今回のテーマは「漢方と温活」です。長い歴史のある漢方。シンプルで体にやさしい温活を学び、とり入れてみよう。一般社団法人日本温活協会の温活検定公式テキスト『冷え知らず先生が教える温活百科』(ワン・パブリッシング)の内容を元に、温活講座10回目をお届けします!
Contents 目次
東洋医学の冷え性の考え方や温活について
皆さんは「東洋医学」と聞いてどんなイメージが浮かびますか? すでに私たちの身近にも東洋医学の考えがあり、私たちの健康にも役立っていることがたくさんあります。
今回は、東洋医学の冷え性の考え方や温活の方法をピックアップしてお届けしていきます。
そもそも「東洋医学」とは?
東洋(主に中国)で発達した医学のこと。中国伝統医学はもちろん、トルコから東アジア全域をエリアとしたアーユルヴェーダやチベット医学、ユナニーなども含みます。しかし、日本では一般的に、古代中国から伝わった中国伝統医学から発展した日本独自の医学のことを指します。
中国伝統医学は、漢方薬や鍼灸治療、あん摩などの手法で体の内面に働きかけ、自然治癒力を引き出す医療です。その理論は「人間の体は自然の一部」という考えに基づいています。中国の各地で症状に合わせた治療法、鍼や灸などが独自に発達したのですが、長い歳月をかけて中国伝統医学としてまとまり、それが奈良時代に日本に伝わってきたのです。その後、独自に発展し、確立されていきました。
江戸時代にはオランダから西洋医学が入ってきて、それまでに発展してきた日本の医学を「漢方」、オランダから来た西洋医学を「蘭方」と呼んで区別するようになりました。
つまり漢方は日本独自の医学で、中医伝統医学とは違うものなのです。
ちなみに中国では、中医伝統医学のことを「中医学」と呼びます。
東洋医学の「冷え」の考え方
漢方では、冷え性が引き起こされる原因を基礎代謝の低下や自律神経の失調とは考えず、独自の理論をもとにいくつかの状態に分けています。
例えば、「陽」が不足した状態に現れる「陰虚」や、「水」が滞った状態をさす「水滞」などがあります。この考え方を理解するには、「陰陽論」や「気血水」などの概念を知ることが必要です。
また、漢方では心身のバランスをとることで健康を保つことを目的にしています。そのバランスをはかるために使われるのが「陰陽論」「五行説」「気血水」で漢方の土台となる考え方です。
この土台となる考え方は本書で詳しく解説していますが、温活とも関係の深い「気血水」について少しご紹介します。
「気血水」のバランスが乱れると冷えを引き起こす
漢方では「気血水」のバランスが乱れると冷えを引き起こすと考えられています。具体的には「気虚(ききょ)=気が不足している状態」、「気逆(きぎゃく)=気がのぼせている状態」、「瘀血(おけつ)=血が滞っている状態」、「水滞(すいたい)=水分がたまっている状態」などがあります。これらが重なることで冷えが現れたり、悪化したりするケースも少なくありません。
例えば、「気が不足している気虚の場合」…
全身の冷えや新陳代謝の低下により、疲れやすい、だるい、風邪をひきやすいといった症状が起こります。こういった症状がある場合は、胃腸機能を整えたり、新陳代謝を活性化したりする働きのある漢方薬が効果的とされます。また、ツボに対してお灸をするのもおすすめです。
上のイラスト図は「気が不足している気虚の場合」におすすめのツボを表していますので、参考にしてみてください。
このほか、本書では、漢方薬についてや漢方で用いる4つの診断方法「四診」などについても紹介しています。
次回は、温活に役立つさまざまな手法、「温活メソッド」についてお届けしていきます。
『冷え知らず先生が教える温活百科』(ワン・パブリッシング刊)好評発売中!
こちらの公式テキスト『冷え知らず先生が教える温活百科』は絶賛発売中。
温活検定の1回目は2023年2月19日(日)です。ぜひ温活検定が気になる方、または温活そのものを学びたい方は、こちらの本をチェックしてみてくださいね。
温活をとり入れて、この冬を元気に乗り超えていきましょう!
温活検定に興味をもたれた方はこちらをチェック!
https://www.kentei-uketsuke.com/onkatsu/
文/FYTTE編集部