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初めて使ったフェムケア用品、その使い心地は? コミュニティメンバーがお試し&素直なレビューを大公開~月経カップ編~
多くの女性がふだんから使用している生理用品。女性ならではの健康課題に深く関わるこうしたアイテムが、近年、ずいぶん進化してきました。たとえば、吸水ショーツや月経カップの登場は、生理のときに、ナプキンやタンポン以外にも、使えるアイテムがあるのだという形で、私たちの選択肢の幅を広げてくれました。それによって、今まで不快だった現象が、解決されていったことも。とは言え、一般に普及しているとはまだまだ言いがたいこれらのアイテム。そこで、ファンコミュニティのメンバーに、これらの商品をお試ししてもらうことに。今回は「月経カップ」編。もちろん、私たちの体はひとりひとり違うため、感想も個人差が出てくるはず。参考として読んでいただければうれしいです!
Contents 目次
月経カップ編~月経カップ装着へのハードルは人それぞれ~
今回、コミュニティのメンバーにお試しいただいたのは、「ディーバカップ」という月経カップです。
https://integro.jp/products/divacup
3回目の挑戦で、装着は慣れてきました!
Ayuさん(30代)が使ってみたのは、19~30歳くらいで、経血量がふつうの人が使う「ディーバカップモデル1」と月経カップ専用洗浄剤「ディーバウォッシュ」です。
Ayuさんは、生理中にナプキン以外を使うなんて考えたこともなかったと言います。「取れなくなったらどうするんだろう。そもそも月経カップってなに?」と、怖かったそうです。
「仕事がお休みで経血量も少ない日に使ってみようと思い、生理初日に、はじめて使用しました。説明書も熟読し手順通りにやってみたのですが失敗。入れることができず、中途半端になってしまい、何度か挑戦しましたが痛くなって断念しました。その月の生理のときには使えませんでした。
次の生理が来たときは、“今度こそ”と初日に使用。少し痛かったけど何度か装着することができました。不安だったので1時間くらいではずしましたが、うまくつけられていたのか、もれてはいなかったです。ただ、仕事中や寝るときはまだ不安なので、家で、起きている時間帯に数時間、使用し慣らすようにしています。
3回目の生理では、だいぶ慣れてきました。初日と2日目のお昼も使うことができて、違和感はありつつも無事でした。多い日はナプキンに切り替えましたが、少ないなと思うときや仕事が休みの日は、月経カップを使うことができました。とりはずすときが今でも少しドキドキして慣れないですが、結構スムーズに使えるようになったかも…!」
3回目の生理で、装着することは慣れてきたと言うAyuさん。一方で、ちょっとハードルが高かったという声も…。imoanさんは、モデル1よりも少し大きいモデル2を使ってみました。
初心者は小さめサイズから試すのが得策…?
同じく30代のimoanさんは、30歳以上の人、経血量が多めの人が使用する「ディーバカップモデル2」と、月経カップ専用洗浄剤「ディーバウォッシュ」を試してみました。
「思ったよりも大きく、全体的にやわらかいと思っていたけれど、素材がしっかりしているので、入るのかな…というのが第一印象でした。
生理が始まり、思い切って使おうと説明書を読んだら、月経カップには煮沸が必要なことがわかりました。私は実家暮らしで、家族の人数が多く、なかなか誰もいないタイミングがありません。そのため煮沸のハードルが高く、この月の生理の期間は使用できませんでした。
次の生理のときは、前回の反省を活かして、予定日にタイミングをみて煮沸。生理になり、いざ使おう!としたのですが、今度はうまく装着できませんでした。
初めて使用する際は、夜ではなく日中がいいということだったので、朝、試してはみたものの、時間もなくあせって断念。しかも失敗すると汚れるのでだいぶテンション下がります。何度、試してもなかなか使用できないので、とりあえずお風呂に入ったときにチャレンジ。やっぱりうまくつけることができず……結局1度も使用できませんでした。
そしてその次の生理のとき。試してもやっぱりうまくいきませんでした。
今回、年齢と量から大きいサイズ(モデル2)を選択していたので、初心者には少しハードルが高かったのかなと思いました。年齢などの目安ではなく、もう少し小さいサイズのものから試してみたほうがよかったのかも。もともとナプキンを使用していて、タンポンを使ったこともなかったので、よけいコツがわからなかったのかもしれません。今後は、ちょっと小さめのサイズや、やわらかめなカップを探してみたいと思います」
月経カップを使うことができずに終わってしまったimoanさん。「煮沸がハードルに!」「ももっと小さいサイズでやわらかいほうが装着しやすい?」という、この感想は、月経カップを断念してしまった人が抱きやすい感想かもしれません。
これらについて、インテグロ(株)の神林さん にうかがってみました。
メーカーさんに聞いてみた! 月経カップをじょうずに使うコツ
――月経カップには煮沸が必要で、お手入れが難しそうという印象がありますが、実際はどうでしょうか。
「ご実家で暮らしているなど、住んでいる環境によって、煮沸をする作業はたしかに難しいことがありますよね。一般的に月経カップは、買って初めて封を開けたときは、煮沸消毒が必要です。でも実は、開封時に一度煮沸すれば、その後、毎月の生理後の煮沸は必須ではありません。そう考えると、かなりハードルが下がるのではないでしょうか。ただ、生理後の煮沸は、ニオイや色移りなどを予防して、月経カップをよい状態で長く使い続けられることにつながるため、少なくとも2〜3か月に1回くらいは行うことをおすすめします」
(神林さん)
――なるほど。では、サイズについてはいかがでしょうか。たしかに入りづらいと、小さめのもの、やわらかいもののほうがいいと考えがちなのですが…
「サイズに関しては、購入前も、購入後も悩まれる方が本当に多いです!
じつは、初心者だからといって小さくてやわらかいカップが合うわけではありません。月経カップの弾力は、膣の中でカップがきちんと開くために必要なかたさなんです。やわらかすぎると、膣の中でカップが開きにくく、モレの原因になることもあるんですよ。
また、出産経験のある女性や30代以上の女性に1サイズ大きいカップをおすすめしていることにも理由がありまして、これは骨盤底筋の状態に関係することなのです。
たとえば出産の過程では、女性は10か月間、重いものを骨盤底筋で支えている状態です。そのため、出産後は骨盤底筋や膣の弾力が失われてしまいます。 また、30代以上になると、一般的に骨盤底筋や膣の筋肉が20代に比べて弱くなる傾向があります。骨盤底筋も膣も筋肉ですから、これらの筋肉がゆるんでしまうと、小さいカップを膣に入れても膣内でカップを支えることができず、モレの原因になったり、排尿したときに落ちてしまったりということも起き得るのです。」
――そうなのですね。ということは、自分に合っているサイズにもかかわらず「入りづらい」と感じてしまうということだと思うのですが、ここにはどんな原因があるのでしょうか。
「そうですね。これは月経カップのサイズが合わないからではなく、“こんなに大きいものが入るのだろうか”“かたそうだな”といった印象から、体が緊張して膣がかたくなってしまい、それが挿入のしにくさにつながっているからかもしれません。また、膣は尾てい骨のほうに向かって斜め後ろに伸びているなど、体の構造を知ったうえで使っていただくと、スムーズにいくことも多いです。
もしよければ、こんな動画も参考にしてみてくださいね」
https://www.youtube.com/watch?v=UFn-BLYKZ6g
いかがでしたか。
手軽に着用できる吸水ショーツに比べて、月経カップのほうは少しハードルの高さを感じる人も多いかもしれません。けれども、量が多いときに違和感を覚えることもある吸水ショーツに比べ、月経カップは慣れるととても快適で、スポーツなどをいつも通り楽しむこともできるなど、それぞれに長所と短所があることを感じます。
ますます市場をにぎわす傾向にあるフェムケア商品。みなさんが当たり前のように感じている“ガマン”を軽減できるようなアイテムや知識を、FYTTEではこれからも発信していきたいと思っています!