近な乳がんのセルフチェックと検診の重要性もよくわかるお話しでした。生活習慣にも気をつけつつ、正しい知識で自分の身を守っていきましょう。

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文/庄司真紀

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